沖縄・イリオモテの話から、いきなり北海道・富良野の話へと飛ぶ。いいの。細かい事は・・・いいの。
富良野の廃バス無料宿泊所に到着したのは、もう陽が暮れた頃だった。辺りは真っ暗。廃バスの扉を開けて、中からコンセントを引っ張りだし、表の電灯に繋ぐ。去年来た時とは少し、様変わりしている。屋根と薪ストーブの位置が変わっている。お気に入りだった椅子が消えている。ちょっと小綺麗になった感じだ。またまた快適に過ごせそうだ・・・。
陽が落ちてからの長時間のライディング、体が冷えきっている。まずは体を温めよう。風呂だ。五右衛門風呂だ。廃バスの裏側に設置された五右衛門風呂の釜。まずは掃除から。蛇口を捻る。あれ?水が出ない。・・・あっ、そうそう、元を開けないとね。元栓を開けに廃バスの横へ回る。クリクリクリッと栓をひねるが水は出ない。おっ?あっ?どうなってんだ?・・・まぁいいや、明日になればなんとかなるだろう。
風呂はあきらめ、薪を燃やす。ドラム管を縦に半分に切って横に寝かせたもの・・・焚き火台。風呂の代わりに炎で温まる。お腹が減ったぜ、ご飯を食べよう。
今日のオカズは魚の餌とオレの餌兼用の筋子と鮭の白子。白子と筋子。そう、オレの胃の中で鮭が生まれるかもしれない。白子に目がない。白子を見ると食べたくなる。小麦粉をまぶして、フライパンで焼いてみた。美味しくなくはないが・・・ちょっと気持ち悪かった。炭を七輪に移して、網で焼いてみた。白子の炭火焼き。・・・やっぱり、ちょっと気持ち悪かった。そして、いつものように思い出す。・・・あっ、オレ、白子嫌いだった。
その日の日記にはこう書いてある。「白子が嫌いなことを忘れないようにしよう」。あっ、フグの白子は好き。
筋子も塩っぱくて美味しくなかった。顔が酸っぱい顔になるくらい塩っぱい。塩分取り過ぎ殺人筋子・・・。川魚の餌はイクラ。兼用にしようとイクラを買おうと思ったが、イクラは高い。ケチって筋子。塩っぱくて食えない上に、筋子は釣り針に刺さらないということが翌日に発覚。・・・今日の鮭は外れだな・・・。
鮭は外れでも、白子が苦手だと気づいても、富良野の星空は素晴らしい。大好きな廃バスの暮らしが始まった。それだけで心がワクワクしてくる。
翌朝、8時に暑さで目が覚めた。廃バスは、外が寒ければ外と同じくらい寒い。外が暑ければ、外よりも暑くなる。
洗濯をしなければならないが、水が出ない。隣に立つ、大家さん?の家へと出向く。人の気配がしない。きっと仕事に行ってしまったのだろう。仕方がない。でも、せっかくの晴天だ、洗濯はしたい。水を汲める場所を探す。川はダメだ。降りたり登ったりが大変過ぎる。すぐそばにキャンプ場の水道があるが、水を運ぶには遠過ぎる。2リットルのペットボトルが二本と、4リットルの大五郎のペットボトル。一度に運べるのは8リットル。洗濯は、思いのほか水を使う。・・・道路の側溝に流れる水・・・比較的キレイそうだ。側溝・・・通称「ドブ」。何が悲しくて、洗濯の水をドブで汲まなければならないのか。シュール過ぎやしないか?ドブの横にしゃがみ込み、ペットボトルを突っ込んで、水を汲む。三本のペットがいっぱいになったら、道を渡って洗濯機に入れに行く。三回ほど往復したところで、洗濯機に貯まったのは洗濯槽の三分の一にも満たない水。たったこれっぽっちかとため息をつく。再びドブに腕を突っ込んでいると、目の前に軽トラックが止まった。「何してるん?」。まぁ、当然の質問だ。朝一でドブに腕を突っ込んでる奴を見たら、無視するか、こう聞く以外には思いつかない。「水道の水が出ないんすよ」。後で言っておいてやるよと言い残して軽トラは行ってしまう。後でか・・・。オレは今洗濯がしたい。再び水を汲んで運ぶ。すると、開け放しておいた蛇口から水が出て来た。おじさん、元栓を開けてくれたようだ。やった。
蛇口を全開にして、しばらく待つ。しかし、いつまで待っても水が茶色い。薄茶ではなく、完全に茶色い。土と葉っぱが混じった水。・・・何が悲しくて、泥水で洗濯をしなければならないのか。シュール過ぎるだろ?もうあれだよ、泥水とドブ水の選択だよ。どっちでもいい気がしないでもないが、見た目が綺麗な水の方が気持ちがいいだろ?結局、ドブに流れる綺麗な水を選択。六往復ほどしたところで、洗濯槽の半分くらいになった。もう十分だ。洗濯開始!
