ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

またひとつ、下手になってゆく

2018-09-01 10:32:05 | 
芸術や娯楽は生きる過酷さのひと時の緩和
情熱を傾けることは、苦悩悲哀のつかの間の忘却
それを持たざる者は快適さを求め
座り心地の良い椅子を探し
体が喜ぶ食を求める

幸福難民の長蛇の列は遅々として進まず
日はあっさりと暮れてゆく
並び疲れた者たちはボロボロと列から零れ落ち
ジョギングや散歩に精を出したり
酒で気分を変えてみたり
自ら死を選んだり
周辺の砂場では小さな幸福の達人たちが大きな笑い声を発してはしゃぐ

またひとつ季節が進み
またひとつ生きるのが下手になってゆく
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