9月17日(火)晴れ。中秋節。
今日は、中秋節、15夜である。一説によると、日本では月餅は一年中売っているが、中国ではこの日にしか店頭に並ばないらしい。ちょっと雲が出ていて満月とはいかなかったが、時折、雲の間から顔を出すお月さんを見ながら、頂き物の月餅を食した。年々、季節感が無くなって行くが、こういう習慣はいいなぁー。
有名な童謡に「十五夜お月さん」がある。いつ頃習ったのかは覚えていないが、今でも諳んじている。なんとなく歌っていたが、野口雨情作詞、本居長世作曲のその歌は、随分と寂しい歌だ。
「十五夜お月さん」。十五夜お月さん ごきげんさん 婆やは お暇(いとま)とりました。十五夜お月さん 妹は 田舎へ貰(も)られてゆきました。十五夜お月さん 母(かか)さんに も一度わたしは あいたいな。
中国の漢詩にも、中秋節を読んだものは多いが、やはり寂しく感じるものが多い。私の好きなのは蘇軾の「中秋月」。
暮雲収盡溢清寒 日暮れ時、雲はすっかり無くなり、心地よい涼風が吹いている。
銀漢無聲轉玉盤 銀河には音も無く玉の盆のような月があらわれた。
此生此夜不長好 こんな楽しい人生、楽しい夜、しかし永遠に続くものでは無い。
明月明年何處看 この名月を、来年は、どこで見ているだろう。
いわゆる「日中戦争」の発端となっのが盧溝橋事件。その橋のたもとには清の時代の第六代皇帝の乾隆帝の筆と伝えられる「盧溝暁月」の石碑がある。皇帝がここで月を見たということから、現在も中秋の名月の夜には月見に多くの市民が訪れるそうだ。北京には一度訪れたことがあるが、残念ながら盧溝橋には行かずじまいだった。次に行くことがあれば、是非訪れてみたいと思っている。