ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ビッグな話題

2011-02-16 14:50:41 | Weblog
使用頻度の高い調味料・・・砂糖。用途・・・カフェオレ、ロイヤルミルクティ、パンケーキ、煮物、天つゆ、その他もろもろ。

砂糖が切れたらどうしたらいい?

1.買いに行く。
2.買いに行く。
3.買いに行く。

一番近いスーパーまで往復一時間半かかるとしたらどうする?

1.あきらめる。
2.我慢する。
3.三日間、考える。


キャンプ五日目にして砂糖が切れた。荷物の容量&重量の都合上、調味料は最小限しか持って来ていない。いつだって最初になくなるのは砂糖だ。「あとでスーパーに買いに行こう」と思ったのだが、スーパーへは徒歩で往復一時間半。砂糖の他にあれもこれも必要ならば、行かないわけにもいかないが、砂糖のためだけに一時間半はちょっと考えてしまうだろ?得意のママチャリを借りて行くって方法もあるが、キャンプ場は小高い丘の上にある。行きはよいよい帰りはこわい。帰り道は強烈な坂道をチャリを押すことになる。それがかなりのハードワーク。徒歩とチャリ・・・徒歩だなってくらいチャリはきつい。
そんなことを考えているうちに夜になる。明日でいいやという気持ちになる。黒糖を代用したりしてみるが、黒糖の個性の強さったらない。まず間違いなく黒糖が勝つ。勝ち過ぎる。黒糖の味しかしなくなる。そしてまた一日が過ぎていく。
今日こそはと思うのだが、別についでがある訳でもなく、砂糖に対する情熱が煮えたぎるってこともなく、また一日がゆるやかに過ぎて行く。その間も、「あっ、砂糖ないんだった」と思うことは何度かある。三食自炊してると、砂糖って・・・意外に必要なんだよ。ねぇ、主婦のみなさん、ねぇ?

砂糖無しで過ごした三日間が仇となる日がやって来る。遂についでを見つけて出かけたスーパーマーケット。買い忘れないようにまずは砂糖を探す。
「砂糖、砂糖、砂糖はどこだ。あった。ほぇ!!!」
特売だと1キロ100円ほどで買えるはずの砂糖が、300円。・・・砂糖ってのは、オープンプライスだったのか。
実は、イリオモテの物価は高いのである。キャベツ一個350円。野菜は特に高いらしい。レギュラーガソリン1リットル160円。カッパえびせん150円。離島価格ってやつだ。
キャンプもあと三日で終わりって時に1キロの砂糖は必要ない。必要ない量の砂糖に300円・・・高いよ。迷った挙げ句、250グラム200円のスティックシュガーを購入。もう・・・得なんだか損なんだかわかんないことに。まぁ、残り三日間、甘いカフェオレが飲めると思えば、痛くない痛くない。

一番近くのスーパーまで、徒歩で一時間半。これを、不便だと想うか?想わないか?これが主題なのである。例えば、スローライフにおいて・・・完全なるスローな環境において、「便利さ」のプライオリティ・・・優先順位はどこらへんに位置するのか?
文明の発展は「便利さ」の追求から始まり、その追求が終わることは決してない。僕らの生活は、社会は、世界はどんどん便利になっていく。人がその便利さから享受するものは何か?便利になることで失うものは何か?「便利」と「不便」の境界線をどこに引いているのか?引くべきなのか?僕らの生活は、現代の社会は、世界は、そのバランスを失ってはいないのか?僕らは一体・・・何を求めているのか?
「砂糖」一つで随分とビッグな話になってしまいそうだ。

西表島、星が降り注ぐ夜・・・ブルーベリーの香りのする紅茶をストレートですすりながら、僕は富良野で過ごした超ウルトラスーパースローな日々を思い出さずにはいられないのであった。


優先順位

2011-02-16 05:14:10 | Weblog
イリオモテと言えばヤマネコ。そう、イリオモテヤマネコ。
誰かがこう言っていた。イリオモテヤマネコに出逢える確率は、砂漠に落とした針を見つけるのと同じくらい低い・・・ ・・・ ・・・そんなにか?
実際、ヤマネコを追っているカメラマン、十年山に入り続け、五回しか遭遇していないという。でも、年に数匹、交通事故で死んでいる。現存する個体数は百匹ほどだとか。

そんな西表島、やはりヤマネコで大ブレイクした訳で、ヤマネコを大切にしない訳はない。プライオリティはヤマネコにある。逆に、ヤマネコにしか無い。ヤマネコがいなくなってしまっては、ヤマネコTシャツが売れなくなってしまう。ヤマネコの被り物も、ヤマネコストラップも、ヤマネコマグカップでさえも、ちょっと胡散臭いものになってしまう。
道路標識には、学童注意だとか、おじぃとおばぁに注意とか、そう言ったものは無い。多分無い。あってもちょっとしか無い。ほぼ全てがヤマネコ関連のものだ。

道路に大きく「ネコ注意」の文字を見た時、おぉぉ、イリオモテだぜ。。。と感慨に耽ることは間違いないのだ。

優先順位はヤマネコにある。素敵な島だぜ、イリオモテ。

ヤシガニツアーズ

2011-02-16 04:00:02 | Weblog
タウン誌「八重山ナビ」にはこんな風に書いてある。
ヤシガニ・・・オオヤドカリの一種。絶滅危惧種。「食すると美味しい」。

