綺麗な女性とすれ違うとき
僅かばかり心を奪いたいと思うのだ
振り向いてほしい
僕は背中で受け止めるから
その頼りない背中で
自宅から職場まで歩いて15分とかからない
そこで1000円札の仕事をして
夕方になればシャッターを閉める
帰宅の途中、寒いスーパーに入り
気に入ったコーヒーを買い
再び自宅へ向かう
こうして1キロで完結する日々が終わる
無理を押して大学に通い
無理を押して仕事をこなそうとした若い自分に対し
罪の意識はある
しかし今だって苦しいのだ、虚しいのだ
先ほど買ったコーヒーをストローで飲み
スピッツのチェリーやスピカなどを聴いてみる
一瞬だけ幸福の香りがした