ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

絶対に呼ぶなよ

2011-02-10 22:08:04 | Weblog
まずは聞きたい。底無し沼は存在するか?
もう一つ聞きたい。底無し沼が存在したとして、現実、その底無し沼にはまる確率はどれくらいあるか?

マングローブの林の終わりを告げるのは、少し開けた泥地帯。・・・やっと終わった悪臭地帯。ホッと一安心。
草原の入り口はどこだっけ?と記憶を辿る。パッと見ただけでは分からない。・・・そういえば、草むらを掻き分けて上ったような記憶が・・・。あそこだ!間違いない。

僕はその草原の入り口はだと思える場所を目指して進み始める。
例の巻貝はそれほどいなく、踏んづけ作戦が実践できない。
ビーチサンダルをペチャッペチャッと言わせながら、歩く。またもやくっついて歩きにくい。

例えば、ちょっと先の未来を知っている者や、そこに何が待ち構えているのかを知っている人が居たならば、僕が一歩ずつ歩みを進めてその場所に近づいて行くのを見て、ほくそ笑んだに違いない。

僕は確実に、真っ直ぐに、その場所に近づいていったのだから。

底無し沼は存在するか?・・・もうお分かりだろう。底無し沼は存在する。

僕がこの記事を書くに当たって、「ビーチサンダル」という文字を書きすぎなくらいに書いているのには訳がある。このビーチサンダルが重要なキーワードなのだ。ビーチサンダルからシューズに履き替えなかった事。これが、僕の命を救ったと言っても・・・決して過言ではない。

この続きは、いつか、僕の心が落ち着いた時に書く事にしよう。ここまで読んでくれてありがとう。
シングの「続く」と「今度ね」は、あったためしがないとご存知のみなさん、また今度ね!

と、ちょっと意地悪を言いたくなってしまうほど、ショッキングな出来事。だったかな?

じゃぁ、続きね。

右足を泥に着くと、右足が泥にくっつく。くっついた右足を泥から剥がそうと、左足に体重をかけて右足を引っ張る。逆もしかり。そうやって一歩ずつ進んで行く。すぐそばに見えているはずの草原の入り口が、やたらと遠くに感じる。それでも、早くこの地帯を抜けたい僕は出来る限りの急ぎ足で先へ進む。

くっついた左足を剥がそうと、右足に力をいれた瞬間。身体が沈んだ。「ウソだろぉ!!!」と叫ぶ時間も無かった。沈んでると気づいてからも、更にヌメヌメと沈んでいく。「恐怖で凍りつく」とは、こういう時に使う表現なんだろうな。
沈んでいく右足を止めようと、左足に力を入れようとする。が、しかし、力を入れ過ぎたら左足も沈む。この泥沼に両足がはまったら、自力で抜け出すのは不可能なように思える。バランスだ。奇跡のバランスが必要だ。恐怖に負けてバランスを崩せば、奴らの思うままだ。奴らって誰だ?
左足が沈まないくらいの力で、右足の沈降を止める。・・・止まった。今、まさに奇跡のバランス。焦ってはいけない。ゆっくりとねかなければならない。・・・抜けない。ビーチサンダルが引っかかって抜けない。力を入れ過ぎれば左足も沈んでしまう。でもビーチサンダルが引っかかって抜けない。

ここで選択肢が現れる。人生はいつだって、選択の連続だ。
ビーチサンダルを棄てて、右足を抜くか。ビーチサンダルもろとも、右足を抜くか。
奇跡のバランス状態で固まっている体。・・・僕の頭は考える。普通だったら、ビーチサンダルを棄てるよな・・・でも、これはただのビーチサンダルじゃない!島草履だ~!前回の沖縄旅の時、石垣島で買ったんだぁ~~!!!棄てる訳にはいかないんだぁ!!!なんのこっちゃ。