水汲みで往復している間に、泥水を風呂釜に貯めていた。そろそろ火を入れるかというぐらいのタイミングで、蛇口から流れる水が比較的透明になった。多少葉っぱが混じってはいるが、泥風呂よりはまし。貯まった水を入れ替える。水を入れ替えて、薪を燃やし風呂を沸かす。結局、風呂の準備だけで三時間かかった。大変なのである。
洗濯を終え、風呂に入って・・・全部終わったら午後一時。釣りの準備をして川へ。釣れなかった時のために本と椅子・・・必要なかった。六匹の川魚を釣って帰還。この時釣れたのがイワナかヤマメか小さいマスなのかは・・・未だに議論が続いている。
帰って来るともう夕暮れ。薪を燃やし、長い時間をかけて晩ご飯の準備。川魚の塩焼き、唐揚げ。茹でたジャガイモトウキビの炭火焼。アルミホイルに包んで火に突っ込んだジャガイモ。そして風呂。こうして一日が終わっていく。毛布をかけても寒い夜・・・空には満天の星空。
これが僕の富良野での一日。
富良野の廃バス無料宿泊所に到着したのは、もう陽が暮れた頃だった。辺りは真っ暗。廃バスの扉を開けて、中からコンセントを引っ張りだし、表の電灯に繋ぐ。去年来た時とは少し、様変わりしている。屋根と薪ストーブの位置が変わっている。お気に入りだった椅子が消えている。ちょっと小綺麗になった感じだ。またまた快適に過ごせそうだ・・・。
陽が落ちてからの長時間のライディング、体が冷えきっている。まずは体を温めよう。風呂だ。五右衛門風呂だ。廃バスの裏側に設置された五右衛門風呂の釜。まずは掃除から。蛇口を捻る。あれ?水が出ない。・・・あっ、そうそう、元を開けないとね。元栓を開けに廃バスの横へ回る。クリクリクリッと栓をひねるが水は出ない。おっ?あっ?どうなってんだ?・・・まぁいいや、明日になればなんとかなるだろう。
風呂はあきらめ、薪を燃やす。ドラム管を縦に半分に切って横に寝かせたもの・・・焚き火台。風呂の代わりに炎で温まる。お腹が減ったぜ、ご飯を食べよう。
今日のオカズは魚の餌とオレの餌兼用の筋子と鮭の白子。白子と筋子。そう、オレの胃の中で鮭が生まれるかもしれない。白子に目がない。白子を見ると食べたくなる。小麦粉をまぶして、フライパンで焼いてみた。美味しくなくはないが・・・ちょっと気持ち悪かった。炭を七輪に移して、網で焼いてみた。白子の炭火焼き。・・・やっぱり、ちょっと気持ち悪かった。そして、いつものように思い出す。・・・あっ、オレ、白子嫌いだった。
その日の日記にはこう書いてある。「白子が嫌いなことを忘れないようにしよう」。あっ、フグの白子は好き。
筋子も塩っぱくて美味しくなかった。顔が酸っぱい顔になるくらい塩っぱい。塩分取り過ぎ殺人筋子・・・。川魚の餌はイクラ。兼用にしようとイクラを買おうと思ったが、イクラは高い。ケチって筋子。塩っぱくて食えない上に、筋子は釣り針に刺さらないということが翌日に発覚。・・・今日の鮭は外れだな・・・。
鮭は外れでも、白子が苦手だと気づいても、富良野の星空は素晴らしい。大好きな廃バスの暮らしが始まった。それだけで心がワクワクしてくる。
