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定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

中山間地の零細農業~柿園の溝さらえ

2014年03月13日 22時01分09秒 | Weblog

2014年3月8日(土)

やっと1週間が終わり~、内心ゆっくりしたい休日だが、この時期やっつけておかねばならない作業があった
冬は剪定~春先は、明渠(メイキョ:排水のために地表に掘る溝)掘りだ

実家の農地のあるこの辺り一帯は、およそ8万年前に出来たと思われる阿蘇火山火砕流台地
火山灰と軽石から成るシラス台地なので、長年の雨の浸食を受けて馬蹄形の地形が連なり、そこは畑や水田として開拓されてきたところ 
ローマにあるコロシアムの一方が崩壊し解放されたような、馬蹄形の段々畑が数段つながっており、一番下の段には漏斗のように地下水が集まってくる
そこがこの畑だ~(転作が始まるまでは水田だった) 

そこに親父は10年ほど前に、柿を植えた
だから、排水対策をしないと収穫は望めない~ 


 

新芽が芽吹く前に、外周の明渠掘りが恒例なのだが、一年経つとこのとおり溝が見えないほど埋まってしまう



水は高いところから低いところへ流れる~だから、一番奥は浅く溝を掘り始め、排水口に向かってだんだん深く浚(サラ)えていくのがテクニック
それでも梅雨時には水が溜まり、イノシシのヌタバ(泥遊び場)になる



溝を切ると、土の圧力から解放された地下水が染み出てくる
~上の土手から畑に入るのを遮断するのと、畑の中の余分な水を誘導排水するのが、明渠の機能だ




しかし、農作業で人力で土を扱うのはキツイ作業の上位になる
3mも浚えたら『フ~ッ』と一息つきたくなる
だんだん深くなると、跳ね上げる高さも増して腰も痛くなる
落ち葉が大量にあると、土が鍬に乗らなくなりポロポロと落ちて、かえって回数が増え辛くなる



単調な作業が続くと、いろいろ考えてしまう
~『親父が死んだら、いったいどうなるんだろ~大した儲けもない柿は切るか~
しかし、後はどうする
この大量の落ち葉も、40年以上も手入れもしない隣の山主の放置が原因で、大木になったエノキからの落ち葉だ
~覆い被さるように南の日光を遮っている~お陰でここはホントにお陰様だ~




さて、ブツブツ考えながらも、だんだん深くなってきて、息も絶え絶え
~スコップと違い40~50cmを鍬で跳ね上げるのは、辛い労働だ


 

他人の木はなかなか切れないが、草である孟宗竹が倒れ込んで来るのは許可無く切っている
『文句があるなら言って来い手入れも出来ない山なら、俺に全部切らせろ
まあ、ここだけの状況ではない~辺り一帯、山や畑の手入れをするのは元気な老人と、それに連なる息子が居るところだけだ
その親父が居なくなったら、自分ももうこんな農地を管理する、自信はない

 

また、ブツブツ考えていると、やっと排水口にたどり着いた
それでも、やっと半分終わっただけ~ちょっと寝ころんで休憩

 

汗が冷たくなってきたので、作業開始~
さっきの始めた一番奥の所から、反時計回りに~また、浅く溝を掘り始めた~

1枚の畑でも、こっち側は粘土分がきつく、削った泥が鍬にベタベタとまとわりついて離れず、エライキツイ思いをする


 
それでも、やり遂げないと帰れない~また考え事をしてしまう
『一般的に、仕事をしたら評価ってものがあるが、こんな山の中で人知れず一人でする仕事を一体誰が評価するのか
親父は助かったと悦ぶだろうが~果たして、親のためにする作業か
今日のこの作業で幾らの収益につながるのか労賃を支払うとしたら、収益で賄えるのか
そう考えるとバカらしくなる~きっと誰でもそれを考えて、何もしないんだ
つまり、耕作放棄は経済的な判断行為なのだ
評価ってあるとしたら、それは柿自体が示してくれるんだろう~そもそも、農作業は生産活動で、今日の農作業とかの断片評価でなく、全ての作業の成果として、その作物が評価するものだろう。だから、一貫して作業を続けなければならない。
柿が幾らで売れるかは、人間の評価する経済活動の販売・消費のことで、生産とは全く別の努力のしどころだろう。これを一緒に考えるから、バカらしくなるんだ~』




さてさて、ふと気づくと、雑草としては超やっかいなスギナにツクシが出ているのに気づいた
憎っくきスギナも、大地の春を感じているのだ



さて、90度の角を曲がると、あともう少し~



こちらの排水口は、舗装もしていない道の轍の窪み



『やっと、終わった~』と鍬を投げ出して、あぜ道に寝ころぶ~向こうでミニバイクが帰りを待っている



ゴロンとしながら、今日の成果を見回す~実は、柿の間にはコンニャクを植えている~梅雨時にも、コンニャク芋が大きくなる頃も、柿が熟れる頃にも、イノシシがやって来るこれが、中山間地の農地の現状だ~



この水田の下には、ため池がある(あった)。
転作が始まる前には受益者により整備されていて、山からの谷水を引いて、満々と用水を湛えていた。そして、菱が育っていて、晩秋には実がたくさん着いて、それを採っては焼いて食べていた思い出がある
鬼の様に2本の棘があり、鬼菱と言っていた

今では、誰も整備しないために草木ヤボの窪地になって面影もない。
(菱の実の紹介)
http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/hishi2.htm



もう一つ、米の増産時代の遺構~昭和30年代になると高度経済成長に突入~米の値段も高くなり、米増産でボーリングが盛んにされた。
こんな辺鄙な奥の水田まで、安定的な用水が来るようになり、それまでの天気任せの山水用水での水稲栽培は安定的な水管理が出来るようになった。
しかし、埋設配水から10年もしない内に転作が始まり、10a当たり2万円くらいの電気代がかかるボーリング組合は、あっと言う間に解散した



こんな農地や山、畑をどうする~何もしないが一番お金も要らなく、自由な時間も増えるだろう
中山間地農業~農地の維持管理~耕作放棄地対策~これらは、ずっとのし掛かっていて、毎年の様に潰されそうな思いをしている自分が抱える問題だ



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