ルイ・レテリエ監督、サム・ワーシントン主演、【タイタンの戦い】、4/24、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞。2010年18本目。
本作が公開されるにあたり個人的に興味があったのは、本作の2Dと3Dの上映の割合でした。
ジェームズ・キャメロン監督の3D超大作【アバター】によって、ようやく一般的に認知された感のある3D映画ですが、3D対応のスクリーンが今ではどこのシネコンでも珍しくないにしても、3D対応のスクリーンが二つある、というシネコンはそこまで多くないはずです。
【タイタンの戦い】と【アリス・イン・ワンダーランド】、おそらくは初めて3D大作が二作品同時期に公開されるという状況において、一つしか3D対応スクリーンを持たないシネコンは、どう対応するんだろうか、と興味があったのです。
3Dと2Dを交互に上映していくのか、午前と午後でそっくり入れ替えるのか、それともマニアックな【タイタンの戦い】のみ3D上映はレイトショーになるのか?
答えは簡単、【タイタンの戦い】の3D上映切り捨てでした(近在のシネコンはそうでした)。
そりゃそうですよね、ファミリー層の客の取り込みを期待出来る【アリス・イン・ワンダーランド】の3D上映を優先するのは当然の判断だと思います。
今後公開、製作される大作映画は軒並み3D映画になるようです(『トイ・ストーリー3』や『トロン:レガシー』、『バイオ・ハザード』シリーズ及び『トワイライト』シリーズ最新作などなど、それこそ枚挙に暇がない)。
しかし、ローカルなシネコンでは3D対応のスクリーンは一つしかなく、二作品(以上)の3D映画が公開される場合は、その中で最もメジャーな作品のみ3D上映されるという現状を配給会社の方々は心に留めておいた方がいいでしょう。
閑話休題。
本作は一言でいうと増長した人間と暴虐な神々の対立、それに巻き込まれた主人公ペルセウスのお話です。
なのですが、ゼウスの巨大立像を破壊したり、「我が娘の美しさは神々(の美しさ)にも優る」と分を弁えない発言をしたりと人間の増長ぶりは描かれるんですが、一方神々がどう暴虐なのかは具体的に描かれないんですよね。
唯一、ハデスが引き起こした津波でペルセウスの育ての親たちが溺れ死んでしまうんですが、それも元はと言えばアルゴ軍の兵士がゼウスの巨大立像を破壊したことが引き金なので、殊更ハデスが悪いようには思えません。
なので、神々に戦いを挑もうとする主人公たちに、まーったく感情移入出来ません。
それどころか、創造してやった恩義も忘れ、無礼千万を働く人間たちを、たかが娘っ子一人の命で許してやろうという神々の方を、「神様って寛大だなぁ」って思ってしまいました。笑。
それからネタバレになって恐縮ですが、ハーデスの使い魔であるクラーケンをペルセウスがメデューサの首を使って石化することで倒し、ハーデスを退けた後、すべての事件の黒幕はハデスだった、みたいな真相が明かされ、「ワシはお前のことをこっそり助けてやってたんだぞ」みたいにゼウスが(偉そうに)ペルセウスに恩を着せるシーンがあるんですけど、これっておかしいですよね?
ゼウスがペルセウスの手助けをするってことはハデスの思惑をゼウスが見抜いていたってことになると思いますが、それだったらゼウスはハデスに人間への制裁を命じなければいいのだし、だいたいハデスが作り出したクラーケンはゼウスに命じられて作ったものなのだし、考えれば考えるほどワケがわかりません。
まぁ今挙げたような矛盾や疑問点は言うまでもなく重箱の隅を突付くようなものであり、本来アクション映画であれば不問にしてもいいのですが、本作はその肝心のアクションがどうもパッとしないので余計に気になるのです。
本作のアクションのどこがダメか、感覚的な問題もあるので説明は難しいんですが、まず前述の通り感情移入出来ないキャラがどれほどの危機に陥っても観てる側としてはハラハラしないというのがあります。
それに加えて純粋に演出の問題もあります。
例えば、本作には「グライアイ」という名の目を持たない魔女が出てくるのですが、それがぶっちゃけ【パンズ・ラビリンス】に出てくる目のない怪物にそっくりなんですが、存在感や恐怖がまるで及ばないんですよね。何ていうか、記憶に残らない。
ここらへんは監督であるギレルモ・デル・トロとルイ・レテリエの演出の差、また演じたアクターの技量の差なのでしょう。
あと、「神々の美しさにも負けない」と讃えられたアルゴの姫アンドロメダがそこまで美人じゃないことも微妙に気になりましたが、、、そんなことが気になるのは自分だけでしょうか?笑。
お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
本作が公開されるにあたり個人的に興味があったのは、本作の2Dと3Dの上映の割合でした。
ジェームズ・キャメロン監督の3D超大作【アバター】によって、ようやく一般的に認知された感のある3D映画ですが、3D対応のスクリーンが今ではどこのシネコンでも珍しくないにしても、3D対応のスクリーンが二つある、というシネコンはそこまで多くないはずです。
【タイタンの戦い】と【アリス・イン・ワンダーランド】、おそらくは初めて3D大作が二作品同時期に公開されるという状況において、一つしか3D対応スクリーンを持たないシネコンは、どう対応するんだろうか、と興味があったのです。
3Dと2Dを交互に上映していくのか、午前と午後でそっくり入れ替えるのか、それともマニアックな【タイタンの戦い】のみ3D上映はレイトショーになるのか?