食すると美味しい。絶滅危惧種なのに、食すると美味しい・・・だって。

そんなわけで、僕のライフワーク、ヤシガニ捕獲大作戦、ヤシガニツアーズ*食すると美味しい*の話。

ヤシガニツアーズ捕獲大作戦については、この二年間、密かに温めてきた一大行事。
猛毒を持つヤシガニ。毒の有り無しを見分ける方法も学んできた。ヤシガニが棲息する場所も、前回チェック済みだ。もう後は食するだけ。食して美味しい!と叫ぶだけ。

そんなわけで、行って来ましたヤシガニツアーズ2011冬IN イリオモテ。
「待ってろよ、ヤシガニちゃん!」

タコで苦い経験をした直後、またもや二年前の記憶を頼りに行く。

時間は真夜中過ぎ。
記憶では、団地らしき建物の駐車場から森を抜けて海岸に出る。運が良ければ海岸でに出る前、その森の木の上にヤシガニを見つけられる。

団地にはなんなくたどり着いた。駐車場を抜ける。真夜中過ぎ。辺りは真っ暗過ぎるほど真っ暗だ。ヘッドランプの明かりを頼りに行く。強力なパワーを持つヘッドランプ・・・しかし、ここでその力の限界を思い知ることになる。
僕のヘッドランプは二種類の明かりをを切り替えることが出来る。一点集中型と分散型。一点集中の方は50m先まで照らせる。分散型は45度くらいの角度を照らすことができる。どちらも優秀なはずだ。だが、しかし、真っ暗過ぎる闇の中では、その二つの機能が共に役に立たない。
もちろん、ヘッドランプ批判ではない。今回の用途に問題がある。

カエルの鳴き声しか聞こえない真っ暗な駐車場・・・の向こう側。泥と水たまり。その向こうに草むら。草むらの向こうに海。
草むらのどこかに海へ抜ける道があるはず。一生懸命に照らす。ピンポイントライトでは照らす範囲が狭過ぎてよく分からない。分散型では遠くを明るくは照らせない。道無き道を行くのは嫌だ。必ず道はあるはずだ。スーパー泥水たまりをじゃぶじゃぶと行くのも嫌だ。

タコ同様、場所も見つけられずに終わるのか?海にも出られずに終わるのか?と悪い予感。ヤシガニツアーズの危機である。

ん?ちょっと待てよ・・・と記憶を辿る。
この駐車場を団地沿いに歩いたような気が・・・。

そう、探す場所を間違えていた。何しろ二年だ。
泥の水たまりを避けながら、駐車場を横切って歩いていくと・・・有りました。暗闇に薄っすらと入り口のような草むらの裂け目。

森に入ります。キョロキョロと上も下も見回しながら進んでいきます。・・・かなり・・・怖いです。何が出て来てもおかしくないってな雰囲気が漂っています。でも、そんなものには負けません。だって、ヤシガニ探検隊。でも、かなり恐いです。真っ暗な闇の中を、ライトで照らしていること事態が恐いことなのです。だってここは、亜熱帯の湿った森。一人きり。
森の道にはヤシガニもカニも見つけられず、探検隊(一人)は海岸に出る。記憶を辿ると、海岸線を左に歩いて行くと岩場があるはず。そこにはかなりの確率でヤシガニが棲息しているはず。森沿いに海岸を歩いて行く。当たり前のことだけど、海岸も真っ暗です。実は、真っ暗な森よりも、真っ暗な海岸の方が恐いんです。なんか得体の知れないモノが海から飛び出して来るような・・・そんな気配。油断していると、森からも・・・何か・・・ゾクゾクしてくる。

すぐに岩場が出て来ると思っていたのに、いくら歩いても砂浜と森。不安がよぎる。あれ?おかしいな・・・記憶違いか?恐怖も手伝って、かなりの早足で歩いているのに、いくら進んでも砂浜が続く。先は、暗過ぎて見えない。でも、後戻りは出来ない。不安を抱えながら歩く事しばし。やっと現れた岩礁。・・・記憶は正しかった。
早速、ヤシガニがいそうな岩の窪みを物色。いない。岩場をピョンピョン飛び回って探す。いない。前回ヤシガニを発見した場所は、ことごとく不発。もう探す場所は無くなってしまった。不気味な静けさが漂う岩礁。・・・「さぁ、帰ろう!」
来た道をテクテクと戻る探検隊(一人)。海岸線を延々と歩き、森を抜け、泥水ゾーンをかいくぐり、人里へと戻る。ヤシガニツアーズ、呆気ない幕切れ。ヤシガニは待っていてはくれなかった。

たぶん、もう、誰かに食われちゃったんだなぁ。食すると美味しいんだもんな。そりゃぁ、食うよな。

ヤシガニ探検隊(一人)の心には、ヤシガニを見つけられなかった悔しさよりも、真夜中の森と海があんなに恐いものだとは・・・という想いの方が強かった。
「次こそは必ず」。そう強く胸に誓って、帰ったのであった。