3月1日(金)晴れ。
ぼやーっとしているうちに月が替わった。遅い朝食は、ガーリックチャーハン、カレーうどん。昼は抜いた。夜は、吉田橋商店街の「梅や」で買った、鶏餃子、麻婆豆腐、マグロのネギ間焼き。お供は、「黒霧島」。酔狂亭にて独酌。
車を運転していたら、カーラジオから「春一番」が流れてきた。そういえば、自宅の近くに大きな梅の木があって、見事な花を咲かせている。梅の花を見ると、つい口にするのが、「春まだ浅き戦線の、古城にかおる梅の花。せめて一輪母上に、頼りに秘めて送ろうじゃないか」。田端義夫の『梅と兵隊』である。
愛用している『漢詩一日一首』(一海知義著・平凡社)の「春」の中に、宋の陸游の「落梅」というえ詩があった。
酔うて落梅の一両枝を折る 桃李の自ら時に逢うを妨げず 向来(きょいうらい)氷雪の凝ること厳しき地に 力(つと)めて春の回(かえ)るをすすむるはついに是れ誰ぞ。
訳は、酒の酔いにまかせて散り残る梅のひと枝ふた枝を手折ってみた。桃やすももがほどよい季節を自ら選んで花咲かせるのをとやかくはいうまい。しかし、「向来(きょうらい)」、かねてからそうなのだが、氷や雪のきびしくはりつめたこの大地に、花咲く春をよみがえらせようとけなげに努力しているのは誰なのか。桃ではない。すももでもない。梅ではないか。(同書より)
梅のはな 枝にしらじら咲きそむる つめたき春となりにけるかな。とは牧水の歌。野村先生は、白梅を愛すごとくに 正義をも。と詠んだ。