ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

王位戦第3局 藤井が防衛に王手 西山朋佳には華がある

2023-07-27 12:37:51 | 将棋

昨日まで行われていた王位戦第3局は藤井聡太王位が佐々木大地七段を下し、3連勝としました。防衛まであと1勝です。終盤では互角の局面もありましたが、見事に藤井王位が抜け出しました。これで9割方、藤井防衛の流れになりました。八冠への最大の山は王座戦挑戦者決定戦の豊島九段戦だとみます。

 

佐々木七段は将棋が強いこともありますが、誰からも好かれる好青年と以前から耳にします。今回、初タイトル戦ということで、同年代の棋士から羽織をプレゼントされたそうです。大地君は良い意味での体育会系の部分も持ち合わせていて、よく気が利くと評判です。

なので1度ぐらい勝ってもらいたい思いもありますが、やはり私は藤井贔屓です(笑)

 

藤井さんは「先手番と比べて後手番の勝率が2割以上低くなっている」と自ら口にしました。主にAIの影響でしょうが、先手がテニスのサービスゲームのようになってしまったらつまらないので、将棋を守るためにも後手番で結果を出して欲しいです。

ところで藤井さんは中原誠16世名人の将棋を目標としているそうな。私が幼い頃の大名人です。中原さんの将棋は詳しく知りませんが、居飛車党本格派の印象です。自然流と評されます。自然な指してで勝てたら理想的ですね。

 

女流の清麗戦は西山朋佳女流三冠が里見香奈清麗を下し、1勝1敗のタイにしました。やはり西山さんの将棋には華があります。終盤の迫力、魅せる将棋という意味では、プロ棋士の中でも上位に入ると思います。是非プロ棋士になってもらいたいです。

個人的には女流は将棋は西山、聞き手は山口恵梨子推しです。山口さんは愛嬌があって面白い。盤面が動かなくても5分は見ていられます。将棋を楽しむコツとして好きな聞き手を見つけるのもいいかもしれません。

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棋聖戦第4局 藤井が3勝1敗で防衛 しかし…

2023-07-20 12:33:06 | 将棋

7月18日に棋聖戦第4局が行われ、藤井聡太棋聖が佐々木大地七段に勝利し、3勝1敗で防衛しました。4期目の棋聖獲得です。

全体を通して藤井棋聖の苦戦が目立ちましたが、得意の終盤に抜け出し、佐々木七段を何とか振り切った印象です。

第4局もAIの形勢は一時、佐々木七段が90%を超える勝利確率になりましたが、実際にはAIの示している手が難しく、佐々木さんがそれを指せずに、再び藤井さんが逆転しての勝利でした。

 

それにしても藤井聡太竜王・名人と言えども、防衛が難しくなってきました。初めてタイトルを獲得した頃は、しばらく藤井さんにタイトル戦で勝つのは難しいと思われましたが、わずか3年で状況は変わりました。

何故、このようになったかと言えばAIの急速な進化です。昨日、芥川賞・直木賞が発表されましたが、チャットGPTに代表されるAIの発達で、小説家も将来的には危ういかもしれません。

将棋は小説よりも答えがはっきりしているものなので、AIの得意分野であり、すでに人間は歯が立ちません。例え藤井さんであっても。

AIを抜きに考えれば藤井時代はあと20年続いたかもしれません。しかし、いかに不世出の天才であってもAIの急速な進化には太刀打ち出来ません。

これからはいっそ、AIの奴隷になった棋士が頂点に立つのかもしれません。藤井さんはAIの示した手であっても、自分が納得しなければ取り入れないと聞きました。

 

藤井さんは将棋に美学を持っています。彼はAIの奴隷などにはならないでしょう。

それにしても難しい時代になりました。

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王位戦第2局 藤井連勝・里見vs西山

2023-07-16 12:44:05 | 将棋

13日、14日に行われた王位戦第2局は藤井聡太王位が佐々木大地七段を下し、連勝スタートとなりました。

久し振りに藤井王位の快勝を見た気がします。佐々木七段得意の先手番。エース戦法の相掛かりに上手く対応出来た事が大きいです。

 

これで王位戦は藤井王位が防衛する確率が高まりました。やはり2日制の藤井さんは強い。佐々木七段としては王手をかけられているとはいえ、1日制の棋聖戦の方が可能性はありそうです。

 

清麗戦第1局は里見香奈清麗が西山朋佳女流三冠を下しました。

 

