この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ストーリーがアクションの邪魔をしているように思えた『ザ・レイド GOKUDO』。

2014-11-24 23:44:55 | 新作映画
 ギャレス・エヴァンズ主演、イコ・ウワイス主演、『ザ・レイド GOKUDO』、11/24、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2014年41本目。


 個人的に一番燃えるアクションシーンと言えば、何といっても二人の男が徒手空拳、命懸けで戦うタイマンバトルですね。
 武器なんか持っていたらつまんないですよ。あっという間に決着がつくし。拳銃であればなおさらです。
 二人の男がただ己の肉体のみを武器にして、どちらかが命尽きるまで延々とどつき合うシーンを見たいものです。
 
 しかしよく考えてみたらそんなシチュエーションってなかなかありえないですよね。
 だって相手を確実に、そして簡単に倒そうと思ったら武器を使うのは当然のことですし、一人よりも二人の方が倒しやすいのは言うまでもありません。

 アクションを主体とするアクション映画において、ストーリーはフツーに考えたらあり得ないシチュエーションを不自然なものに見せないために存在すると言っても過言ではないと思います。
 前作『ザ・レイド』ではこれが上手く行っていたと思うんですよね。つまり、素手で殺し合うという不自然さをかなり自然なものに変えていた、そう思うのです。

 その続編である本作でも、前作同様異常と言ってもいいぐらいのキレキレのアクションシーンが冒頭から数え切れない存在します。
 しかしそのほとんどが、どうしてコイツ、武器(拳銃)を持ってないの?とツッコミを入れたくなるシーンばかりなのです。
 特に顕著だったのが、クライマックスで主人公のラマが敵のアジトに単身殴り込みをかけるシーンですね。
 シチュエーション的にはめちゃくちゃ燃えるシーンではあるんですよ。主人公のこれまでの怒りが爆発するシーンですから。
 でも単身殴り込みをかける主人公が武器の一つも携帯しないっていうのはさすがにどうかと思いました。
 ナイフは無論、拳銃やマシンガンや手榴弾を用意したっておかしくないシーンなのに、主人公がひたすら己の肉体だけを武器にして戦うというのは無理がありすぎます。
 迎え撃つ方も迎え撃つ方で、律儀に飛び道具なしでナイフやバットで応戦するんですよね。
 誰か一人ぐらい拳銃を持ってないんかい!と言いたくなりました。

 ちょっとケチをつけましたが、シチュエーション的には無理かあっても、アクション自体は極上なので、目を瞑ってもいいんですけどね。

 逆に目を瞑ってられないなと思ったのが、日本人俳優のやる気のなさ、ですかね。特に松田龍平のやる気のなさ加減はずば抜けていて、彼はこれまで飄々とした役柄が多かったように思いますが、本作のヤクザ役はそんな「飄々とした」と言えるようなものでなく、ただひたすらやる気がないように見えて仕方なかったです。
 

 お気に入り度は★★★、お薦め度は★★☆は五つで満点、☆は★の半分)。
コメント (2)
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