白雲去来

蜷川正大の日々是口実

明治は遠くになりにけり。か。

2013-02-04 11:10:36 | インポート

二月二日(土)晴れ。

 

良い天気だ。横浜は二十度まで気温が上がった。この時期の暖かさは、何となく嬉しいものだ。家族が揃って朝食。メニューは朝粥。我が家のお粥は、中華風だ。お米に鳥のももを入れて、お米の八倍から十倍のお水を入れて炊く。炊き上がったら、少し、蒸らすのがコツだ。そうすると、お米が水分を吸って、より柔らかくなる。

 

私が漬けた白菜のおしんこに、頂き物の塩鮭。朝日の中で家族揃って朝食をとる。こんな当たり前のことが、幸せに感じてしまうほど、小市民的な生活に甘んじている。まあ家族が恙なく暮らしているだけで、良しとしなければ。

 

先日、女性の「箸の持ち方が気になる」と書いたが、読了した「孤愁」に、こういう一文がある。「見事ですね、日本女性は。箸の持ち方、使い方、置き方、そして箸を伸ばす時にそれとなくたもとを押さえる仕草、どこか含羞の色を浮かべた眼差し、すべてが優雅です。芸術です。本質的問題は、文明とは程遠いアフリカやアジアの果ての果てに、どうしてこの日本という宝石のような国が存在するのかということです。その自然の佇まい、鮮烈な季節の変化、精緻(せいち・非常に細かい所まで注意が行き届き、よく整っていること)玲瓏(れいろう・美しく澄みきっているいるようす)な芸術、とりわけ日本女性は宝石中の宝石です」。

 

嗚呼、明治は遠くになりにけり・・・。か。夜は、暇なので、愚妻とレンタルしてきた「天地明察」という映画を見た。「おくりびと」で第八十一回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎監督が、冲方丁原作の時代小説を映画化したもの。江戸時代前期、八百年もの間国内で使用されてきた中国の暦のズレを正し、日本独自の暦作りに専念した実在の人物安井算哲の半生を描いたものだが、これが中々良かった。最近は、こういったほっとする映画が少なくなった。

 


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他山の石。

2013-02-04 09:59:14 | インポート

二月一日(金)晴れ。

 もう二月か・・・。もう春か・・・。もう桜か・・・。などと言っているうちにアッと言う間に月日が過ぎて行く。考えてみれば、いや考えなくとも、もう六十二歳だ。三十代、いや四十代の頃ならば、自分の六十代のことなど、まったく想像もつかなかった。今も、六十過ぎの「爺さん」などという意識は全くない。もちろん「若い」などと思っているのは、本人だけで、周りから見れば十分に「ジジイ」である。歯、目、マ〇に加えて頭まで薄くなり、エレベーターに乗った時など、室内カメラに映った自分の頭を見て愕然とするが、いかんともしがたい。


ニュースでは、オリンピックで金メダルを取った柔道の選手が、大学の柔道の合宿で、泥酔した教え子を暴行したとかで、懲役五年の判決を受けたとか。逮捕された時から、「合意」「無罪」を主張していたらしいが、往生際の悪い奴だ。例え、教え子とのことが「合意」のことであったとしても、未成年者に酒を飲ませて、そういった行為をすること自体、犯罪である。という自覚がこいつにはない。加えて、性行為をしたのは、裁判沙汰になっている女性だけではなく、他の教え子とも複数、不適切な関係を続けていたことが、裁判の過程で明らかになった。


何のためのコーチなのか。自分の趣味のために女子のコーチをしていると思われても仕方がないだろう。このことだけでも、懲役五年は安すぎる。「合意」があろうが無かろうが、そういったことをしてはいけない。という最低の倫理観の無い人間に、人を指導することが許されるのだろうか。講道館に、こいつの銅像を建てて、他山の石とし、将来指導者を目指す者たちの反省材料とした方が、余程稽古に身が入ると思うのだが。


二月に入ったからと言って、別段何が変わる訳でもなく、浪人の身としては、時の過ぎるのに身を任せて、夜になれば、ただ酔うだけだ。


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お里が知れる。

2013-02-02 13:22:40 | インポート

一月 尽 (木)晴れ。

 やっと一月も終わり。一年のうちで一月が一番長く感じる。そのせいか二月は、「逃げる」と言ってあっという間に終わる。こんなアホな事を考へつつ馬齢を重ねて行く。


今日は、大ポカをしてしまった。大行社の新年会で帰ってきてから、一日泊まった感覚がなく、今日が三十日だと思っていた。群青の会の大熊雄次氏から電話が入り、「今日の輾転社のお祝い、何時に待ち合わせをしますか」。えっ明日じゃないの。一瞬の沈黙の後に、「今日ですよ」。慌ててカレンダーを見れば、確かに今日だ。夜に、友人と約束をしてしまった。俗に言う「Wブツキング」である。


輾転社のグニャリ藤本にスマン、スマン、オスマンサンコンと心で詫びて、大熊氏に代理出席をお願いした。てなわけで、夜は、久しぶりに友人と中華街で一献と思っていたら、商売上のトラブルがあったとかで、せっかく横浜まで来たのに、そのまま引き返して行った。ついていない時は、こんなものだ。


