
今年もいよいよ年の瀬。
これが来ると1年の終わりを感じる「酉の市」
子どもの頃から、商売をしていた家に育って欠かせない年中行事。
今年もありがとうございました。
来年も商売繁盛、家内安全を祈願して古い熊手を納めて、
新しい熊手を選び威勢のいいかけ声とともに縁起をかつぐ。
温暖化で年々暖かくなるけれど
今日は特に気温20℃越えで
ぜんぜん年末に向かっている気がしない。
去年は長蛇の列に諦めた記憶があるので
今年は早い時間に、と思って
1人並んでいたら隣に並んでいたご婦人と
すっかり話が弾み楽しいお酉さまに♪
うちは商売してないからお散歩がてら、
お参りに来てるだけなの。
そうなんですね、うちは商売してるので
子どもの頃からずっと来てるんですよー!
私は商売というより個人事業なので、
小さな熊手を買うんです。
へ~、江戸っ子だね~!
あ、いえいえうちは両親大阪なので
江戸っ子ではないですけど…
という話から江戸談義に。
無病息災!と火打ち石からカチカチと火花。
いよぉ~!という声と三本締めの軽快な手拍子。
江戸の人って粋よね~。と
惚れ惚れうっとりした表情のご婦人。
やっぱり東京の人の誇りは「江戸」ですよねー!と
思わず言うと、間髪入れずに
そうよ!その通り!と即返事。
一緒の列でお参りして、境内横の小さな熊手を
いつものようにひとつ選び、両手で胸にかかげて
ほんの少しこうべを垂れると、
若い巫女さんが来年も良い年になりますように。と
白い幣(ぬさ)を振ってお祓いしてくれる。
振り返るとご婦人が。
私も一緒にお祓いしてもらっちゃった!
今日はいい日だったわ。本当にありがとう。
賑やかな参道を歩き、鳥居をくぐると
私はこっち。あなたはこっちなの?
本当にありがとう♪
ご一緒できて楽しかったわ。
と何度もお礼を言いながら笑顔で
手を振るご婦人。
お互いに1人での参拝。
名前も年も、何も聞かず次にすれ違っても
きっと気がつかないほどの
短い時間のひとときを共有できたことがなんだかホカホカと温かい。
今日は長く伸びていた髪をバッサリ切って、
心も軽やかになったばかり。
いつのまにか何かが重くなっているような気がして。
突然髪を短かくしたくなっちゃった。
そんな直後の今年のお礼と来年への区切りの酉の市。
節目節目を大切にしてきた日本の古き良き伝統と
見知らぬ人との心と心の交流。
賑やかで華やかで厳(おごそ)かで。
2015年もまもなく、カウントダウンが始まる。