この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

久しぶりにヤバいものを観たと思った『哭悲/THE SADNESS』。

2022-07-03 22:42:49 | 新作映画
 ロブ・ジャバズ監督、ベラント・チュウ主演、『哭悲/THE SADNESS』、7/1、KBCシネマにて鑑賞(映画の日につき1200円)。2022年24本目。

 5月に山梨にある富士急ハイランドに行きました。
 そこで日本一怖いと称されるお化け屋敷に入ったんですよね。
 日本一怖いと称されるお化け屋敷がどれぐらい怖かったか?
 全然怖くありませんでした。
 この時は二人だったんですが、この次は一人でも平気、何なら懐中電灯も無しで構わない、と思いました。
 我ながらホラーに対して耐性がついたものだな、この先、ホラー映画を観て怖いと思うことがあるだろうか、と思ったものです。

 しかし、、、この『哭悲/THE SADNESS』は相当怖かったです。
 ヤバいものを観た、と思いましたね。
 ホラーに対して耐性がある人でもこの映画はきついと思います。
 夏だし、ホラー映画でも観てみるか、ぐらいの気持ちで観るのは止めておいた方がよいです。

 突然変異したウイルスに感染した感染者が人々を襲うようになるといういわばゾンビものの亜種です。
 ゾンビ映画って見ていて怖いと思うより、疑問に思うことが先に来ることが多いんですよね。
 ゾンビって大概人間の肉が好物で、ゾンビに噛まれた人間もまたゾンビになりますよね。
 でもこの設定自体おかしいって思うんですよ。 
 たまにゾンビ映画を見ていて、見渡す限りゾンビだらけだった、みたいな光景を目にしますが、このシチュエーションってどういうふうに起こったのだろう?って疑問に思っちゃうんです。
 このシチュエーションになるためにはゾンビが一人の人間を襲っても、少しだけ肉をかじったら次の人間を襲う、みたいに行動をしないといけないのでは、と思ってしまうのです。
 そんな行動をするゾンビって変ですよね?

 しかし、この『哭悲/THE SADNESS』はそういった疑問点や矛盾点がないんですよ。
 ジョージ・A・ロメロが1968年に『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を世に送り出して以来、数え切れないぐらいのゾンビ映画が作られてきました。
 それぞれ何かしらの特徴やオリジナリティがあると思いますが、『哭悲/THE SADNESS』のそれは、感染者は衝動を抑えきれなくなる、という点です。
 なので感染者には知能があり、会話することすら可能です。
 これは目からうろこだな、と感心しました。
 知能のないゾンビでは残虐行為に及ぶにしても限界がありますから。
 本作の感染者は知能があるのでその残虐行為にリミッターがないのです。

 ひたすら残虐行為が繰り返されるだけ、では映画ではなく、ただの残虐行為の記録映像にすぎません。
 本作にはきちんとしたストーリーがあります。
 感染者が徘徊する中で愛し合う恋人同士が再会するかどうかなのですが、結末がどうなるか気になる方はご自身の目で確認してください。
 残虐行為のオンパレードに理性が保てるのか、責任は持てませんが…。

 お気に入り度★★★★☆、お薦め度☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (13)
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