この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

内職中。

2005-07-21 22:18:04 | 日常
ただいま内職中、、、といっても目前に迫った土曜日のフリマで売る商品に値札をつけているだけなんですけどね。
あらためて自分の部屋に尋常ではない量のプライズ(景品)があることを知りました。
今度のフリマは業者の出店が禁止されているんですけど、絶対業者に間違われること間違いなし!(ん?日本語ヘン?)
ともかくせっせとせっせと値札をテープ、orホッチキスでつけているんですが、一向に終わる気配がないゾ。。。
まごの手も借りたい気分です。(それをいうならネコの手!!)
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドゥナ。

2005-07-20 22:38:25 | テレビ
えっと、三文字のタイトルを続けていくのはいい加減無理っぽ♪みたいです。
もうこれぐらいで勘弁してください。
本当は今日はありきたりに『テレビブロス(7/23~8/5)より』というタイトルにしたかったのですが、、、無理矢理三文字にしてしまいました。
どうにも期待に応えなければと空回りする自分が怖いです。
ところで一般人であれば「ドゥナ」といわれれば「いや、どうもないけど?」と答えたくなるのが人情ではないでしょうか。
しかしながらこの場合の「ドゥナ」とは「ペ・ドゥナ」のことです。
ペ・ドゥナという名前を聞いたことがありますか?
『吠える犬は噛まない』、『子猫をお願い』など話題作が次々に公開されている韓国の若手女優です。
けれど彼女のことはしばし置いとくとして。(置くのか?)

今号のテレビブロスの表紙は岡田義徳、佐藤隆太、塚本高史の三人。
一見「あれ、『木更津キャッツアイ』再び?」という感じのメンバーですが、『THE三名様』DVD実写化だそーです。
昨今様々な漫画や小説が実写化されていますが、これほど原作とかけ離れたイメージのキャスティングも珍しいです。
まぁイメージ通りのキャスティングというのも至難の業ですが。

巻頭特集ドラマ30『ヤ・ク・ソ・ク』。
先日たまたま『ヤ・ク・ソ・ク』を見る機会があったのですが、タイトルが『ヤ・ク・ソ・ク』である以上、二人で交わした秘密の約束を必死になって守ろうとする恋人のお話、、、かと思いきや、主役の二人が約束を交わしている様子はまるでありません。
と疑問に思っていたら、ブロスいわく「展開がお約束」だそうで、
なるほど!!
と納得させてもらいました。感謝。

続いて『新ドラここがヘンだよ!第一回』なのですが、、、いわせてもらっていいですか?
見たあとの評価が一つだけ30点で残りのドラマは40~60点に収まるってどーゆーことですか?
毒がないぞ、毒が!
もう少しケチョンケチョンに(死語)叩いてこそブロスらしいというものじゃないのか!!
ってそーゆーお前が毒を吐いてどーする、って感じですね。

他には特にこれといって気になる記事はなし。
ということで本日のブログはこれにて終了。。。
おっと忘れてました、ペ・ドゥナ。笑。
『リンダリンダリンダ』公開記念でペ・ドゥナのインタビューが載ってました。
実は先週末、ペ・ドゥナ主演の『子猫をお願い』という作品を観ました。
『子猫をお願い』という可愛らしいタイトルから自分は「子猫を拾った女の子が家でその猫を飼おうとするのだけれど、様々な事情によりそれが叶わず、その猫を飼ってくれる人を捜し歩く」というようなお話だと勝手に思ってましたがさにあらず、「失業したために子猫を育てることが出来なくなったヒロインがその子猫を高校時代の親友に誕生日のプレゼントとして渡すが、(当然のことながら)突っ返されて、にっちもさっちもいかなくなる」といったお話でした。
相手の意向も聞かずにプレゼントに動物を贈るのは猫だろうがヤギだろうが褒められたことではありません。
で、失業したヒロインがペ・ドゥナ、、、ではなくて、ヒロインのもう一人の親友役がペ・ドゥナでした。
自分の目にはペ・ドゥナは脇役、というか、準主役にしか映らなかったのですが、どうも公式ではペ・ドゥナが主演らしいです。
まぁ確かに輝きが違っていたけど。

