ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井聡太100局の節目

2018-08-02 09:15:57 | 将棋
藤井君流に言えば「節目」は「せつもく」と読むんですかね。藤井聡太七段がデビュー戦から100局目を迎え、西尾明六段を75手で下しました。

16歳0カ月での達成。85勝15敗。中原誠16世名人と並ぶ数字です。ただ、中原さんは100局達成時は19歳6カ月という事で、藤井君とは随分開きがあります。1年ほど前に、10年、20年単位で勝率8割棋士になってほしいと記したのですが、これが無謀に近いことは僕もわかっていました。将棋はどんなに強い棋士も7回に3回は負けるゲームですから。現在の勝率は8割5分。一見、8割棋士も可能には見えるのですが、これからは相手のレベルが上がってきますし、容易ではありません。しかし、藤井聡太ならばそれをやってのけるだけのとび抜けた能力を持っているのではないかという期待もあります。


ただこれから難しいと思うのは、AI時代に入り、将棋の才能そのものよりも、質の高い研究の方が大事になっていく可能性が高いことです。永瀬拓矢七段は「将棋に才能はいらない。いかに努力するか」という考え方のようですが、確かにこれからの時代にマッチしていると思います。今のところ終盤だけは努力や研究ではどうにもならないようなので、この聖域だけは個人的には守ってもらいたいですね。このような状況で藤井聡太は勝ち続けることができるのかやや不安です。

それともう一つ、藤井君が谷川浩司九段のような立場にならないか?つまり、将棋少年の憧れの的になった藤井君は、当然、彼らの目標とされるわけです。21才で最年少名人になった谷川さんに当時奨励会員だった羽生さんらの世代が憧れを抱くと同時に、格好の目標になり、彼らの成長を速め、やがて谷川vs羽生世代という構図となり、若い才能たちを谷川さんが一人で迎え撃つ形になりました。藤井君はそうはならないのか?将棋そのものの才能は谷川さんを上回る棋士が存在するとしたら、それは藤井君だけでしょう。しかしもう一つ、勝負師としての才能は藤井君が谷川さんより上です。それは勝率の高さが物語っています。

谷川の才能に大山・羽生の勝負術を兼ね備えた藤井聡太がこのAI時代にどこまで進撃できるのか、注目は尽きません。


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