KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★お酉さま

2008年11月17日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【鷲(おおとり)神社の酉の市】

「酉の市」の季節がまたやってきた。

毎年11月の「酉の日」に近所の鷲神社で
開催される年中行事。

商いを営んでいる我が家は、
家族揃って毎年でかけたものだった。

前の年に買った大きな熊手を父が担ぎ、
感謝の気持ちとともに奉納する。

そして、長い列を並び順番がくると
鐘を鳴らし、お賽銭とともに1年のお礼と
来年のために手を合わせたあと、
境内を降りて、
華やかな色と形で作られた縁起のよい熊手を選ぶ。

父も母もにぎやかなオーソドックスなタイプよりも
オカメの顔がついただけの
超シンプルなタイプが好きだった。

職人さんとの掛け合いの末、
新しい熊手が決まると
江戸っ子の威勢のよい掛け声が響き渡る。

火打ち石のカンカン!という音と火花が飛び散り、
「商売繁盛!家内安全!いよ~っお!」と
豪快な三拍子で締めくくられる。

たくさんの景気のよい手拍子に包まれると
厄も邪も一気に吹き飛び、
来年も幸先よくスタートできそうな気分になるのだ。

************************

お参りのあと、子どもたちは
500円のお小遣いをもらい
それぞれに好きなものを買うのが
もっぱらの楽しみだった。
(当時は、そういえば500円札だった。)

寒空の中、幼い姉妹は
肩を寄せ合い、今年は何を買おうか慎重に選ぶ。

お互いが買った水あめやら、
おもちゃのおままごとセットやら、
ソースせんべいが気になってしようがない。

やっぱり私も同じのにすればよかったな・・・。

人のものをみると急に羨ましくなったり、
後悔したりするものだ。

そして、
来年は私もアレを買おう!と密かに
心に誓ったりしていた。


************************

ここ数年、息子が一緒に行ってくれなくなってからは
すっかりと足が遠のいていた。

でも、ふと気がついたのだ。

そうそう、私もフリーでお仕事してるということは
やっぱり熊手が欲しい!

それに、
これから新しくスタートする
札幌在住のNAOKIとそして私、KAORU♪との
ジュエリーユニット
“Luce e’ Luce”
〔ルーチェ・エ・ルーチェ〕のためにも
ぜったい必要である。

今日は、家族と一緒ではなかったけど
ひとりでたっぷりと商売繁盛と家内安全を願ってきた。

そして境内に置いてあった
小ぶりのお多福の熊手を購入すると
若い巫女さんが白い幣(ぬさ)を頭の上で振って
清めてくれた。

お酉さまは、仕事と家庭の
両方の“幸”を願う
まさしく我が家の、
そして私の原点だったことを
思い出した。

************************

幼い頃、何も考えずに
お祭り気分にひたっていた酉の市を
大人になって自分で仕事を始めた今、
本気で手を合わせて祈りを捧げる。

父と母も同じように
会社の繁栄を祈願し、
子どもたちがすくすくと育っていくことを
願っていたのであろう。

そんな気持ちがよくわかるような
立場になるなんて、思ってもみなかったが
私の人生は想定外だらけのことが本当に多い。

でも、もうやっぱり前進していくしかない。


酉の市を迎えると今年も終わりだな、と
思っていたが、年々温暖化で初冬の冷え込みが
和らぎ、年末気分がなくなってきたけれど
それでも暦は今年もあと1ヶ月ちょっと。

来る新しい年のための準備に
取り掛かかりつつ、
丁寧に毎日を過ごしていこう






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする