白雲去来

蜷川正大の日々是口実

ミナミインドマグロに勝負を賭けた。

2014-01-18 08:57:14 | インポート

一月十七日(金)晴れ。

冬なのだから当然なのだが、寒い日が続いている。まあ勝手なもので、暑ければ、暑いと文句を言うし、寒ければ、寒いでつい愚痴が出る。それも都合良く、歳のせいと言い訳する。

機関誌を発送しようと思ったが、どうも表紙が汚れたままで出すのは気が引ける。そこで、新年のご挨拶と共に、表紙の汚れの「お詫び」を一枚印刷して入れた。結局、発送は土曜日となってしまう。平身低頭です。

久しぶりに、松原商店街に行った。魚幸で、直感を信じて悩むことなくマグロを買った。ここの所何度か外しているので、マグロよ貧乏人をナメンナヨ。と心で呟いてから、おもむろにいくつか並んでいるマグロの切り身を指して「これ下さい」。値段が書いていないので、店の人任せであるから、小心者の私は、店の人がマグロを手にして、値段を言う、わずかな時間血圧ががあーっと上昇する。

男として、値段を聞いてから「いらない」とは言えない。痩せても(太っていますが)枯れても武士の子孫である。卑しい真似はできない。ご先祖様に合わせる顔もない。このわずか、五秒ほどの時間が長く感じる。どうした。どうなんだ。幾らなんだ・・・。血圧がもう限度一杯である。

「二千円です」。何だ勿体つけないで早く言えよ。ドキドキして損した。でも予算は三千円だったからホットした。残りのお金で鯵の干物とサバの文化干しを買って、意気揚々と帰宅。ありがとさん魚幸さん。あーあ貧乏人は二千円のマグロを買うのもかなり体力を消耗する。

家族が揃ったところで、のんびりと風呂に入ってから晩酌。私の直感は冴えていた。マグロは美味しかった。家族に、「高いマグロだから味わって食べなさい」と、嘘に、うんと値打ちを付けてから分けてあげた。ふふふこんな日は酒が美味い。恥ずかしながら小市民的な幸福感にも酔った。

しばらく飲んでウトウトしていると、子供たちが「またテーブルで寝ているよ。布団を敷いたから向こうで寝て」と促され、そこから先は覚えていません。


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「大義」か・・・。

2014-01-18 08:29:14 | インポート

一月十六日(木)晴れ。

昨夜、夕食時に家族で私が昨日見た「永遠の〇」の話になった。とても感動するし、作りも良いし、良い映画なのだが、「お涙ちょうだい」の中で、何か一つ欠けている。うーんなんだろう。という話になった。そうか、「国家のために殉ずる大義」が欠けているのだ。職業軍人が、この大義を否定したら、軍隊ではなくなる。

家族愛は、もちろん大切だし、この映画を通して、最近、薄れつつある家族愛と言うものを見つめ直すことは良いことだが、もっと大切なのは、国家のために殉ずることの大義を誇りに思うことだ。結果的には、主人公は特攻隊の一員として沖縄の海に散華するのであるから、大義に殉じたことになる。しかし・・・。いやもうやめましょう。映画の批評をしても始まらない。

自分が、そう考えるのならば、そういった映画を作ることに努力をしなければ意味がない。そうしないと、昨今のネツトで人の批判をしたり、威勢のいいことを言いながら、自分は何もしない「言うだけ番長」と一緒になってしまう。野村先生は、そういうことが嫌だから、「斬殺せよ」と「撃てばかげろう」の二作を制作した。そのことの意味は大きい。

まあわずか千円で、感動を味わえたのだから良しとしなければ。何もしない私が、どうのこうのと言う筋合いでもない。

一日事務所で、機関誌の発送の作業。事務所にテレビはないのでラジオを聞いている。小泉進次郎が、「自民党の歴史的使命は終わったと言って出て行った舛添氏を応援する大義はない」と言ったとか。ナルホド筋は通っている。でも待てよ。それならば、元自民党の、総裁、総理まで務めた人が、自民党の応援する候補を支持しないで、細川を推すことに、果たして大義はあるのか。まず、「親父、自分の立場をわきまえろ」と意見するのが、筋ではないかと思う。

安易に「大義」という言葉を使い過ぎた。わが愛読書、杉本五郎中佐の「大義」。もう一度、読まなければ。反省しきりである。

夜は、ろくな肴もなかったが、酔狂亭で独酌。そう言えばBSで見た映画「太秦ライムライト」という映画が良かった。「蒲田行進曲」「キネマの天地」と映画の製作裏話三部作となろうか。年老いた斬られ役の人の人情話が良かった。


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映画「永遠の〇」がとても良かった。

2014-01-16 11:02:42 | インポート

一月十五日(水)晴れ。

寒波の襲来で寒いこと。同じ寒波なら、カンパの方が嬉しいのだが。なんてくだらんことを考えつつ事務所で仕事。昼で終わらして、桜木町駅のすぐ横にある商業ビルの中にある映画館に、今話題の「永遠の〇」を観に行った。

 

最近の映画館は、チケットを買うのも自販機だ。機械に弱いお年寄りには可哀そうだ、と思いつつ、さも慣れているかを装って機械を操作するが、これが無機質で(機械だから当然か)無愛想で、面倒で嫌になる。「もぎり」のネエちゃんに、愛想よく「いらっしゃいまほー」と挨拶をして貰いたいものだ。

入場料は1800円か、高けーなぁー。と思って画面を見ると「シニア割引」がある。何と1000円だ。ネェちゃんに、「シニア割引で」と言うのも恥ずかしいので、これは助かった。たまには機械も良いものだ。とすぐ転向してしまう自分が情けない。

 

ウィークデーの昼下がりだと言うのに、席は八割がた埋まっているのには驚いた。以前「007」の最新作を見た時よりも、客が多い。しかし始まる前に興味もない予告編が延々と続くのには閉口した。早送りしてさっさと始めろよ、と思っているのは私だけではあるまい。

 

その原作を読んだのは二年前の四月のこと。古い読者で千葉在住の中村晃夫さんからご恵送頂いた。以下は、私が本を読んだ時の「白雲去来」である。

「先日、古い読者で、千葉に住んでおられる中村さんから、『是非読んでください』と、『永遠の〇』をご恵送された。題名を見ると、何やらミステリーのようだが、この『ゼロ』とは零戦の事である。終戦から六十年目の夏のこと。特攻で戦死した祖父の生涯を姉と弟が調べることから物語は始まるのだが、読んでいるうちに、どんどんとのめりこんでしまった。最近、こんなにすごい小説を読んだことはない。空戦の場面や、戦記についても史実に基づき、非常に勉強になる。そして、クライマックスでは、泣けて仕方がなかった。本を読んで泣いたことなど、山崎豊子の「大地の子」以来の事である。最近読んだ本の中で、間違いなく最高の一冊だと思う。是非とも読んで頂きたいと思っている。

解説を入れると、六百頁もの本だが、初刷りが2007年の一月で、私が頂いた本は、2010年の5月のもので、五刷も版を重ねている。こういった本が多くの人たちに読まれていることを知ると、まだまだ日本は大丈夫だと思ってしまう。本当に、良い本でした。九百円で感動を得られることなど、最近ではまずない」。ちなみに「零戦」の「〇」は、昭和15年の皇紀2600年に正式採用されたので、2600年の末尾の「〇」をとって「零戦」とした。知っていますよね。

映画の方も、大分評判がいい。早い話が良い映画だった。最近のCGというのは凄いものだ。空母への離着艦の場面や、戦闘の場面もとてもリアルだ。特攻機が、次々と艦砲射撃で落とされる所では涙が溢れて仕方がなかった。零戦が基地に並んでいる場面などは、CGでなければ無理だろう。昔の日活の戦争映画など、零戦と言って自衛隊の練習機などを使用していて、子供心に興ざめさせられたものだ。

