閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

同い年

2012-01-18 07:21:34 | 閃き
得意先の社長が年始の挨拶の為に、この地域にいらしたので

新年のご挨拶と共に得意先の新年会に別の会社の社長と参加させてもらった


一通りお店を巡った後に、得意先の所長は、我々をバーに誘った

彼は、酒を楽しむ事を知っていて

最後に、良い酒をちょっと呑もうと言うのだ


私には、007のジェームス ボンドが好んだマティーニを再現したものを薦めて頂いたが

初体験で新鮮に感じた


何でも、日本では手に入らないベルモットを所長が渡米した時に見つけて、この店に持ち込んだので作る事が出来たのだそうだ


詳しいレシピは小説に記載されているらしい


1969年物のスコッチがあると言うので、少し飲ませてもらったが

何と、同席の社長が生まれた年、つまり社長と同い年だった

その社長は酒が弱いのだが、出会った同い年のウィスキーをストレートで呑んでいた


42年という時間は、とても良い香りと口当たりのまろやかさを育てる

一般にウィスキーのアルコール度は43度位だが

長い間、樽の中で眠る内に60度位に上がるそうだ

でも、そんなに高いアルコールとは思わせない味になっている


その社長は、ゆっくり、ゆっくり、まるで懐かしい同い年の友と語り合う様に、静かに呑んでいた


自分と同い年の酒に出会う事など、ほとんど無い

まして、高齢になれば成る程、確率はゼロに近づく


そんな事を考えながら、件の社長の生きてきた時を味わった