さて正直な話『子猫をお願い』はあまり性に合いませんでした。(悪い作品だとは思いません。支持する人がいるのも何となく頷けます。)
しかしそれは『子猫をお願い』に限ったことではなく韓国映画全般がそうで、今まで見た『シュリ』、『火山高』、『箪笥』、『猟奇的な彼女』、『オールド・ボーイ』などなどあまり面白いと思ったことがありません。
アジア全域に広げれば、タイ映画の『マッハ!!!!!!!!』や香港映画の『インファナル・アフェア』シリーズなど自分の好みなんですけどね。
さらに漫画では今一番の贔屓の漫画は韓国発の『新暗行御史』なので、韓国ティストを受け付けないというわけでもないのですが、なぜか韓国映画を面白いとは思えないのです。
我ながらちょっと不思議です。
そんな韓国映画嫌い(になりそう)な自分にあえて勧めたい韓国映画って何かありますか?
よければ教えてください。
例え鑑賞して面白くなくてもそれで恨んだりしませんから。(←当たり前だっつーの。)
よろしくお願いします。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フリマ。

2005-07-19 22:27:45 | 日常
突然ですが、フリマに参加することにしました。
フリマといってもあれですよ、決してバレリーナのことではありません。
フリマ、すなわちフリーマーケットのことです。
よく勘違いされてますが、フリーマーケットの「フリー」は「自由」という意味でなく、、、って誰でも知ってそうな蘊蓄を語っても空しいだけなので飛ばします♪ 
参加するのは7/23(土)に行われる南区役所わい★わいガレージセールです。
この日はどうやらフリマ日和らしく(そんな日和があるのかどーかはともかく)、福岡市内では三ヶ所もフリマが開かれるのですが、南区役所のフリマが自分には何かと条件がよかったのです。
あぁ、フリーマーケット初体験♪ 
何事も初めてのときって緊張しちゃいます、、、ってお前は夢見るティーンエイジャーか!(←意味不明。)
それはさておき、お近くに住んでいらっしゃる方、是非南区役所まで足を運んでください。
ぬいぐるみやプライズ(景品)を山のように積み上げて一人孤独にぽつんと売っているのが自分です。
たぶんそんな野郎は一人きりだと思いますが、一応看板代わりに超デカイくまのぷーさんを連れて行きます。
「ブログを見たよ!」の一言で全商品定価の一割引とさせていただきます。
といっても定価なんてあってなきが如しですけどね。笑。
そんなわけで土曜日までいろいろと雑用で忙しいと思います。
当ブログの記事の更新はさぼるつもりはないですけど、もしかしたらブログ巡りまでは手が回らないかもしれません。
土曜日までのことなので、どうかご容赦ください。

ps.(売り手、買い手を問わず)フリマに参加されたことのある方で、何かアドバイスがあればよろしくお願いします。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プール。

2005-07-18 23:59:39 | 日常
夏真っ盛り、ということでプールに行ってきました。
といってもリゾートホテルのシャレたプールとかじゃなくて久留米の赤十字会館が一般に向けて開放している屋内プールなんですけどね。
当然ビキニのおねーちゃんなんて皆無でした。(ってお前は何を期待してプールに行ってんだよ!!)
でも赤十字会館のプール、とてもよかったですよ。
設備はとても綺麗だったし、プールとは別に浴場もあるし、キャップは無料で借りれるし、何より料金がたったの四百円だし。(現在激貧にあえいでいる自分ですが、さすがに四百円はありました。笑。)
海水浴はもちろん、プールに行くのもめっちゃ久しぶりだったのですが、三つ子の魂なんとやらで、無事泳ぐことは出来ました。
でもタンスから引っ張り出した、というかたまたま見つけた海パンのゴムがゆるんでいて、泳ぐたびに脱げちゃいそうになりました。  
ということで泳ぎ方は(手で海パンを押さえるので)自然とバタ足になりました。笑。
バタ足でどこまで行けるかな、と思ってチャレンジしたら、(息継ぎなしで)25メートル泳ぎきることが出来ました。
あれ、前より泳げるよーになってる?
以前は確か息継ぎなしでは25メートル泳げなかったよーな気がするんですけどね。
人間、不思議なこともあるものです。笑。
赤十字会館のプール、年中無休みたいだし、また行ってもいいかな、って気になりました。
(これでビキニのおねーちゃんがいればいうことないんですけど、、、っていねーよ!!)

