白雲去来

蜷川正大の日々是口実

犯行声明書や檄文のない直接行動は、闇に葬られる可能性がある。

2024-08-12 11:31:30 | 日記

8月10日(土)晴れ。

6日の火曜日に某月刊誌からの取材を受ける。事務所でもと思ったが、遠いしクーラーの効きが悪いので、京急の井土ヶ谷駅で待ち合わせて、近くの喫茶店へ。この喫茶店は昭和のムードが漂うお店なのだが、喫煙が可能で、煙草を吸わない私は、匂いに慣れるまで臭くてまいってしまう。取材の内容は、「トランプ大統領の狙撃と右翼テロ」というような内容だった。私は、直接行動を否定しないが、もし行うとすれば、「犯行声明」や「斬奸状」もしくは「決起趣意書」を用意しなければならないと思っている。そうでないと、何のために行ったかという大義が明らかにされないからだ。

トランプ銃撃の犯人も「声明書」を用意していなかったために(用意していたかもしれないが)何のためにトランプを狙撃したかが明らかにされていない。安部元首相の狙撃もそうだ。巷間「統一教会への憤怒」が定説となっていてるが、果たしてそうなのだろうか。岸田総理への爆裂弾投擲も、何のために岸田総理を狙ったのかがはっきりしない。そうなると、権力側からの発表のみとなり、悪くすれば「狂気の沙汰」で片付けられてしまう。それでなくとも直接行動は「売名」や「自己顕示欲」といった言葉で発表されることが多い。権力側が、左右を問わず体制側への直接行動(テロ)を認めることは、自らの立場を危うくすることで、「売名」もしくは「狂信的・自己顕示欲」で済ませば、責任を免れるからである。安部狙撃、岸田爆裂弾事件の後半の報道すらされていない。

経団連事件の時もそうだった。隊長だった伊藤さんと西尾さんのお二人は三島由紀夫が創設した「楯の会」の会員、森田忠明さんは伝統ある正統派の民族派の大東塾の関係。皆さん早稲田など大学出。野村先生は、河野邸焼き打ち事件で12年を獄中に過ごした、筋金入り。確か東京新聞だったと記憶しているが、この人たちを称して「昔チンピラ、今新右翼」と誹謗した。私には、そんな記事を書いた奴の方が、よほどチンピラだと思うのだが。

8月9日の産経の「正論」で、自称保守の八木秀次とかいう麗澤大学の教授が、昭和5年11月に東京駅で時の首相、浜口雄幸を狙撃した佐郷屋先生里ことに触れてこう書いた「犯人は右翼結社の構成員で、浜口が心血を注いだロンドン海軍軍縮条約を天皇の『統帥権干犯』との不満を持っていた。取り調べで『統帥権干犯とは何か』に答えられなかった」と。何を根拠に八木は書いたのだろうか。その資料を見せてもらいたいものだ。他の同志に類を及ばせないために、事件の核心を敢えて「知らない」と言うこともある。事件から26年経って発売された『日本週報』の昭和31年12月号に佐郷屋先生が「なぜ浜口首相を殺したか」という一文を寄せている。事件の背景や当時の世相が良く分かる。※荊軻、易水送別の画。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夏雲は完璧な白。 | トップ | 桜応援団の暑気払い。 »
最新の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事