答えは簡単、【タイタンの戦い】の3D上映切り捨てでした(近在のシネコンはそうでした)。
そりゃそうですよね、ファミリー層の客の取り込みを期待出来る【アリス・イン・ワンダーランド】の3D上映を優先するのは当然の判断だと思います。
今後公開、製作される大作映画は軒並み3D映画になるようです(『トイ・ストーリー3』や『トロン:レガシー』、『バイオ・ハザード』シリーズ及び『トワイライト』シリーズ最新作などなど、それこそ枚挙に暇がない)。
しかし、ローカルなシネコンでは3D対応のスクリーンは一つしかなく、二作品(以上)の3D映画が公開される場合は、その中で最もメジャーな作品のみ3D上映されるという現状を配給会社の方々は心に留めておいた方がいいでしょう。
閑話休題。
本作は一言でいうと増長した人間と暴虐な神々の対立、それに巻き込まれた主人公ペルセウスのお話です。
なのですが、ゼウスの巨大立像を破壊したり、「我が娘の美しさは神々(の美しさ)にも優る」と分を弁えない発言をしたりと人間の増長ぶりは描かれるんですが、一方神々がどう暴虐なのかは具体的に描かれないんですよね。
唯一、ハデスが引き起こした津波でペルセウスの育ての親たちが溺れ死んでしまうんですが、それも元はと言えばアルゴ軍の兵士がゼウスの巨大立像を破壊したことが引き金なので、殊更ハデスが悪いようには思えません。
なので、神々に戦いを挑もうとする主人公たちに、まーったく感情移入出来ません。
それどころか、創造してやった恩義も忘れ、無礼千万を働く人間たちを、たかが娘っ子一人の命で許してやろうという神々の方を、「神様って寛大だなぁ」って思ってしまいました。笑。
それからネタバレになって恐縮ですが、ハーデスの使い魔であるクラーケンをペルセウスがメデューサの首を使って石化することで倒し、ハーデスを退けた後、すべての事件の黒幕はハデスだった、みたいな真相が明かされ、「ワシはお前のことをこっそり助けてやってたんだぞ」みたいにゼウスが(偉そうに)ペルセウスに恩を着せるシーンがあるんですけど、これっておかしいですよね?
ゼウスがペルセウスの手助けをするってことはハデスの思惑をゼウスが見抜いていたってことになると思いますが、それだったらゼウスはハデスに人間への制裁を命じなければいいのだし、だいたいハデスが作り出したクラーケンはゼウスに命じられて作ったものなのだし、考えれば考えるほどワケがわかりません。
まぁ今挙げたような矛盾や疑問点は言うまでもなく重箱の隅を突付くようなものであり、本来アクション映画であれば不問にしてもいいのですが、本作はその肝心のアクションがどうもパッとしないので余計に気になるのです。
本作のアクションのどこがダメか、感覚的な問題もあるので説明は難しいんですが、まず前述の通り感情移入出来ないキャラがどれほどの危機に陥っても観てる側としてはハラハラしないというのがあります。
それに加えて純粋に演出の問題もあります。
例えば、本作には「グライアイ」という名の目を持たない魔女が出てくるのですが、それがぶっちゃけ【パンズ・ラビリンス】に出てくる目のない怪物にそっくりなんですが、存在感や恐怖がまるで及ばないんですよね。何ていうか、記憶に残らない。
ここらへんは監督であるギレルモ・デル・トロとルイ・レテリエの演出の差、また演じたアクターの技量の差なのでしょう。
あと、「神々の美しさにも負けない」と讃えられたアルゴの姫アンドロメダがそこまで美人じゃないことも微妙に気になりましたが、、、そんなことが気になるのは自分だけでしょうか?笑。
お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。