それから赤十字会館の駐車場に車を停め、折りたたみ自転車の試乗をしてみました。
今まで自分は主にママチャリしか乗ったことなかったのですが、折りたたみ自転車、非常に乗りにくいです。
こんなに乗りにくいものだったのか!!って感じです。
どーしても前傾姿勢になっちゃうし。
サドルの位置がおかしいのかなぁ?
街で乗ってる人は結構颯爽と乗りこなしている感があるんですけど。
う~む???
まぁぼちぼち乗りこなしていこうと思ってます。
(愛車のフィットに折りたたまずに載せられることがわかっただけでもよしとしましょう。)

というわけで、こうして自分の2005年の夏は終わりを迎えたのでした。(もうかよ!!早いよ!!)
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スコア。

2005-07-17 22:56:58 | 新作映画
ロバート・デ・ニーロ主演、『スコア』を見ました。
ロバート・デ・ニーロといえば一昔前ならともかく、最近では笑えるのか笑えないのかよくわからないコメディにばかり出演している感があり、自分的には思いっ切り無視してよいアクターの一人だったので、この『スコア』もノーマークで未鑑賞でした。
しかし『スコア』はよかったです。秀作でした。
やはり脚本がきっちりと練られている作品ってよいですよね。
無理がなく、無駄がなく、無茶もない。(逆にいえばありきたりともいえますが。笑。)
近年のハリウッド大作のように作品を鑑賞しているのか、それともその作品の粗を探しているのか、どっちかよくわからん、ってこともなかったです。
また出演者も適役だと思いました。
引退を考えている金庫破りと成り上がることを夢見る若者、それぞれロバート・デ・ニーロとエドワード・ノートンが実に見事に演じていました。
これまた引き合いに出しますが、ハリウッド大作は適役かどうかはわからないけど、とりあえずこの役者はネーム・バリューがあるから出演させとけ、みたいな傾向があると思われます。
はっきりいって「出演者が超豪華!」みたいな宣伝文句の映画はそれだけで観る気が失せます。
『オーシャンズ』シリーズもこのまま13、14・・・と是非続編が作られることを願ってやみません。(観ないけど。)

さて『スコア』で手引き屋を演じていたエドワード・ノートンですが、確か『ミニミニ大作戦』でも手引き屋っていう設定じゃなかったですかね?
だとするとノートンは手引き屋を演じさせればハリウッド一ってことになりますね。笑。
実はここだけの話、自分は『ミニミニ大作戦』がすごく好きです。(世間的な評価は低いと思いますが。)
まぁ粗がない脚本だとは思わないのですが、それでも胸のすくような展開が観ていて心地いいんです。
やっぱり犯罪ものって、個人的に陰惨な結末を迎えるものは好きじゃなくて、『スコア』や『ミニミニ大作戦』、他にはブルース・ウィリス主演の『バンディッツ』などのように予定調和めいたハッピーエンドじゃないと嫌なんですよね。
といっても前述の『オーシャンズ11』はやっぱりその中に含まれないんですけど。笑。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三連休。