現在、女流ではこの2人の力が抜けていて、女流八冠を里見さんが五冠、西山さんが三冠と分け合っている状況です。この対局前、西山さんは18連勝中で、里見さんの21連勝という記録に迫っていましたが、記録保持者の里見さん自らが食い止めました。

 

個人的には西山さんの高い潜在能力に期待しています。奨励会の三段リーグで14勝してプロ棋士になっていないのは長い歴史の中で西山さんただ一人です。ちなみに藤井竜王・名人は13勝5敗での四段昇段でした。

西山さんには女流の世界に落ち着かす、プロ棋士として持ち前の華のある破壊力抜群の将棋をみたいものです。

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王位戦第1局は藤井が勝利 西山朋佳vs女流新星

2023-07-10 11:47:20 | 将棋

7月7日、8日に行われた王位戦第1局は藤井聡太王位が挑戦者の佐々木大地七段を下しました。

 

中盤までは佐々木七段が指しやすい展開になりましたが、藤井王位が佐々木七段のわずかなミスをついて盛り返し、最後は盤石な玉形を築きました。AIは80%対20%の形勢でしたが、盤上ではそれ以上に大きな差があるように見えました。佐々木七段としては投了やむなしだったのではないでしょうか?

 

藤井佐々木夏の12番勝負は、棋聖戦と合わせて藤井3勝、佐々木1勝となりましたが、いずれも先手番が勝っています。佐々木七段が得意の先手番を生かせるかが今後のカギになるでしょう。

 

女流王座戦で西山朋佳女流三冠と今井絢女流1級の対局がありました。この勝負、辛うじて西山女流三冠が勝利しましたが、今井さん、強かったですね。

 

今井さんは昨年まで奨励会に所属していましたが、21才で初段になれず年齢制限で退会となり、今年から女流棋戦に参加し始めました。

里見香奈さんと並んで女流トップの西山さんを追い込んだのは力のある証拠です。すでに女流では5本の指に入る実力を持っている可能性が高いです。

杉本昌隆門下。藤井聡太名人の妹弟子でもあります。そのうちタイトル争いに加わって来るでしょう。楽しみな素材です。

 

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王座戦準決勝、藤井が羽生を制す

2023-06-29 12:31:13 | 将棋

昨日、王座戦挑戦者決定トーナメント準決勝で藤井聡太竜王・名人と羽生善治九段が激突。結果は123手で藤井竜王・名人が羽生九段を下しました。

 

個人的な予測ではほぼ互角と見ていました。最近の藤井さんは村田六段に苦戦。棋聖戦第2局では得意の終盤で見落しがあり、佐々木大地七段に競り負けました。対する羽生九段は内容的にも充実していましたから。

実際に昨日の対局も後手番ながら藤井さんの得意戦法を受けて、中盤までは羽生さんの柔軟な指し回しが光りました。

 

終盤は細い攻めを繋げる羽生、的確に受ける藤井の展開が続きましたが、攻めが切れたと判断した羽生九段が投了、藤井竜王・名人の勝利となりました。

投了時、AIの形勢は藤井80%羽生20%程度だったため、少し投了が早いのではないかと思った方も多かったかもしれませんが、すでに持ち時間を使いきり1分将棋だったこともあり、投了やむなしでした。

 

藤井竜王・名人は王座戦挑戦まであと1勝に迫りました。しかし、その相手が渡辺明九段と豊島将之九段の勝者というのが因縁を感じさせます。

どちらと対局しても王座戦決勝は激戦になりそうです。お互い、藤井さんにタイトルを奪われてきただけに期するものがあるでしょう。

 

個人的に藤井さんの八冠挑戦は最初で最後のチャンスのような気がします。

ひとつには藤井さんが早熟の天才であることと、もうひとつはAIの進化で藤井さんと他の棋士の実力差が縮まってきている事が挙げられます。もしこの機会を逃すと、また7つの防衛戦に全て勝たなければなりません。これは至難です。

 

とにかく、伸び盛りの佐々木大地七段とのダブルタイトル戦を防衛し、王座戦トーナメントの決勝で勝ち、永瀬王座への挑戦権を獲得する。道のりは険しいですが、そこまでは見てみたいですね。

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藤井、奇跡的な逆転劇

2023-06-22 11:43:45 | 将棋

藤井聡太竜王・名人は20日、王座戦トーナメント準々決勝で村田顕弘六段に94手で勝ちました。

 