翌朝、8時に暑さで目が覚めた。廃バスは、外が寒ければ外と同じくらい寒い。外が暑ければ、外よりも暑くなる。
洗濯をしなければならないが、水が出ない。隣に立つ、大家さん?の家へと出向く。人の気配がしない。きっと仕事に行ってしまったのだろう。仕方がない。でも、せっかくの晴天だ、洗濯はしたい。水を汲める場所を探す。川はダメだ。降りたり登ったりが大変過ぎる。すぐそばにキャンプ場の水道があるが、水を運ぶには遠過ぎる。2リットルのペットボトルが二本と、4リットルの大五郎のペットボトル。一度に運べるのは8リットル。洗濯は、思いのほか水を使う。・・・道路の側溝に流れる水・・・比較的キレイそうだ。側溝・・・通称「ドブ」。何が悲しくて、洗濯の水をドブで汲まなければならないのか。シュール過ぎやしないか?ドブの横にしゃがみ込み、ペットボトルを突っ込んで、水を汲む。三本のペットがいっぱいになったら、道を渡って洗濯機に入れに行く。三回ほど往復したところで、洗濯機に貯まったのは洗濯槽の三分の一にも満たない水。たったこれっぽっちかとため息をつく。再びドブに腕を突っ込んでいると、目の前に軽トラックが止まった。「何してるん?」。まぁ、当然の質問だ。朝一でドブに腕を突っ込んでる奴を見たら、無視するか、こう聞く以外には思いつかない。「水道の水が出ないんすよ」。後で言っておいてやるよと言い残して軽トラは行ってしまう。後でか・・・。オレは今洗濯がしたい。再び水を汲んで運ぶ。すると、開け放しておいた蛇口から水が出て来た。おじさん、元栓を開けてくれたようだ。やった。
蛇口を全開にして、しばらく待つ。しかし、いつまで待っても水が茶色い。薄茶ではなく、完全に茶色い。土と葉っぱが混じった水。・・・何が悲しくて、泥水で洗濯をしなければならないのか。シュール過ぎるだろ?もうあれだよ、泥水とドブ水の選択だよ。どっちでもいい気がしないでもないが、見た目が綺麗な水の方が気持ちがいいだろ?結局、ドブに流れる綺麗な水を選択。六往復ほどしたところで、洗濯槽の半分くらいになった。もう十分だ。洗濯開始!
水汲みで往復している間に、泥水を風呂釜に貯めていた。そろそろ火を入れるかというぐらいのタイミングで、蛇口から流れる水が比較的透明になった。多少葉っぱが混じってはいるが、泥風呂よりはまし。貯まった水を入れ替える。水を入れ替えて、薪を燃やし風呂を沸かす。結局、風呂の準備だけで三時間かかった。大変なのである。
洗濯を終え、風呂に入って・・・全部終わったら午後一時。釣りの準備をして川へ。釣れなかった時のために本と椅子・・・必要なかった。六匹の川魚を釣って帰還。この時釣れたのがイワナかヤマメか小さいマスなのかは・・・未だに議論が続いている。
帰って来るともう夕暮れ。薪を燃やし、長い時間をかけて晩ご飯の準備。川魚の塩焼き、唐揚げ。茹でたジャガイモトウキビの炭火焼。アルミホイルに包んで火に突っ込んだジャガイモ。そして風呂。こうして一日が終わっていく。毛布をかけても寒い夜・・・空には満天の星空。
これが僕の富良野での一日。