Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

折れた刃からの刃物づくり編(No4)

2019年02月20日 01時17分49秒 | Weblog

2019年2月中旬

曲がった刀身の歪(ヒズミ)取りの工程で、刀身が折れるハプニングにもめげず
写真左の刀身から、2本の刃物を作った報告です。



折れた先の刃は未だ40cmもありましたので、刃側から中子を切り出すことにしました。
厚さ1mm足らずの薄いディスクグラインダーで切断しました。
この火花を見るのも楽しみです
それはなぜか
火花による炭素含量判別




やや中子の幅が狭く、湾曲もしていますが、こんな感じでちゃんとした刃物の体になりました。



鋭い断面ですので、グラインダーで面取りをしました。



中子の切り出しで出た小さな刃の部分も、それからさらに中子を切り出し、(肥後の守)的な小刀にすることにしました。



後は、研ぎです。
中研ぎで切れる刃まで研ぎ出します。



端切れでも、刃渡り22cmと長いので研ぎ甲斐があります。
普通の人は数時間も研ぐことは絶対ないと思いますが、仕上げ研ぎまで2時間くらいかかりました。




あらかじめ作っていた柄に口金をはめ、固定ピンの穴あけです。
ボール盤を持たないので、先ずは3mmドリルで穿孔します。



次に、目的の6mmドリルで穿孔します。



綺麗に貫通しました。



真鍮棒を突っ込み、金切りノコで切断し、両端に出た金属をリベット止めします。



2カ所をピン止めしますが、2カ所目でまたハプニングが起きました



なんと、硬くてドリルが入らないのです。
穴を覗いても、黒錆が剥げているだけ
新品のドリルに交換しても、いつまでたっても金属に食い込みません
もともとここは、長い刀身の中ほどであった訳で、それだけ焼き入れが効いていて、マルテンサイト変態がうまくいき、ドリルの硬度を上回ったと結論付けました。




仕方なくこのとおり、ピンは1カ所としました。
さて、この竹は



そうです。
柄を切り開いて、中子を突っ込んだ、背側・腹側には、溝の空間が開いていますので、これを埋める竹です。
木でも良いのですが、孟宗竹の方が加工が簡単です




はみ出した余分な部分をそぎ落とします。
後日、透明接着剤で固定します。




さて、端切れの、端切れで作った小刀です。
適当な柄がありましたので、それに合わせて中子を削り、突っ込みました。
峰部分が厚く、指で峰に力を入れて押さえて切れるので、意外と頻繁に使っています。




1本の長モノが、3つの刃物に変わりました。



切れ味も良いので、《まっイイカ



4つのシリーズをご覧いただき、ありがとうございました。

No1:鍛造編

No2:柄づくり編

No3:焼き入れ編

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ランダムから来ました (鈴木)
2019-03-30 07:47:19
はじめまして~
ブログ拝見してます
私は60代のおじさんです
手作り~凄いですね

私はビーチコーミングで海岸を散歩し貝,貝殻、流木などで動物、アクセサリー、オブジェなどをつくって楽しんでいます
返信する
鈴木さんコメントありがとうございました。 (金光)
2019-05-13 22:45:42
今夜、久しぶりに自分のブログを観て、コメントが来ているのに気づきました。定年退職し、再任用でまた働いていますので、なかなか自由な時間がありません。
返信する
サムライ千年グローバル (鉄鋼材料エンジニア)
2024-11-04 05:16:40
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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