2005-07-16 23:43:07 | 日常
土曜日から三連休ですね!
といっても今日は自分は仕事だったんですけど。。。
何が悲しくて三連休の頭に会社に行かなければいけないのか、まったくもってわかりません。
などと愚痴をこぼしたりしてますが、どうせなーんにも予定なんてないんですけどね。
いつもの週末だったら予定がなければ映画でも観に行こうってことになるんですが、危機的状況である財布の中身がそれすら許しちゃくれません。あぅ。
というわけで、ビデオを何本か借りてきました。(レンタルチケットは幸いまだあったので。)
一本目はにらさん推薦の『子猫をお願い』。
にらさんいわくダコタ・ファニングよりもベ・ドゥナだそーです。
ってどーゆー推薦コメントだって気がしますが。笑。
二本目は何となく気になってた『エイプリルの七面鳥』。
借りるかどーしようか迷ったんですが、ヒロインがあのケイティ・ホームズだったので借りてみることにしました。
『バットマン・ビギンズ』では、
まーったく魅力的は感じなかったのですが、今作ではどーなんでしょうね。
三本目は小夏さん推薦の『記憶の扉』、といいたいところですが、(前回とは別の店にいったんだけど)やっぱりなかった!
九州には入荷していないのかな?(んなわけない。)
こうなりゃ意地です、市内にあるレンタルビデオ屋のハシゴをしましょう!(給料日がきたらね。。。)
あと何か借りるべか、と思ったんですけど、maさん推薦の『スコア』(購入済)も未鑑賞だったことを思い出したのでやめときました。

こんな感じの三連休なんですが、何だか書いてて空しくなってきました・・・。

そうそう、部屋の掃除もしなくっちゃいけないことを思い出したのですが、でも部屋が片付いてない最大の理由は部屋がプライズ(ゲーセンの景品)に占領されているからなんですよね。
ドラえも~ん、助けて~、って感じです。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏バテ。

2005-07-15 23:53:00 | 日常
先ほど体温を測ったら37.4℃ありました。
昨日も37.1℃あったし、最近微熱が続いています。
原因はクーラーじゃないかと思ってます。
会社の事務所の中はクーラーがガンガン効いていて、まぁずっと事務所にいれたらいいんだけど、そういうわけにも行かなくて用事があって倉庫に行き、倉庫はうだるような暑さでじっとり汗をかいて、汗が引く間もなく事務所に戻って急激に冷やされて、そしてまた倉庫へ・・・、それを繰り返すと自分の場合体温調節が出来なくなっちゃうんですよね。
涼しい事務所の中にいても熱っぽいまま・・・。
その状態が家に帰っても続いてるって感じ。
ふぅ、バテちゃいそうです。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

