この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ボードゲームを卒業します。

2018-12-26 23:49:00 | ゲーム
 わざわざ宣言することではないのかもしれませんが、2018年をもってボードゲームを卒業したいと思います。
 ここでいうボードゲームとはカタンやカルカソンヌといった、いわゆるボードゲームカフェでプレイできるゲームを指し、麻雀や将棋は含まれません。
 またパーティなどに参加して、たまたま何かのボードゲームに誘われたときに「ボードゲームは卒業したので」と断ることはありません。
 わかりやすくいうと、来年からはボードゲームカフェに行ったり、ボードゲーム関連にイベントに参加することはないってことですかね。

 なぜボードゲームを卒業しようと思うのか。
 断っておきますが、自分はボードゲームを嫌いになったことはありません。
 それどころか、ボードゲームは麻雀に比べて健全で、将棋に比べて間口が広い趣味だと評価しています。
 にもかかわらずボードゲームを止めようと思うのは、いろいろと疲れたからです。本当に疲れました。か。

 始まりは鳥栖のショッピングセンターで行われたボードゲームのイベントでした。
 楽しかったですよ。ボードゲームっていいな、ボードゲームを通じて友達ができたらいいな、そう思いました。
 家に帰ってから、そのイベントで知り合ったある人をツイッターでフォローしたんですよ。「イベントではお世話になりました」とツイート付きで。
 当然フォローを返してくれるものと思っていたのですが、その人はいつまで経ってもフォローを返してはくれませんでした。
 あれ?って思ったのですが、こちらから「フォローを返してください」と督促することもできず、結局こちらもその人のフォローを解除してしまいました。

 困ったのは別のイベントに行ってもその人がいるってことです。
「どうしてフォローを返してくれないんですか?」と聞けたらよかったかもしれませんが、まぁ普通は聞けないですよね。

 たまたまその人がフォローを返すのを忘れちゃっただけでしょ、という人もいるかもしれません。
 でもそのたまたまが続くんですよ。
 仲良くなれたらいいなと思ってフォローして、フォローを返してくれないということが、4、5人はいたかな。
 中には同じ日に知り合った女性はフォローして(フォローをしたのか、返したのかは知らない) 、こちらのフォローは無視するというようなこともありました。
 あ、断ることでもないかもしれませんが、フォローを返してくれなかったのは全員男性です。

 そういったことが続くと、ボードゲームのイベントで誰かと知り合ってもツイッターでフォローをする気にはなれなくなっちゃいますよね。
 そして自分はツイッター以外に初対面の人と連絡を取り合えるようになるSNSを知りません。ミクシィなんてオワコンですしね…。

 それからあるボードゲームのイベントですっごくマナーの悪い人がいたんですよ。
 具体的にどうマナーが悪かったかは割愛しますが、そういうプレイはないんじゃないの、と言いたくなる人でした。
 それで自分が「『〇〇』という人のマナーが悪かった」というようなことを口を滑らせたことがあったんです。
 そしたら困ったことにその『〇〇』というのがありがちなHNだったようで、別の『〇〇』さんから悪口を言われた思われたみたいで…。
 その『〇〇』さんの主催するイベントに参加表明しても一切無視されるようになりました。

 無視は他の人からもよくされました。
「体調が悪い」というツイートに「大丈夫ですか?」と返信しても無視され、「どこどこのお店のランチが美味しかった」というツイートに「あのお店は美味しいですよね」と返信しても無視され、最近ではある映画の上映形態のことがよくわからないとツイートしている人がいたので、自分なりに違いを説明したのですが、それに対しても返信は特になかったです。
 ボードゲームを通じて知り合った人とこれ以上ツイッターでフォロー関係にあったとしても多分意味はないと思うので、この記事をアップ後、解除するつもりです。

 ボードゲームを止めようとする人間が何を言っても無駄かもしれませんが、ボードゲームが好きな人に苦言を呈することを許してください。
 まず、ボードゲームを通じて知り合った人からツイッターでフォローされたら、ちゃんとフォローを返してあげてください。
 意図的でなかったとしても、フォローを返してもらえなかったら、それなりにショックは受けるものなのですよ。
 それから多少気に入らない相手であっても、ツイッターではちゃんと対応してください。
 ボードゲームにおいて、気に入らない相手だからルールを変えるなんてことはしませんよね。

 あと、余計なお世話かもしれませんが、ボードゲームはちゃんと厳選して購入するようにした方がいいです。
 自分はボードゲームの良いところの一つに健全性が挙げられると思います。
 ツイッターのタイムラインで、「今月〇万円ボードゲームを買った!」みたいなツイートが流れてくることがあります。
 月の収入がいくらなのかは知りませんが、積みゲー(プレイしないボードゲーム)は出来るだけ作らない方がよいです。
 月にいくらボードゲームにつぎ込むか、事前にちゃんと決めておくことも趣味としてボードゲームを長く続けていくために大切だと思います。

 記事本文では非難めいたことを書きましたが、もちろんボードゲーム好きな人が全員非難されなければならないなんて思ってはいませんし、自分に落ち度がないとも考えてはいません。
 それどころか、自分が非難したことは、コミュニケーション能力が人並みにある人であれば簡単に回避出来たことなのでしょう。

 ボードゲームが単なるブームで終わらず、多くの人に愛される文化になればよいと思っています。
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『ガタカ』の嘘。

2018-12-26 21:19:02 | 旧作映画
 懲りずに『ガタカ』の考察をします。
 「またか!」などと言わないよーに!笑。

 『ガタカ』ほど高く評価されると同時にはその本質を捉え損ねている人が多い作品はないように思います。
 理由は一概には言えませんが、その一つに登場人物が嘘をついていることが挙げられるのではないでしょうか。
 今日は『ガタカ』における嘘について考えてみたいと思います。