以前、飲み屋のママさんから、「蜷川さん。女性で嫌だと思うのは、どんなタイプ?」と聞かれたことがあった。この歳になって女性を選り好みするのは失礼と思いつつ、少し考えてから、「箸の持ち方がだめな人」と答えた。随分前だが、ある料理屋で、男の人に連れられた三人の女性が隣のテーブルに座った。その中の一人は、女優の仲間由紀恵とそっくりで、一緒に行った私の友人も、羨ましそうに見ていた。料理が、運ばれて来て、ふと仲間由紀恵似の女性を見ると、何と箸を親指と人差し指に挟んで、まあ良い言い方をすれば器用に、常識的に言えば、「お里が知れる」ような持ち方で、お刺身を食べていた。


いっぺんに興ざめしてしまい、対面の友人に、目で「見てみろ」と促すと、呆れ顔で、二度と仲間由紀恵もどきの方を見る事がなかった。更に、連れの女性は、食事の最中に煙草を吸いだしたのである。従業員に行って席を変えて貰ったのは言うまでもない。箸を持つということは、日本人であるならば、(韓国人も中国人もか)毎日のことである。それを子供の頃から親がうるさく言わなければ、そのままになってしまう。男の人ならばともかく、女性は、頭が良かろうと、悪かろうとも、所作が美しくなければならない。どんな美人でも、一緒に食事に行って、そんな箸の持ち方をしていたり、食事の最中に煙草を吸いだしたりしたら、百年の恋も一瞬で覚める。最近は、「お里が知れる」なんて言葉はあまり聞かなくなった。


義務教育の中で、ヒップホップ何て言うサルのダンスまがいなことを教えているそうだが、そんなことを教えるよりも、お茶やお花、「百人一首」、あるいは日本女性としてのマナーなどを教えるべきと思うのだが。


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日比谷花壇の蘭

2013-02-01 23:52:28 | インポート

一月三十日(水)晴れ。

朝七時、愚妻に電話で起こされる。早く寝たにもかかわらず寝覚めが悪い。そうか布団のせいかもしれない。旅館は、暖房が効いている分、掛布団が一枚だけで、毛布がない。敷布団も合わなかったらしく、腰が痛い。折角良い旅館に来ているのに、稀にこういうことがある。意外と繊細なのである。

そのまま温泉に直行。朝風呂は良い。贅沢気分が味わえる。のんびりと湯に浸かって、朝食会場へ。大行社の宴会は料理が良い。昨夜の夜の料理も中々だった。朝食も、自宅だったらこんなに多くのおかずなど並べようもない。美味しかった。部屋に戻り帰りの身支度を済ませて、ホテルの従業員に駅まで送って頂いた。

駅で、再び四宮正貴先生と合流。九時三十四分の「かいじ」の乗車券を購入。時間があるので、駅に隣接している売店でコーヒーを飲み、家族のお土産に「月のしずく」と「干しブドウ」を買った。名物の信玄餅は昨日、ホテルの売店で隠岐氏に買って頂いた。駅のホームで犬塚博英氏とも合流。それぞれ座席が違うので、八王子までのんびりと読書。午前中に、横浜に着いた。

自宅に戻ってから、事務所へ。鎌倉の稲葉八州士先生から素敵な「蘭」が届いていた。また、お世話になっている方から、陛下の玉音放送のCDと地ビールを頂いた。お二人のご厚意は浪人の身には、有難く心から感謝申し上げます。

夜は、温泉に行ったにも関わらず、疲れていたので、余り深酒をせずに早めに寝た。


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石和温泉へ。

2013-02-01 23:32:27 | インポート

一月二十九日(火)晴れ。

今日は、私が役員の末席を汚している大行社の新年総会が山梨県の石和温泉にて開催されるので午前中から山梨行き。当初は、車で行こうかとも思ったが、雪でも降られたならば私の車と運転では心もとないので、電車で行くことにした。

横浜から、石和まではかなり距離があり、電車でも時間がかかる。まず横浜駅に出てから、「横浜線」に乗って八王子まで。ここで特急の「かいじ」に乗り換えて石和温泉へ。我が家からは二時間以上もかかる。

それでも電車での移動は、あまり苦にならない。特に、冬の天気が良い日などは電車に乗っているのが嬉しい。車窓から入ってくる日差しを浴びながら、のんびりと本を読む。もちろん簡単なつまみと缶ビールは必需品。この時期は、緑に乏しいが残雪が絵になる。一人の方がのんびりして良い。まあそれでも二三時間が限度ではあるが・・・。

石和温泉駅に着いたら、四宮正貴先生とホームで会った。どうやら同じ電車に乗り合わせたらしい。一時の総会にはまだ時間があるので、昼食でもと思い、山梨名物の「ほうとう」でもと思って、駅の近くで訪ねて行ってみると、紹介された二軒が生憎定休日。仕方がないので、駅前の大型スーパーの中にある食堂に入る。最悪のパターンだ。何か、人生の大事な一食を無駄にしたような気持ちになって悲しかったが、仕方がない。四宮先生にご馳走になってしまった。

一時から、本会議。相談役として所信を述べさせて頂いた。三時に終了。六時の宴会まで時間があるので、近くのコンビニに行き、簡単なつまみと酒を買い求め、温泉に入ってから一人酒。五時過ぎに、隠岐康氏到着。ホテルの土産物のコーナーにあった「生ワイン」と言うものを瓶のデザインに誘われて買ったが、イマイチだった。

六時より宴会。知った人たちばかりの酒席なので、酒がまわるにつれて、あちらこちらの席へ顔を出し、まあまあ、いやいや、と酒酌み交わす。八時過ぎに、日帰りする隠岐氏をロビーで見送ってから、小針政人氏の部屋を奇襲攻撃。一時間ほどで帰還する。


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