対決。

2005-07-14 22:00:50 | ショートショート
 男は私の顔を見て、ごく人のよさげな笑みを浮かべると、右手を差し出した。
「はじめまして、ジョセフ・コールといいます。お会いできて光栄です、カール・リンツ博士。いえ、リンツ教授とお呼びすべきでしょうか、それともリンツ伯爵と?」
 私の肩書きを一つならず挙げたところをみると私のことはそれなりに調べがついているようだ。
 こちらはといえば心の整理さえろくについていないというのに。
「ただ、教授と」
 それだけをいって彼の右手を握り返そうとして、もし彼が握った手を離そうとしなかったらという理不尽な恐れに囚われ、私は一瞬躊躇した。
「ご心配なく。今の私は無力な子羊にすぎませんよ」
 私の心を見透かしたようにジョセフは穏やかにいった。
 儀礼的な握手を交わしつつ、それはどうだろうかと私は訝しんだ。何しろ彼は二人目の鑑定医の耳朶を噛み千切っているのだから。
 今も彼の両脚は椅子に鎖で繋がれている。
 ジョセフ・コールは殺人者である。
 わかっているだけで十二人の人間の殺害に関与している。その中には彼の妻であるシェリーと一人娘であるリンディも含まれている。
 彼に関して厄介なのは彼には解離性同一障害、いわゆる多重人格の疑いがあるということだ。
 カルテには現在ジョセフ・コールと名乗っている人物には四つの異なる人格が存在すると記されている。
 論戦好きで極めて合理的、かつ冷淡な思考の持ち主であるジョセフ。残忍で粗野で自ら犯してきた行為を喜々としてしゃべるジェフリー。他人に対して盲目的なまでに従順なジェイミー。絶えずブツブツと呟きながら時折悪夢から覚めたように大声で喚くジョニー。
 現行法では精神を病んでいる者を裁くことは出来ない。
 そのため犯罪者が本当に病んでいるのか、それとも巧妙にそれを騙っているのか、見極めることはきわめて重要であり、かつ困難である。
 鑑定医を患者の方から指名するなど聞いたこともない話だ。
 もしそんなことが可能ならば、患者は誰だって自分が懇意にしている医者に鑑定を依頼するだろう。鑑定医の方だって自分の知己を鑑定することになれば、客観的な判断を下せるはずもない。そう、そのようなことはありえないはずだった。
 だが、ジョセフ・コールはその無理を通した。一人目の鑑定医に完璧なまでの黙秘権を行使し、二人目の耳朶を噛み千切り、三人目に私以外の人間が来ることがあれば、その鑑定医を殺すと宣言することによって。
 当局はその脅しに屈してしまったというわけだ。
「どうして私に鑑定の依頼を?」
 当然ともいえる私の質問に、彼は軽口でも叩くような口調で答えた。
「教授の著述に深い感銘を受けましてね」
 ジョセフは二つ、三つ私の書いた本のタイトルを挙げた。
 私の本はお世辞にもベストセラーとはいえない。一般大衆に支持を受けるような内容ではなく、専門家には殊の外評判が悪い。
 私は苦笑しながら尋ねた。
「この道に入って、もう三十年近くになるが、私の本の愛読者に会ったのはこれが初めてだよ。教えてくれないか、どこが面白かった?」
 ジョセフは面白くもなさそうに答えた。
「面白いとはいってません。感銘を受けたと」
「ではどこに感銘を?」
「貴方の本は他の奴らの書いた似非とは違う」
「光栄だ。どう違う?」
 ジョセフはじっと目を細めて、私を見た。
「奴らはただの知ったかぶりだ。外側から眺めて、わかったふりをしているに過ぎない。読んでいて、胸が、ひどくむかつく。反吐が出る」
 一瞬彼の顔が凶悪な殺人鬼のそれに変わる。
「私は違うというのか?」
「えぇ、全然違います」
 ジョセフは打って変わってさもおかしそうに口元を歪めた。
「貴方は内側から物事を見ている。内側からだ。私にはそれがわかる」
 彼は再び針のように目を細め、真顔でこういった。
「教授、貴方は人を殺したことがあるでしょう?」
 面白くもない冗談だった。私は笑おうとして、しかし失敗した。
「何を根拠に…、そんなことを?」
「根拠などありませんよ。そんなものはいらない。なくてもわかる。同じ空気。同じ匂い。そういったものが貴方の書いた文章からはピリピリと感じられるのです。私にはわかります」
 彼の断定的な口調に私はかろうじて反論した。
「愚かな質問だ。仮に、仮にだ、私が人を殺めたことがあるとして、それを君に正直に認めるとでも思うのかね?」
 彼は表情を変えることなく、ただゆっくりと首を振った。
「いえ、教授。しかし考えてみてください、告悔するのに私以上の存在がいるでしょうか。何しろ私は精神異常者ですからね」
 ジョセフは思いがけず優しく微笑んだ。
「牧師は、迷える子羊が打ち明けた懺悔の中身を、茶飲み話のネタの一つとして妻にしゃべる。お上品な奥様は昼間旦那のいない間にベッドの上で口も頭も軽い配管工にそれを伝える。後はもう、ネズミのように噂は広まるばかりだ!誰も止められない。誰も、誰も、誰も、誰もだ!!」
 ジョセフの演説めいた台詞が狭い面会室の中でひどく響いた。私は息苦しさを覚え、ネクタイを緩めた。
「だが私は、少なくとも私には、そんな心配は無用だ。なぜなら私は精神異常者だ。私の言葉はすべて戯言であり、偽りである。誰も私の言葉に真剣に耳を傾けることはない。告悔するのにこれ以上の相手はいないでしょう。違いますか、教授?」
 いつの間にか、私は奴の言葉に聞き入っていた。
「楽になります。例え誰であったとしても、長い間、胸の中にわだかまっていたものを吐き出せば、きっと楽になる」
 ジョセフは囁くように小さな声で繰り返した。
「きっと、楽に、なる」
 ジョセフの言葉はまるで安っぽい麻薬のように心地よく、同時にひどく吐き気を催した。
 まるで悪魔の囁きだ。本当に楽になれるものなら…。だが…。
「人は、過ちを犯す。生きている限り、それこそ数え切れぬほどの。私も罪を犯した。人を殺すのと変わらぬ大罪を犯した。罪人だよ。到底償いきれるものじゃない。だが人は殺していない。嘘じゃない。本当だ」
 ジョセフは私の言葉に落胆したようだったが、不思議とその顔から笑みが消えることはなかった。
「教えてください、教授。貴方の犯した罪とは何です?」
 私はふらふらと立ち上がった。
 これ以上、この部屋にいることも、彼の相手をすることも耐えられそうになかった。
 やはりここに来るのではなかった。
「悪いが、君には言えない、ジョセフ・コール」
 ジョセフは私の言葉に気を悪くする様子もなく、視線を宙に漂わせながら、そうですか、と呟くようにいった。
 ドアのところまでたどり着いてから私は振り返った。
「ジョセフ、君ははじめましてといったが、私はどこかで君に会ったことがあるような気がしてならない。君には覚えがないかね?」
 彼はこちらの方を見ようともせず、首を横に振った。
「いえ、残念ながら」
 そうか、とだけ私はいって、面会室を後にした。

