4月2日(日)晴れ。
正午より、私が役員の末席を汚している大行社の神奈川の有志による「花見」が、港北区にある小澤直人君のお店で行われ、志村馨君、松本佳展君夫妻、私と愚妻の5名で参加。神奈川はもとより、遠路、岡山からも同志が出席して楽しい酒席となった。
野村先生の獄中句集『銀河蒼茫』の「春の章」にこういう文章がある。「某月某日・また桜青葉の瑞々しい季節がめぐってきた。ここはそれでなくてさえ自然が乏しいので、獄庭に植えられた何本かの桜の樹が、ことのほか我々の生活に潤いを与えてくれている。昼の休憩時、私はこの葉桜の真下に佇つのを慣いとしているが、その色濃い日蔭は、今の私にとってまたとない極楽浄土なのでもある。」
今年は分からないが、北の果ての網走では、通常なら五月の連休頃に桜が満開となる。一応工場単位で「観桜会」が催され、駄菓子が支給される。酒もなく、駄菓子で花見もないものだが、そんな味気のない花見をしたことは忘れ難い。三上卓先生の句に「馬鹿になれよ桜青葉に向きて云う」という句があるが、当時、桜を見るたびに、三上先生のその句をかみしめていた。