2011年11月12日 夕方
PM5、『乾杯~っ』
山の夕暮れはつるべ落としよりも早い~辺りはすっかり暗くなり、発電機と投光機で、闇BBQは避けられた。
BBQは誰でも経験があるだろうが、自分たちの焼いた炭で肉を焼くとなるとまた格別。
しかも肉は、豚・牛・鶏肉は通常だが、シカ肉、シシ肉、熊肉まで揃うとは、日本広しと言えども、ここ五木の山真ん中にしかないだろう。
冬の夜は長い~いろんな事を話すには十分な時間がある
ただし、今夜のBBQは、ただ飲んだれて良い訳ではないところがちょっと違うところ~
一度火を付けたら、最後まで止められないのが炭焼き。
それは、たとえ宴会だろうが気を抜く訳にはいかない
今も昔も、炭焼きの時には泊りこみで火の番をする
だからここにも宿泊棟(コンテナ)がある。
さて、火をくべるためには底にたまったオキを掻きだす
そしてまた、薪をくべる
そしてまた、飲む
すでに6時間近く続いて、人間の方はだいぶ酔って来た
炭化も窯の天井部分に火が付いて、だんだん窯底に進みだした頃
この時の煙の温度は、約80℃くらいらしい。
本当は夜鍋で焚き続けなければならないが、さすがに体験でそこまでは出来ないので、樅木テクニックとして、いったん焚き口を密封して休眠状態で朝を迎える方法を取ることになった
手前の『カマドメ』の穴を塞ぐも、煙突のある『ショウジ』はそのままで、一時的(5~6時間)の休眠状態に出来るとのこと
だから、11時までは宴会を続ける必要があった
樅木奥さんのピストン輸送で、完全酔っ払いを2回に分けて、宿泊の樅の木食堂まで送ってもらった・・・・らしい・・・
2011年11月13日
なんとか起床して、なんとか朝食をしたみんな元気~
集合までの空き時間~せっかくだから歩いて数分の『白滝公園』散策~冬の水はますます透明度を増して綺麗だ
樅木さんは5時に来ては、昨夜塞いでいたカマドメを開けて、前面のアラセを開けて酸素を入れ、再燃させていた
ショウジからの煙突は山に向かって焼く10mも延ばしてある
長いほど冷たい空気に冷やされて『木酢』がたくさん回収される仕組み
ちなみに樅木さんは木酢をそのまま捨てていたこの板の蓋の下は風呂釜の木酢タンク~約200リットルが満杯に溜まっていて、入れる所がないからとのこと
もったいないので洗面器で受けて、ペットボトルに溜めて頂くことにした
ちなみに木酢酢をちゃんと回収すれば、炭材の20分の1になるという。1トンで50リットルの量
さて、薪ダキはまだまだ続いている
本当に炭の材木と同じくらいの薪を燃やしている。
早くもお昼近くになり、溝口さんのメニューはホルモン。こんな自然の中で食べると、ホントにおいしい~イヤイヤ、味付けも美味しいのが前提で言ってます
みんなで食べる最後の食事~熊肉は昨夜食べてしまっていた
12時過ぎて、煙の色とにおいが変わって来た
文献によると、窯の中の温度は約400~500℃という。
それまでの灰色から白っぽくなり、臭いは刺すような刺激臭が増し、喉がむせぶ様にキツクなる
着火から約22時間での変化~そして、ハッキリする変化は、焚き口から手前に炎が噴き出す『バックファイヤー』
おそらく炭窯の中は材の頭がすっかり火が付いて、水分も抜けてショウジ煙突への『引き』が弱まって炎が中に引き込まれず、余った炎が手前に溢れだしていると思われる
助手の溝口さんが『ボチボチだな~ほら、ちょうど23時間焚いたくらいたい~ばってん、時間じゃなか、煙で判断せやん』という。
なるほど、着火は昨日の午後3時だったから約1日焚いた事になる
煙の色は何とも難しい~
『ホラ、赤土ば練らやんばい~』
練った赤土を手箕(テミ)に取ると、窯の上に上がりカマドメの穴を塞いだ。
焚き口も塞いで後は、中が蒸し焼き・炭化・炭になるのを見守る
~と言っても窯の中は見られないから、樅木さんは窯の上の土を手で触り、熱くて触っていられないなら窯底まで火が降りて行ってる判断とのこと。
その時の窯の中の温度は、700~800℃になる
一番下の火を掻き出していた『アラセ』は空気の取り入れ口だからすぐには塞がない。それもショウジの煙突からの煙を観察しながら、だんだん3分の1くらいに塞いでいく。
窯の中は、まだ灼熱の地獄で酸素を必要としている~ショウジの煙突から煙が出なくなってから、煙突も、アラセも完全に塞いで10日間の密封で炭が完成すると言う。今回の炭焼き体験ではここまで
ちなみに白炭(備長炭)をつくるなら、煙が完全無色になった時に窯の中から真っ赤に燃える炭を取り出し、灰を被せて消化し完成する。
でも、備長炭づくりは掻きだす長い棒と、掻きだした炭の灼熱の熱さで大変な作業
ここでは黒炭なので、煙突と焚き口を完全に塞いだら、4~5日じっくり鎮火させて完成となる
1泊2日を3回繰り返した今回の炭焼き体験
今回の参加者がそれぞれ窯をつくる時には、『樅木氏+溝口氏のセット+焼酎セット』でコーチとして招待する事を約束して解散した
さて、3回の助手を務めて、怪我無くスムーズに体験を運んだ溝口さんには、広大なマイ公園がある。
本当は溝口さんの『マウンテン公園整備』を企画したものの、参加者が無くて断念したプランがあったのだ
ここは大通り峠から五木村側に少し下ったところ~それまでの、杉檜の伐採後は植林をやめて、観賞樹木を中心に奥さんと作り上げた(途中)の公園。
人家の無い山奥から流れ下る、ワサビも自生する谷川が2本~
みんなこれだけで感激~
シャクナゲが数百本~ゴールデンウィーク時には一面がピンクの山に変貌する。他にも名前も知らない樹木が多数植えられている
次は、ぜひとも溝口さんの『マウンテン公園整備』を実現したい
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