本日の東京は昨日の雨もあがり
いいお天気。
布団を干そう~~。
鴎外の末子、類の生涯を描いた
「類」(朝井まかて著)を読みました。
500枚の大作。
最初は読み進めなくて
昨日一気読み。

集英社2020年・8月刊
鴎外は、
特別好きというわけではないのですが、
幼い頃に読んだ「山椒大夫」
安寿と厨子王ですね、
ショックと同時に
ものすごく面白かった。
もちろん子供向けの児童書ですが。
彼の周辺は話題が多くて、
ブログにも何度か登場。
樋口一葉の才能を最初に認めたとか、
日本軍の病気脚気の原因を
間違えて多くの軍人を死なせた、とか
「舞姫」のエリスの話とか~~。
妻はものすごい美人だとか、

で、今回は、
あまりに立派な父親を持った息子類の
羨ましいような哀しいような一生。
鴎外の亡きあと、
仕事には就かず、
印税やら財産で暮らし、
結婚して四児を儲けたものの、
戦争やら印税期限切れやらで
「お願い、働いてください」と
妻に懇願され、
コネで就職したものの、三か月で首。
鴎外邸跡地に書店を開いたり、
アパートを建てて、
食いつないだりと。

この方です。
画家や作家になろうと奮闘するも~~。
絵の才能には首を傾げられ、
では執筆と変更するも
二人の姉には敵わず、
それでもめげない、
弱そうで実は強い~~?
本では、
森家の衣食住が詳細に描かれています。
衣は、
美人妻志げの黒紗の羽織、
茉莉のきもの。
濃紫の男物ほどの地味な大島に
銀鼠の帯、肩掛けと手袋は
レモンイエロー。
食はフランス仕込みのロールキャベツ、
クレープ、生麩のお味噌汁に春菊を添える。
「類さんは食べ方もお綺麗ですこと」
住は、
庭の草花の種類から千駄木の森家。
類が自分で建てた丸太小屋、
杉並の家などなど。
草花の描写も詳しい。
彼自身も何冊も自伝
を出しているからですね。
それをイメージするだけでも面白い。
映画になりますね。
誰がどの役を演じるだろうか。
類は誰かなあ。
母志げは~~?
志げと嫁姑の戦い、
先妻のできのいい息子と比較しての苦しみ
「死んでほしい」とまで、
それも本人の前で
つぶやく~~。
美貌から病気を患っての顔のむくみ。
朝井さんは、
偉大な親を持った子供に
興味があるのかな。
「眩(くらら)」こちらは北斎の娘。

本も少し前に読了。
私もファザコン~
父はマッタク立派ではないけど。
そういえば、幸田文の弟も
周りが皆優秀で苦しみ、
結核で亡くなったんだよね。

あんパンを作りました。
最初は失敗。

焦げた。これはオーブンの
調子がよくないから。
「パリに来てはじめて、
人は楽しんでいいんだと知った」
「人は何かにならなくては
いけないんだろうか」
そうつぶやきながらも、
出版社に何度も原稿を持ち込み、
断られ、書き直しても書き直しても
NG続き。
鬱に陥ってもおかしくないくらい
さんざんな言いようをされ、
母には「死んでほしい」とまで
言われながらサバイバル。
強い、しぶとい、
そんな中で生活を楽しむさまは
あっぱれ。
それにしても
偉い父親を持つって大変、
その後も決して安泰ではないのね。
最後までありがとうございます。
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