2月16日(水)雲見り。
ウクライナ情勢がきな臭い。しかし、多くの日本人は(私も含めて)対岸の火事として他人事のように楽観視している。ロシアがウクライナに侵攻しても局地的な戦闘であり、日本は巻き込まれないと高を括っている。本当にそうだろうか。いやそうであってほしいと個人的には思うが、ガソリン価格や現在の冷え切った経済に影響を与えないと、誰も断言できないだろう。まして我が国には米軍の基地があるのだ。日本の本気度が試されているのかもしれない。
先日、「ミュンヘン・戦火燃ゆる前に」という映画をネットフリックで見た。とても暗示的な映画に思えた。第2次世界大戦の影が忍び寄っていた1938年の秋。チェコスロバキアを手中に収めようともくろむアドルフ・ヒトラー率いるナチスドイツに対し、イギリスのネヴィル・チェンバレン首相は平和的解決ミュンヘンで緊急会談を開く。この「ミュンヘン会談」は、チェコスロバキアのズデーデン地方の帰属問題解決のため開催された国際会議。英・仏・伊・独の首脳が出席。ドイツ系住民が多数を占めるズデーテンの自国への帰属を主張したドイツのヒトラーに対し、イギリス・フランス両首脳は、これ以上の領土要求を行わないことを条件に、ヒトラーの要求を全面的に認め、1938年9月29日付けで署名された。この会談で成立したミュンヘン協定は、融和政の典型とされ、ドイツの更なる増長を招き、結果的に第二次世界大戦を引き起こした。
映画を見終わったとき、暗澹たる気持ちになった。プーチンがヒトラーに、チェンバレンがバイデン大統領と被ったのだ。「道理の通じない相手とは争っても無駄なので、黙って従うしかない 」という意味のことわざに「泣く子と 地頭には勝てない」と言うものがある。 地頭とは、平安時代から鎌倉時代にかけて荘園を管理していた、権力のあるプーチンではなかった役人のことを指す。日本は無力だなあー。まだ憲法の改正を否定し、国軍の創設に異議を唱える公党が幅を利かせているのだから。