田舎町のガソリンスタンドには、たくさんの人が集まって来る。
暇つぶしと思しき、近所のおじさん。ガソリンを入れに来て、そのまま喋りこんでる会社員風の人。
長い時間、ガソリンスタンドに居座った経験など無いから、ちょっと楽しかったりもする。
湧別の芭露・・・バロウと読む。やっとの事で、ガソリンスタンドにたどり着いた。
給油機への誘導を無視して侵入するマグナを見て、スタンドの兄さんはちょっと驚いていた。
とにかく事情を説明する。説明しなくても、タイヤがペチャンコになったマグナを見れば、誰でも状況は把握できる。
スタンドにもガレージがついているが、バイクは直せないと言う。それは想定内だ。
近くにバイク屋はないか?と聞いたが、60キロ離れた紋別と北見に行かないと無いと言う。・・・やっぱりね。
さて、どうしようか?と、みんなで考える。所長さんや、お店のにーちゃん2人や、近所のおじさんが、どうしようか?と考えてくれている。
知っているバイク屋に片っ端から電話をかけて、マグナのリアタイヤの在庫が無いか、廃タイヤでもいいからさがしくれないかとか、聞いてくれている。
おれはおれで、任意保険のロードサービスに電話をかけて・・・と、携帯や店の電話が鳴りっぱなし、話しっぱなし。
電話ラッシュがちょっと落ち着いて、今度はスタンドに常連のお客さんが来る度に、マグナの周りに集まって、みんなで対応策を検討。あぁでもないこうでもない。
車のタイヤを履かせてみたらどうか?という話になって、所長さんは脚立に乗って店の在庫のタイヤのサイズをメジャーで計り始める。
バイク乗りの店員のにーさんは、軽自動車のタイヤが使えるんじゃないかと・・・車で家に帰って、タイヤを持って来てくれた。
ホントにみんな優しい。面倒な顔一つ見せずに、スタンドに降ってきたトラブルを解決しようとしてくれる。
その全部を見ながら、こういう全部がおれの旅なんだなぁ・・・と、写真を撮ったり。
なんだか、大変なんだけど・・・すごく、大変な事態なんだけど・・・楽しさを纏った大変さ・・・みたいなね。
素敵なスタンドがそばにあって良かった。そう想いながら、過ごした午後なのであった。右にいるのは、近所のおじさん。軽自動車のタイヤを持って来てくれた店員さん。いよいよ運ばれていく時。スタンドの全員でお見送り。バイク好きのサラリーマンのおじさんもいる。