最初はSAH

2000.11にくも膜下出血(SAH)発症。無事後遺症もなく生還。今興味あること:脳のこと,教育のこと,テニスのこと

くも膜下出血闘病中の木村拓也コーチ死去

2010-04-07 13:36:33 | くも膜下出血
皆が願っていた奇跡はついに起きず、巨人のキムタクコーチ亡くなってしまいました。
映像でシートノック中、崩れるように倒れたその時の様子が映されていましたが、
突然死の代表格とされる「くも膜下出血」の発症の様子がはっきりとわかって、
多くの人が、とてもとてもショックを受けています。

人間誰でも亡くなっていくのだとわかっている。
爺ちゃん婆ちゃん、父ちゃん母ちゃん、子ども、孫、
順送りって言葉通り、年齢順に亡くなれば、諦めもつくが、
彼は未だ37才で3人のお子さんがいらっしゃるとか。
本当に残念です。

彼の場合、前夜に頭痛がしたとか。どんな頭痛だったのか?
私は、自分の経験や調べた事でホームページやブログ上で何度も書いているが、
くも膜下出血の頭痛は普通の頭痛とはまったくちがう。
激しい痛みを伴う場合もあるが、伴わない場合もある。
しかし、その頭の異変は突然である。

「朝から何となく頭痛がして、だんだんひどくなってズキズキしたとか、
これから頭痛がしてきてだんだんひどくなるだろうから、早めに頭痛薬を飲んでおこうと思って、頭痛薬を飲んだ」
こんな頭痛はくも膜下出血ではない。

くも膜下出血は血管の一部が風船のように膨らんだ脳動脈瘤が
破裂して出血する場合がほとんどだが、出血した時、
「あれっ!これって何だ?」
ピカッとしたとか、ズキッとしたとか、ズンッとしたとか、
そんな感じでいきなりおこって、その変な痛みがとれない。そういった頭痛がおこる。
その時、いきなり大出血を起こせば、もう命はないが、
大出血でなければ、一度、出血は止まって、容態は安定する。
(脳脊髄液の中に出た血液はすぐには無くならないので、変な頭の痛みは続くが…)
しかし、怖いのは次の出血だ。
何となく頭に変な痛み(肩が凝った感じになることも多い)があるが、
そのうち治るだろうと思ってそのままにしていたら、
同じところから二度目の出血を起こす。
二度目は初めよりずっとひどく、命取りになりかねない。
その一度出血してもう出血は止まっているが、非常に出血しやすくなっている箇所から、
二度目の出血がおこるのを防ぐために手術を行うのだ。
手術は出血している時に出血を止めるために行うものではない。(私も知らない時はそう思っていた)

キムタクコーチの前夜の頭痛が、どんなものだったのか確かめようもないが、
上に書いたような頭痛だったとしたら、その時、病院に行っていたら助かったかもしれない。

くも膜下出血の頭痛ってこんな頭痛だということ、ぜひぜひ多くの方に知っておいてもらいたい。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする