白雲去来

蜷川正大の日々是口実

馬鹿になれよ桜青葉に向きて云う。

2023-04-05 11:49:18 | 日記

4月2日(日)晴れ。

正午より、私が役員の末席を汚している大行社の神奈川の有志による「花見」が、港北区にある小澤直人君のお店で行われ、志村馨君、松本佳展君夫妻、私と愚妻の5名で参加。神奈川はもとより、遠路、岡山からも同志が出席して楽しい酒席となった。

野村先生の獄中句集『銀河蒼茫』の「春の章」にこういう文章がある。「某月某日・また桜青葉の瑞々しい季節がめぐってきた。ここはそれでなくてさえ自然が乏しいので、獄庭に植えられた何本かの桜の樹が、ことのほか我々の生活に潤いを与えてくれている。昼の休憩時、私はこの葉桜の真下に佇つのを慣いとしているが、その色濃い日蔭は、今の私にとってまたとない極楽浄土なのでもある。」

今年は分からないが、北の果ての網走では、通常なら五月の連休頃に桜が満開となる。一応工場単位で「観桜会」が催され、駄菓子が支給される。酒もなく、駄菓子で花見もないものだが、そんな味気のない花見をしたことは忘れ難い。三上卓先生の句に「馬鹿になれよ桜青葉に向きて云う」という句があるが、当時、桜を見るたびに、三上先生のその句をかみしめていた。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日の命を保証されている人など一人もいない。

2023-04-05 11:18:12 | 日記

4月1日(土)晴れ。

遅い朝食は、チャーハンに野菜のあんかけ、ウェイパーを使った卵スープ。夜は、自宅近くの中華材料の「正華」の餃子、鶏手羽の蒸し物、カレーうどん。350ミリのビール2缶でやめた。

「酒ばかり飲んでいると長生きできないよ」と、周りから随分と言われた。しかし、飲まなくて長生きできる保証などあるわけもない。「戦闘的ナショナリスト」であった野村先生は、「老後のために」などと言う言葉を聞くと、「老後?、老後どころか5分先の自分の人生だって誰も分からない。もし5分先のことが分かったら交通事故で死ぬ奴ぁいねえよ」と笑って言っていた。先生の遺著となった『さらば群青』の序にこういうくだりがある。「明日の命を保証されている人など一人もいない。『一日一生』という言葉あるが、かかる覚悟なくしての生涯こそ、無味乾燥の哀れをきわめた生きざまではあるまいかと、私は若い時から思い続けて来た」。先生だからこその言葉であろう。

野村先生の代表句、「俺に是非を説くな激しき雪が好き」の扁額を岐阜の「昭和維新の歌史料館」に寄贈したが、残念ながら展示スペースに収まらず、代わりに同句の「色紙」を寄贈させて頂いた。5・15事件の日、今年の5月15日に正式に開館するそうだ。当日、第51回・5・15事件の慰霊祭「大夢祭」が開催される。岐阜行きが楽しみである。※写真は寄贈させて頂いた先生の代表句の色紙のオリジナル。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする