閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

至難の業

2015-09-02 07:19:31 | 閃き
計器器具メーカーの営業担当者が来社した

2年程前にそのメーカーの製造したある器具に不具合が見つかり、危険がある場合があるという警告文と共に来社され説明を受けた

メーカーの責任として器具の代替えは応ずるが、交換費用は負担しないという

リコールでは無いとの理由だそうだが身勝手な対応だと感じた

詳しく説明を聞けば、当社のエンドユーザーの使用条件とは違う条件下で不具合が起こる可能性があると判明して、当社としては対応しないことにしていた

それが、何故再び来社したかと言えば、ユーザーの反応が余りにも少なく、メーカー側からすれば営業担当者がキチンと説明したかどうか不安になり、再確認する様に指示されたようだ

メーカーは1部上場企業であり、販売会社は子会社である

営業担当者は、我々が信頼されていないと前置きした後に、ご面倒を掛けて申し訳ないと詫びた


形式だけの書類に捺印した後、お定まりの会話になる

その営業担当子会社は、近々営業車にGPSを取り付け、移動しない時間が一定時間経過すると情報が本社に伝送され行動を管理されるのだという

営業担当者は、他の会社の営業車が涼しげな場所に止め、エンジンを掛け放して寝てるのをよく見かけるという

こんな状況が判れば本社もそういった措置を執りたくなるのも判ると言った

更に、営業成績も年間計画を立て目標の-5%~+0%の範囲に収めねばならないという

売上げを上げることは+になっても良いではないの?と質問すると

+になるのは馬鹿、-になるのはもっと馬鹿と評価されるという


営業というのは御用聞きとは違う

大きな会社の担当になると、それだけで1人分の仕事量がある

しかし、受注量は相手先からどれだけ発注されたかと裏返しなので、営業担当者の努力に左右しない

つまり、その顧客の販売推進商品に使用される部品なら増えて行くだろうし、消耗品程度なら減ることはあっても増えることは無い

それを予測してノルマをクリアしながら計画を立てろと言われても難しい至難の業である


親会社であるメーカーは計画生産をすることが最も効率良くなることは理解している

従って販売を生産計画に合わせろと営業担当者に押しつけているのだ

有名な製造システムのT自動車でさえ受注生産を主軸に行っていると言うのに、客のニーズを無視した戦略だと感じた

そんな経営感覚だから、今回の不具合に対する対応もメーカー側の一方的なやり方になっているのだ


安易に人に命令している内容が実は至難の業である事がよくあるのだ

命令している立場の人間がやってみるとよいのにね
コメント
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