 レストランでの食事のシーンで「これから一年どうするつもりだ?」とビンセントに尋ねられたジェロームは「旅にでも出るつもりだ」と答えますが、これは嘘ですよね。
 ジェロームはビンセントの出発直後に焼身自殺をしています。この自殺が衝動的なものとは考えにくいので、レストランで食事をしたときにはすでにその決心をしていたと考えるべきでしょう。
 ではなぜジェロームは嘘をついたのか?
 この問いに答えるのは難しくありません。
 単純にビンセントに余計な心配を掛けたくなかったからです。ジェロームはビンセントに出来るだけ穏やかな精神状態で宇宙に旅立ってほしかったのです。
 この心情は理解しやすいと思います。

 ジェロームはビンセントに対して他にも嘘をついています。
 帰宅したビンセントにジェロームが次のような台詞を口にするシーンがあります。
「いつもと同じヘアカラーを注文したら業者が違うものを送ってきた。返品は利かないそうだ。そのうち請求書が送られてくるだろう」
 まず、ビンセントが出発直前にも関わらずヘアカラーを注文すること自体変ですが、それはさておき、発送ミスをした業者が返品に応じないこと、さらに発送ミスした商品の代金を請求することは常識的に考えてあり得ないことです。
 ジェロームが嘘をついていることは明らかです。
 おそらく業者と電話でやり取りをしている最中にビンセントが帰宅したのでジェロームは慌てて嘘をついたのでしょう。
 業者と電話でやり取りをしていた以上、ジェロームが何かを注文していたのは間違いありません。
 その何かは、ビンセントが出発直前であるにもかかわらず必要であり、返品が利かず、またビンセントに対してはヘアカラーだと誤魔化さなければならないものですが、この条件に見合うものはさほど多くはありません。
 ジェロームのこの嘘はちょっとわかりにくいかもしれませんね。

 わかりにくい嘘は他にもあります。
 ビンセントは弟のアントンと二度遠泳勝負で勝っています。
 この二度の遠泳勝負のシーンだけ見るとビンセントが心臓の障害を克服したかのように受け取れます。
 しかしトレーニングルームでのランニング後、ビンセントがロッカールームで倒れ込むシーンがあります。
 このシーンを見るととてもビンセントは障害を克服しているようには思えません。
 障害を克服したか、していないか、どちらかなので、どちらかのシーンは嘘なのです。
 この場合、ロッカールームで倒れ込むシーンには嘘が紛れる余地がないので、ビンセントが勝利した二度の遠泳勝負が嘘だったということになります。
 では嘘をついたのは誰なのか?
 ビンセントは勝負に全力を尽くしているので何も嘘はついていません。
 である以上嘘をついたのは弟であるアントンということになります。
 アントンは故意に遠泳勝負で負けたのです。

 アントンのことをビンセントの宇宙行きを妨害する存在だと捉える人が多いようですが、自分はアントンこそビンセントの夢のよき理解者であったと考えています。
 子どものころから二人は一緒に過ごしてきましたし、何よりビンセントの宇宙行きの夢を最初に知ったのは他ならぬアントンです。
 もしアントンが本気でビンセントの宇宙行きを阻止するつもりであれば職権を用いてビンセントを二、三日拘留すれば済むことです。わざわざ遠泳勝負に付き合う必要などありません。
 アントンは兄の宇宙行きの夢を誰よりも理解し、そして彼なりのやり方で兄の背を押したのです。
 当然ガタカで交わしたビンセントとの会話の中でのビンセントの宇宙行きを否定する言葉も嘘だったということになります。

 しかしながら『ガタカ』における最大の嘘はやはりジェロームがついた嘘でしょう。
 ジェロームは幾度となくビンセントに対し、「お前ならやれる、お前なら出来る」と叱咤激励をしてきました。
 そのことだけに着目すると、ジェロームはビンセントが宇宙飛行士になることを信じているかのように思えます。
 が、違うのです。
 ジェロームはビンセントが宇宙飛行士になれるとは全く思っていませんでした。
 何を馬鹿なことを言っている、お前が勝手にそう思い込んでいるだけだろ、という方もいるかもしれませんが、もちろんそう断定するに足る強力な根拠があります。
 それはジェロームが二人の暮らしたアパートメント(の焼却炉)で命を絶ったことです。
 もし仮に、ジェロームに、ビンセントが無事に地球に生還すると信じていていて、それでもなお死ぬ理由があったとします。
 その場合、彼がアパートメントで命を絶つことはないでしょう。
 どこかよその場所で、出来ればビンセントに自らの死を知られない場所で死ぬはずです。
 もちろん足の不自由なジェロームが遠くに行くのは困難なことです。
 しかし不可能ではないはずです。
 ジェロームがビンセントと暮らしたアパートメントで命を絶ったということは、ジェロームはビンセントが二度とアパートメントに戻ってくることはないと考えていたということに他なりません。
 地球に生還すれば必ず戻ってくるはずのアパートメントに戻ることはないと考えていたということは、ビンセントは地球には生還しない、ビンセントは宇宙に行けば死ぬ、そうジェロームは考えていたということになります。

 宇宙に行けばビンセントは死ぬ、そう考えていたにもかかわらず、ジェロームはビンセントの宇宙行きに協力し、彼を叱咤激励していたのです。
 このときのジェロームの心情を想像すると自分は泣けて泣けて仕方がありません。
 これほど心を揺さぶられる嘘が他にあるでしょうか。
 とかく嘘は人に嫌われるものですが、時に大いなる感動を生むこともあるのです。
コメント (12)
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