それにしても危なかった。将棋としては藤井さん負けでしたね。しかし、勝負では勝ちました。奇跡の呼び水になったのは藤井竜王・名人の6四銀と指した奇手でした。凄い手でした。

AIはこの手を否定し、藤井さんの勝利確率を2%まで下げました。しかし、AIの最善手通りに指していたら藤井さんは負けていました。あの6四銀に村田六段は迷い、時間も切迫していて正確に指すことが出来ませんでした。

互いに1分将棋になってからの叩き合いの中、久し振りに鬼の藤井を見た思いでした。最後は時間のない中、25手詰めを見事に読み切り、大逆転勝利となり、八冠制覇に辛うじて望みを繋げました。

 

次戦の準決勝は予想通り羽生善治九段です。対村田戦のような内容では羽生さんには厳しいでしょう。藤井さんは快勝でも反省点を探すので、この日の将棋は彼にとって反省点だらけでしょう。羽生さんの巧みな序中盤に互角についていけるかが、勝負のカギになりそうです。

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藤井、名人初戦を白星で飾る

2023-06-06 12:07:34 | 将棋

メキシコの「ダナン三日月」で行われた棋聖戦第1局は藤井聡太棋聖が佐々木大地七段を下し、名人初戦を白星で飾りました。

 

久しぶりの海外対局でした。どの程度かは知りませんが、ベトナムで将棋の人気が高まっているそうで、その普及を兼ねてのものだと思います。

例えばベトナムで一定数の若者が将棋を覚え、その中からどの程度の実力者が育つかは興味深いです。

女流棋士が男性のプロ棋士に追いつけない理由の1つに歴史の浅さという推測があります。しかし、もしベトナムなど、海外の若者がプロ棋士並みの実力をつけたとしたら、歴史が浅いからという理由は消えます。

 

対局ですが藤井棋聖は初挑戦の佐々木七段相手に得意の角換わりから、佐々木七段の追い上げを振り切り、第1局に勝利しました。藤井さんにとっても名人となって初対局であり、初の海外対局でもありました。思い出に残る対局になったのではと思います。

 

対する佐々木七段は苦いタイトル戦デビューとなりました。藤井さんとは違った意味で佐々木さんも将棋の神様に愛されているはずです。

彼は子供の頃、重い心臓病を患っていて、師匠の深浦九段と初めて会った時には体に多くの管が繋がれていて、深浦さんも心配になったそうです。しかし、将棋の力なのか今ではフットサル好きの健康的な青年になりました。

 

全く違う環境で幼少期を過ごした2人の若者が、彼らが愛してきた将棋を通してぶつかっている。互いにとって幸せな時間だと思います。

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藤井最年少名人誕生 7冠は2人目

2023-06-02 12:40:51 | 将棋

ついに藤井聡太が名人になりました。

長野県高山村の藤井荘で行われた名人戦第5局は藤井聡太竜王が渡辺明名人を下しました。これで藤井竜王の4勝1敗となり、名人を獲得しました。

1983年に谷川浩司17世名人が達成した最年少記録を40年ぶりに更新。また7冠達成も羽生善治九段以来、史上2人目になります。

 

序列では竜王と名人が高く、2大タイトルに違いないですが、やはり「名人」という響きは違いますね。今でもプロ棋士、あるいはプロを志している若者の多くも、名人というタイトルは特別なものだと思います。

新名人の藤井さんもその1人でした。名人獲得後のインタビューを聞いても7冠にはどこか冷めているのですが、名人という地位に登り詰めたことには素直に喜びを表していました。

 

少しだけ第5局を振り返ると、渡辺さんの菊水矢倉を矢倉とすれば、藤井さんは雁木という形で、ともに江戸時代から指されていた戦型で歴史のロマンを感じます。

先手の渡辺名人有利に進みましたが、藤井竜王も崩れずに指し、それが渡辺名人の悪手を誘いました。形勢が逆転してからはあっという間に藤井さんがリードを広げ、渡辺さんが粘り切れない形になり、最後は藤井さんが華麗な寄せで渡辺さんを投了に追い込みました。

 

破れた渡辺さんもよく戦いました。藤井さんの圧倒的な強さを考えると、そうとしか言えません。名人から無冠の九段への転落。今後の渡辺さんの動向にも注目しています。

もう一度、打倒藤井に意欲を見せるか、もう敵わないと諦めれば、近いうちに棋士の根幹である順位戦から撤退する可能性も少しあるような気がします。個人的にはまだまだA級で戦う渡辺明を見ていたいです。