そんなこんなで、ビーチサンダルを救うことに決めた僕は、左足の足場を比較的沈まなそうな場所にずらした。そして、左足への力が底全体にかかるように努めた。爪先や踵に比重がかかると沈む。ビーチサンダルの特色・・・底が平。そして浮力。ビーチサンダルを救う為に、ビーチサンダルの特色が力を発揮する。これは愛の話だ。
僕とビーチサンダルの片っぽが協力して、もう片っぽのビーチサンダルを救い出す。あふれる愛が無ければ成せる業ではない。・・・ような気がする。

左足のビーチサンダルの力を頑なに信じて、命を投げ出すような気持ちで右足を引っ張りあげる。決して離さないよ・・・と右足の親指と人差し指で鼻緒を締め付けながら引っ張る。実際、本気以上の力をで引っ張った。

そして・・・見事に、左足が沈むことなく、僕の右足と右足が履いているビーチサンダルを救出。思わず、無線でヘリを呼びたくなったよ。涙の救出劇だ。

実際は、涙の救出劇ではなく、ヘドロの救出劇。
右足のビーチサンダルが連れてきたのは泥沼の底に堆積しているヘドロ。もちろん、僕の右足の膝までびっしりヘドロまみれ。こんなことってある?滝を見に来ただけなのに、なんでヘドロまみれになるんだよ。なんで西表島に来てヘドロまみれになるんだよ。聞いてないよぉぉぉ。

そして、更に問題なのは、その悪臭を放つ真っ黒なヘドロを洗う水がない。・・・こ、こ、このまま滝へ?ヘドロをぶら下げて滝へ?前代未聞のヘドロ探検隊?・・・うそだろ?小中学生だったら、アダ名にされちまうぞ。おい、ヘドロって呼ばれるんだぞ。ヘドロ、ジュース買って来い!とか言われちゃうぞ。・・・よかった・・・小中学生じゃなくて。

近くのちっちゃな水溜まりで、ちょっと洗ってみる。ヘドロを落としてみる。そしてすぐに断念。だって・・・あっという間に水がヘドロになって、ヘドロ水でヘドロを落とす・・・ヘドロでヘドロを落としている自分の姿が・・・シュール過ぎるんですもの。

ヘドロを落とすことに捉われ過ぎて、また底無し沼にはまるのはまっぴらごめんなので、次も助かる保証が無さすぎるので、ヘドロマンはヘドロを滴らせたまま、草原へ向かうのであった。

あぁぁ、ヘドロに埋まって死ななくて良かったよ。マヂで。

ヘドロマンって・・・呼ぶなよ。絶対。

島ぞうりマンなら・・・呼んでもいいよ。

ヤドカリが借りる前の貝

2011-02-10 18:21:12 | Weblog
ヒナイ川をジャブジャブと渡って、マングローブの林の入り口へとたどり着いた。小さな水路になっている。ここで靴に履き替えようと思っていたのだが、まだかなり水が残っている。ビーチサンダルのまま行くことにした。

地面は粘土層のような土。ネチャネチャとサンダルの底にくっついて来る。歩き辛いことこの上ない。ビーチサンダルの平らな底と、粘土層が密着してしまう。一歩を引き剥がすのに、相当な力を要する。この土にはビーチサンダルは合わない。
それでも、靴に履き替えなかったのは、水がだいぶ多かったのと、この場所を抜けたら草原に出るからだ。履き替えるタイミングは草原に出た所の方がいい。

それはそうと、ここは貝だらけだ。長細い巻貝。おびただしい量の巻貝が地面を埋め尽くしている。実際、はっきり言って、ぶっちゃけ・・・気持ち悪い。
粘土層の上をノロノロと筋を残して進んでいる。小さいモノから大きいモノまで・・・とにかく、そこら中巻貝だらけ。もう一度言っちゃう。気持ち悪い。

巻貝を避けて歩くのが大変。多すぎる。ビーチサンダルは依然として土にはくっついて置いて行かれる。取りに戻る。もうチータである。水前寺清子である。三歩歩いて二歩下がるのである。

先に進んでいくと、泥のヌチャヌチャ度が増してきた。水が澱んでいるせいだろう。ちょっとした悪臭が漂っている。この巻貝のせいじゃないのか?と、気持ち悪さも手伝って、憎さ百倍になってくる。

