閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

リハビリ

2015-09-29 05:47:30 | 閃き
頸椎脊柱管狭窄症の手術を受けた先輩の病室へ伺おうとしたが、お見舞いは午後2時からという

病室内には受付を済ませた証のタグをかける必要があるので、仕方無く待合室で時間を潰すことにした


丁度お昼時の時間帯なので、広く明るい部屋は気持ちよい空間として人気があるらしく、入院患者を含めて色々な人達が集まっていた

私の隣に座った老夫婦は、売店で購入したサンドイッチを分け合いながら、午後から受ける検査について話をしていた

病気に対して夫婦で取り組もうとする雰囲気が感じられ、仲睦まじい羨ましいご夫婦だと感じた


2時になり受付を済ませて病室へ行くと先輩の姿が無かったので、ナースステーションで尋ねるとリハビリへ行っているという

術後3日目にしてもうリハビリなのかと驚いたが、リハビリ室へ行っても良いというので向かう事にした


リハビリ室へ着き、広い部屋の中だったが先輩の居場所が直ぐに判った

いつもの帽子を目深にかぶり、車椅子からスクワットの要領で立ち上がっている

首のギブスが痛々しいが、それでもお構いなしに黙々と取り組んでいる


「ちわーす」と声を掛けると先輩は驚いた様子と恥ずかしさの混じった瞳で「おう」と答えた

私から何も尋ねなくても、リハビリを続けながら先輩の方から色々話してくれた

専属のトレーナーの方が来たので部屋の隅の椅子に腰掛けて待つ事にした


その部屋の中には実に多くの患者さんがリハビリに励んでいた

子供からお年寄り迄、まさしく老若男女の方達がそれぞれのリハビリを行っている

関節が正常に動かず、足の招きが悪い方、腕や、腰の運動をする方、など一目で何処がどう悪いか理解できた

我が身を振り返れば、実に健常である事の幸せを改めて思い知らされる事となった


病室へ戻る時、車椅子を押させてもらったが、なぜだか目頭が熱くなった

病室へ戻ると先輩のお姉さんが来ていた

病室で話しながら、肩をマッサージした

首を固定しているので、力が入りっぱなしになる為か肩がこっていると聞いたからである

激しく揉む訳にもいかないので、優しく押さえる程度に気を遣いながら話を続けた


最近は術後のリハビリは直ぐに行うと聞いていたが、正しくそうであった

人間の回復は寝ているだけでは駄目なのだ

この病院ではリハビリ室にキッチンがあり、料理もするのだそうだ

一人で生活している方には当然、料理も出来る様にならねばならない

社会復帰させる為に、本当に必要な事を理解しているのが判る


思ったより元気な先輩に会えてホッとした

リハビリ効果が出て、退院も早まる予感がした
コメント
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