 拘置所から一歩外に出るとそこには妻のエセルがいた。
 妻はどうやって私が今日ここに来ることを知ったというのだろう。
 そのことを尋ねようとして、だが結局彼女の真摯な表情に私は言葉を飲み込んだ。
「あ、貴方…。ジェイミーは、あの子は…」
 エセルのすがるような視線に私は思わず顔を背けた。
「いや、ジェイミーには会えなかったよ」
 私は妻にそう答えた。
   
                      了


       *うおのめ文学賞ショートショート部門エントリー作品
コメント (31)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お知らせ。

2005-07-13 23:50:40 | 雑事
明日のブログでは新作のショートショートをアップする予定です。

内容はサイコ・サスペンス物で、長さはショートショートにしてはやや長い原稿用紙八枚程度の作品です。

そんなに残虐なシーンはないけど、サイコ・サスペンス物が苦手、っていう人は読まないほうが無難かもしれません。

といいつつ、出来るだけ多くの人に読んでもらいたいと思ってます。笑。

感想もお待ちしています。

よろしくお願いします。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たまには仕事の話でも。

2005-07-12 23:50:07 | 日常
たまには仕事の話でも。

6/20の段階で納期は6/31メーカー工場出荷、つまり十日間ちょっとでした。
自分はそのことをお客様に電話で伝え、FAXで構わないから注文書を流してください、とお願いしました。
そりゃ慎重にもなりますよ、だってその部品、下手すると
新車一台買えちゃうぐらいの値段なんだもん。
するとそのお客様は、
「仕事が立て込んでいて・・・」とか、
「上司が出張中で・・・」とかいう理由でなかなか注文書を送ってはくれませんでした。
結局注文書が手元に届いたのは一週間後の6/27。
ふぅ、これでよーやく手配が出来る、と思っていたところ、そのお客様から電話。
「納期はいつぐらいになります?」
「えーっと、手配が一週間遅れたので、納期も一週間遅れだと思いますが、一応メーカーに確認してわかり次第連絡いたします」というふうに自分は答えました。
そしてメーカーに問い合わせたところ、しばらくして、一週間の間に別の部品の大量発注があって、生産ラインが一杯になったので、納入日は最短で7/14になります(つまり納期のズレが一週間ではなく二週間)という回答がありました。
そのことをお客様に伝えると、「えぇ!?もう工事日を7/10に設定しちゃいましたよ!どーにかしてください!」といわれました・・・。
どーにかしてっていわれてもなぁ・・・。
もしこういった場合、工事日までに納入が間に合わなかったら誰の責任になっちゃうんでしょうね。
1.発注書をいつまでも流さなかったお客様。
2.発注書が流れてくるまで手配せず、しかも納期に関していい加減な発言をしてしまった自分。
3.発注が一週間遅れただけなのに納入が二週間遅れるメーカー。
長い間の経験でいわせてもらうとお客様が責任を取ることはまずないですよね。(←当たり前。)
結局どーにかこーにかメーカーに急いでもらって納期を間に合わせましたが、おかげさまで本当に胃が痛くなるよーな日々を送らせてもらいましたよ。。。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする