色のない空だった
歩いて通り過ぎようとすると
右手に死の海が小さく広がっていた
僕の目の前には丸く赤いボタンがある
注意書きには「ボタンを押すだけで人命が救えます」とある
僕はボタンを押した
多くの人がそうするように
するとUFOキャッチャーのように若い男が死の海から救われた
僕の気分は晴れやかだった
何年かのち、やせ細った青年が僕に話しかけてきた
「その節はお世話になりました」
青年が悲しく笑う
立ち去った後姿が生存に疲れた老人のようだった
歩いて通り過ぎようとすると
右手に死の海が小さく広がっていた
僕の目の前には丸く赤いボタンがある
注意書きには「ボタンを押すだけで人命が救えます」とある
僕はボタンを押した
多くの人がそうするように
するとUFOキャッチャーのように若い男が死の海から救われた
僕の気分は晴れやかだった
何年かのち、やせ細った青年が僕に話しかけてきた
「その節はお世話になりました」
青年が悲しく笑う
立ち去った後姿が生存に疲れた老人のようだった