 

とにもかくにも藤井聡太が名人になった2023年6月1日は将棋界にとって歴史的な日になりました。大山15世、中原16世以来の大名人を目指して、藤井聡太名人の戦いは続きます。

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藤井、叡王防衛 そして藤井荘へ

2023-05-29 12:31:52 | 将棋

昨日、藤井聡太叡王が挑戦者の菅井竜也八段を2度の千日手指し直しの末、下しました。これで3勝1敗となり叡王3連覇を果たしました。

 

それにしても両対局者にとって長い一日でした。同一局面が4回繰り返される千日手になると先手、後手を入れかえて指し直しとなります。千日手が2回続いたので、3局目にしてようやく決着がつきました。

 

勝負の分かれ目は2局目で、互いに穴熊に組みながら、柔軟性に優れ、また相穴熊の経験値に勝る菅井八段が中盤ではややリードを奪いました。ボクシングで言えば、菅井さんの足を使った巧みな攻撃に藤井さんがやや振り回される展開になりましたが、終盤で藤井さんがクリンチし千日手指し直しに持ち込めたことが、最終的に勝利をものに出来た大きな要因です。 

決着局でAIも気づいていなかった、飛車を切り、相手玉を即詰みに討ち取ったのはいかにも藤井さんらしい。

 

藤井竜王にとってはタイトル戦では初めての対抗形(藤井は居飛車、菅井は飛車を左に移動させる振り飛車)で苦しみながら叡王を防衛できたことは貴重な経験になりました。

菅井さんは昔気質の勝負師で、藤井さんのデビュー当時からやや厳しい言葉を浴びせていました。終局直後、記者に藤井竜王の印象を尋ねられると、やや考えた末に「将棋に真っ直ぐな人」と答えました。最高の誉め言葉ではないでしょうか。

 

藤井竜王は六冠を保持し、5月31日からの名人戦第5局に最年少名人、史上2人目の七冠をかけて渡辺明名人に挑みます。

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名人戦第4局 藤井が渡辺を下し、名人に王手

2023-05-23 12:55:30 | 将棋

昨日まで行われていた名人戦第4局は挑戦者の藤井聡太竜王が渡辺明名人をわずか69手で下しました。

 

将棋人口は500万から600万人程で日本の人口から見ると5%程度なので、大多数の方にも分かりやすく内容を伝えられればと思います。

相撲に例えてみましょう。後手番の渡辺名人が積極的に攻めていきました。鋭い立ち合いから突っ張って、良い形に持ち込もうとします。

対する藤井竜王も上手く下からあてがって後退しません。受けを苦にしないことも藤井竜王の強さです。強靭な足腰の持ち主ですね。

渡辺名人は居玉(玉が初形のまま)で攻めていったのですが、中盤の競り合いの末、攻撃を受け止められてしまうと、居玉は攻められやすいです。それが祟って渡辺名人に粘りがきかず、藤井竜王が上手を取って前進し始めると、土俵際の手前で投了しました。藤井竜王の見事な受けの技術が光った将棋になりました。

 

藤井竜王は子供の頃の作文で将棋の横綱になりたいと夢を描いていました。すでに藤井さんは年5場所以上優勝する強い横綱ですが、この幼い作文の横綱は明らかに名人を指しています。さすがの藤井聡太といえども、次の一局は平常心で戦えるかは分かりません。

 

対する渡辺名人は将棋人生の土俵際に追い詰められた気持ちなのかもしれません。渡辺さんは20才の若さで竜王となって以来、これまでずっとタイトルを保持してきました。羽生善治九段にしても竜王を獲得した翌年に谷川浩司十七世名人に敗れ無冠に転落しています。渡辺名人はそこにプライドを持っており、「渡辺九段」という初めての響きに耐え難いものがあると推測します。そして対藤井戦4勝19敗。誰が相手でも少なくとも互角には戦えた渡辺名人にとっても初めての経験です。このまま第5局であっさり決着が着けば、引退の二文字が頭をよぎっても不思議ではありません。

 

次の第5局は将棋史に残る一局になるかもしれません。藤井がこのまま押しきるか、渡辺が踏みとどまるか。お互い悔いの残らない将棋を指してくれればと思います。

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