ビーチサンダルの踵は、歩く度に汚水をはね上げて、それが自分にかかって来るし、なかなか前には進めないし、気持ち悪い貝がニョロニョロと動き回ってるし、悪臭だし・・・若干辟易としてきた。

ここで、貝踏んづけ作戦発令。大きな巻貝の上を歩けば、ビーチサンダルの底とネチャネチャ土の間が密閉されない。発見。・・・まぁ、普通に歩いても、貝は踏んづけちゃうんだけどね。だってそこら中なんだもん。
気持ち悪いからって、踏んづけて殺していいってわけじゃない。うん、貝は死なない。だって下が粘土層で柔らかいから。そして、貝の殻は金槌を使わないと割れないくらい硬い。

大きな貝を選んでピョンピョンと歩く。少しペースが上がる。
早く、この工業地帯の汚水に侵された東京湾の海岸線のような劣悪環境地帯を抜け出したい。

ヒナイ川

2011-02-10 17:30:59 | Weblog
ヒナイ川。この川はちょっと深い。そして幅広い。
帰りが遅くなって水嵩が増えた時、この川を渡れるかが心配の種。

とりあえず今は膝くらいの深さ。

川の向こう岸には、マングローブの林の入り口。

ちょっと遅刻

2011-02-10 16:53:10 | Weblog
干潟に着くと、潮はもうだいぶ引いていた。
ここに来るまでに十五分。三時きっかりに出発と言ったが、本当は三時より十分過ぎていた。干潟を歩き始めるのが三時なのがベストだとすると、すでに三十分近くの遅れ。
まぁまぁ、ちっちゃいことは気にしない。

干潟には三本の川が流れそそいでいる。・・・二本だったかな?
マレー川とヒナイ川と・・・二本だったかな?
何にしろ、引ききらない水路と、川は渡って行かなければならない。

干潟に入って、例の防水シューズをビーチサンダルに履き替える。靴紐をまとめてシューズを持ち、水の中にバシャバシャと入っていく。

信じる者は救われる?

2011-02-10 14:49:22 | Weblog
数日前の探検が未遂に終わったのは、引き潮のタイミングを見誤ったため。潮が満ちれば、広い干潟は海水で埋め尽くされる。そうなったら、腰よりも深い海を延々と歩かなければならない。

干潮を挟んで前後二時間。これが探検可能な時間の目安。
数日前の探検未遂の時、前回同様、マングローブの林の入り口がなかなか見つけられなかった。これは致命的。滝の上まで登るということは、前回よりも時間がかかるということ。戻る頃には潮が満ちてる。

今回は反省を活かした。入り口も見つけてある。干潮は午後五時。きっちり三時に出発した。

キャンプ場は小高い丘の上にはある。急な坂道を軽快に下りていく。道の両サイドは手付かずの自然。
体長60センチはありそうな大コウモリが二匹、その表情が分かるくらいの距離で頭上を横切っていく。ニヤリと笑っているような気がした。

「コウモリは不吉だっけ?吉だっけ?・・・たぶん吉だな」
悪魔城探検のような気分になる。

ジャングルや探検隊

2011-02-10 13:27:23 | Weblog
旅には忘れモノが付き物だというのは、僕が良くする話だ。忘れモノというのは、実際の物ではない。例えば、行き逃した場所。
そこに忘れモノがあるということは、そこに忘れモノを取りに行かなければならない。つまり、また行かねばならないということになる。
そういう意味で、あえて忘れモノを置いて来るということも、良くあったりするのだ。

今回のイリオモテ昼寝旅。イリオモテ縦走なんてアイデアもあった。が、単独での縦走は禁止されているので早々にあきらめた。
でも、探検はしたい。ジャングルに入りたい。・・・あっ。

