マヨラー

2005年11月01日 | 食事 -
父は、「マヨラー」である。
私が物心ついた頃から「マヨラー」だったので、“生っ粋のマヨラー”だろう。

今晩のメニューは親子丼、野菜餃子、味噌汁、ブロッコリーのサラダ、
というバランスのとれた献立だったが・・・
いきなりマヨネーズを、親子丼に“とぐろ巻き状態”で、ぶっかけられた。
豪快に三回まわして、やっとキャップを締めてくれた。

「へっ?!」 
       
横目で見ながら、がっかり・・・した。

いつもよくあることではあるが、やっぱり軽いショック症状に陥る。
ちゃんと味もついてるし、塩加減などなど“お味”の調味は考えているつもりだから、
「何が何でもマヨネーズをぶっかけなくても良いんじゃないかなぁ」と、いつも思う。

食文化は、人間の“個”を形作っている基本的なものである。
人其々の“好み”を、変えることはできないし、強要してまで変えようとも思わない。
「好きなものぐらいは食べさせてよ」と思う私は、「やめて」なんて言うつもりもない。
しかし、調理者としての私は、ちょっとばかり落胆をしてしまう。
自分がつくり上げた味が受け容れてもらえず、拒否されたような感覚に近いものだろう。

父のマヨネーズぶっかけ皿(椀)は、本当に意外なものまであって、誠に“幅広い”。
味噌汁だって、マーボ豆腐だって、蕎麦やソーメンだって・・・何だって大丈夫だ。
ミートソーススパゲッティなんてものまで、大丈夫だよ。
いつも、“とぐろ”で、ぶっかけているもん。

父の多彩な「マヨラーセレクト&ぶっかけマヨネーズ」を見たとき・・・
「気持ち悪い」と思いながら、好奇心旺盛な私は「どんな味かなぁ」と思ってしまい、
お皿の隅にちょっぴりのマヨネーズを盛ってみる。
「はぁ~ん、なるほど」と納得するものもあり、やっぱり“いただけない”ものもある。

そんな日々を繰り返しているうちに・・・
一様に「気持ち悪いなぁ」と思っていた私も、いつの間にかマヨネーズを片手に、
「マヨラー予備軍」になってしまった。
しかし、父に比べれば“まだまだヒヨっ子”で、人目が気になる「マヨラー」である。
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