十一月十八日(木)曇り。
朝一番で東京行きである。下山してくる盟友と待ち合わせて、お世話になっている方の会社にご挨拶。珍しく来客もなく一時間半ほどお話を伺った。いつも大変勉強させて頂き、感謝している。
終了後、書店に行き、岐阜の細川先生から薦められた「特務機関長・許斐氏利―風浰瀝として流水寒し」(牧久著・ウエッジ出版・1800円)を購入した。許斐氏利という人の名前は、様々な昭和史、とりわけ「闇」の部分を扱った本の中で知っていた。戦前は特務機関として中国で活躍し、戦後は、東京駅の八重洲口で東京温泉を経営している、程度の知識しかなかった。苗字が珍しいので記憶にあったと言った方が正しいかもしれない。
その許斐(このみ)氏のノンフィクションである。読み進むうちに許斐氏という人が、とても素晴らしい人であることを知り、そんな人の生き様を知らずにいた怠慢を反省した。右翼の先輩で特務出身といえば、児玉誉士夫先生が有名であるが、許斐氏も同じ特務機関員として活躍した。
児玉先生は、特攻隊の産みの親である大西瀧次郎に私淑し、許斐氏は、硫黄島で自決された長勇に私淑した。大西、長の両将軍も自決している。戦後、許斐氏は長勇中将の墓を郷里の福岡に建立している。
久し振りに、読み応えのある本に出会った感じだ。まだまだ勉強が足りないと思った次第。
夜は、友人が来訪して、我が酔狂亭での一献会。久し振りの大破・轟沈の夜だった。