前回のイリオモテ、ピナイサーラの滝ツアーを覚えている人はいるだろうか?
ガイドを頼んでべらぼうな金額を取られるのを嫌って、単独でマングローブの森へと突入し、迷宮を彷徨ったあの話だ。
なんとか滝へはたどり着いた。ジャングルを抜けた瞬間に目の前に広がった景色、その滝の壮大さは今も記憶の中に鮮やかに残っている。これは世界で一番素敵な滝だ!と感嘆した。
空腹は最高のスパイスである。と言うように、過酷さはその素晴らしさを何倍にも増してくれる。

その時の忘れ物がある。滝壺までは言ったが、滝の上には登っていない。
ぜひ、今回は滝の上からジャングルやマングローブの林を見下ろしてみたいものだ。

一度行った道だ。気をつけるポイントも薄っすらと覚えているさ。なんてことはない。チャチャチャッと行って帰ってくるよ。

そんな気分で、リュックの中にナイフとカッパとカッパえびせんを入れて、出かけたのであった。

カッパとカッパえびせん・・・ぷぷぷ。

待ってろよ。ピナイサーラ!s


写真の犬は、キャンプ場にいる犬。多い時は四匹くらいいる。可愛いがよく吠える。強烈に吠えまくる。 誰彼構わず、飛びかかる。
さっき、ふくらはぎを噛まれたから、ガオッと唸ったら、ゴメンだワンと言っていた。
番犬としては立派に育ってるな。

予想通り

2011-02-10 11:16:29 | Weblog
雨が降ってきた。
こっちの雨はもう、これでもかってくらいに降るから面白い。
夏のスコールは短くザザッと降るが、冬は違うみたいだ。基本的に一月二月は雨が多いのだが、梅雨の雨のように、シトシトと降り続くのではない。
ザザー。パラパラ。ザザー。ポツポツ。ザザー。ピチピチ。ザザー。ピタ。ザザー。ウィーンガチャ。ザザー。ガォー。ザザー。ピヨピヨ。ザザー。パラリラパラリラ。ザザー。やぁ元気かい?・・・ってな具合なのだ。

タイミングが合わなければずぶ濡れになるが、上手くやれば大して濡れないで済んだりもする。

タープの下のサマーベッドに寝転んで、雨を眺めて過ごすのも悪くない。まるで雨宿りをしているかのような、日常の瞬間。

さぁ、なんの話を聞かせてあげようか?
昨日書けなかった、ジャングル探検の話にしようかな。

沖縄そば

2011-02-10 11:08:16 | Weblog
沖縄そば・・・を使って焼きそば。袋にはイリオモテそばと書いてある。まぁ、中身は一緒だろう。
旅も終盤、調味料の持ち合わせも少なくなった。塩と塩コショウで味付け。塩と塩コショウの、塩が被ってるΣ(・□・;)。塩分の摂取は控えめにね。
これに、梅ちりめんのふりかけをかけて食べる。

なかなかのものでした。

沖縄そばが半分余ってしまった。さて、どうすっかなぁ。

グッドモーニング、グレートソウル

2011-02-10 10:12:38 | Weblog
大いなる魂の声を理解するのは難しい。

昨日はジャングル探検記を書こうと想いながら眠ってしまった。

まだまだやりたいことはたくさんあるが、今日は静かに穏やかに過ごそうと想う。

空は曇り空。太陽がどこらへんにあるのかが、辛うじて分かるくらいの曇り空。
風は強め。木々や草葉が揺れる。これは風のメロディだ。風の歌が聞こえる。

もうすぐ雨が降るだろう。まるで打楽器のように、すべての物を打ち様々な音を奏でる。それは雨のリズムだ。きっともうすぐ、シンフォニックな雨が降る。

時折、この島で生活をする人々の音が聞こえる。急ぎ足で往く人はいない。元来のゆっくりとしたペースで物事を運んでいく。急がないように努めているのは、僕ぐらいだ。スローなビートがここにある。不規則でスローなビートが、こにはある。

グッドモーニング、グレートソウル。

僕のか傍らに、横たわるサウンド。
君の周りに、あふれてるサウンド。

今日はちょっと眠たげな君、今日も泣かないようにね。