特にラストが良かった。孫が宮部のことを回想すると、宮部の乗った零戦が飛んで来て、映像は一転して、宮部の特攻のシーンに代わる。凄まじい艦砲射撃にも関わらす宮部の零戦には一発も当たらない。急上昇から急降下して空母に突入する直前に、「永遠の〇」というタイトルが出て終わる。感動に浸っていたかったが後ろに座っているオバサンたちが、鼻をグズグズさせっぱなしなのには参った。こちらもつられて、涙腺が緩む。明るくなって、目が赤くなっているのを見られるのが恥ずかしいので、タイトルバックが出てすぐに席を立った。

途中、みなとみらいのスーパーで晩酌の肴を買って帰宅。夜は、愚妻の帰りを待ってから家族で食事。愚妻と上の子供には、今日の映画を必ず見るようにと言っておいた。

Photo_2※入場券。「シニア割引」が嬉しいやら、恥ずかしいやら。複雑な気持ち。

 


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印刷機が壊れた。

2014-01-16 10:13:33 | インポート

一月十四日(火)晴れ。

ようやく機関誌の印刷が終わった。しかし前号からカラー印刷機の調子が悪く表紙を印刷すると下段に黒く汚れがついてしまう。だましだまし使ってみたが、どうも治らない。仕方がないので、修理の人を頼んだ。

修理の契約が切れているので、出張費が一万八千円に+部品代がかかるとのこと。少々痛いが仕方がない。事務所で午後一番で待ち合わせをした。すぐに直るのならば、もったいないが表紙を印刷し直そうかと思っていたが、修理の人曰く、「黒とカラーのドラムが摩耗していますので、新しいのを買った方がいいと思います」。ちなみに、そのドラムは高いのですか?と聞くと。

「ええ。新しい印刷機を買った方がいいかもしれませんね」。うーん。正月早々参った狸は目で分かる・・・。か。暮には、自宅の給湯器が壊れ、新しいものに交換した。友達の紹介で安くやって貰ったが、それでも三十万円近くもした。お歳暮や暮の支払いなどを計算したら、愚妻と共にしばし無口になった。それでも、出版記念会を行ったおかげで何とかクリアーできたが、この印刷機の交換は予想外。しかしなくては仕事にならない。

安倍さん。亜細亜やアフリカにいくら対中国、韓国のケンカ外交をしているとはいえ、手裏剣のようにODAで金をばらまくのもいいけれど、うちのように超、超極細の会社に、融資の枠を広げてくれませんかね。展転社も一緒に。ねぇ藤本社長さん。二、三百あれば一息つくからお友達の「大物」氏に頼んでみてよ。(笑)

あーあ義士討ち入りの日に、こちらの首が危なくなった。

そんな訳で、今月号も、汚れたままで発送いたします。私のブログを見て頂いております読者のみなさん。次号は新しい印刷機を使用しますので、何卒、ご寛容のほどをお願い致します。

今夜も酔狂亭で独酌。肴は、あぶったイカ、は差し歯では無理なので、蒸し鶏、湯豆腐に能登屋のさつま揚げ。ストーブに「カラカラ」(沖縄の燗酒をする器)を置いて温めつつ、お湯割りを楽しんだ。

Photo※「燃えよ祖国」の第200号です。表紙の下段が汚れてしまいました。平身低頭。


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公麿ではないけれど、「あれから二十七年」か。

2014-01-14 10:26:01 | インポート

一月十三日(月)晴れ。

随分と古い話で恐縮だが、二十七年前の今日は、昨夜からの雪で横浜は勿論、東京も一面の銀世界となった。雪国の人たちには申し訳ないが、横浜などにいると積もるほどに降る雪は、ある時はロマンチックな気持ちになり、またある時は、悲壮感を漂わせるような気持ちになる。

 

前者は、多分に「ホワイト・クリスマス」を思い描き、後者は、忠臣蔵や二・二六事件を想起させるのではないだろうか。最も、これはあくまでも私の勝手な思いであるから、他の人たちが、雪を見て、私と同じ感情となるかは分からない。

 

二十七年前の今日、同志らと共に某大手不動産会社の会長宅を襲撃するために自宅を出た。突然の雪のために目的の時間に大幅に遅れた。一瞬、出直そうかとも思って、相棒に伝えたら、「今引き返したら、二度とできないかもしれない」。という返事に背中を押された。恐らく、私もここで引き返したなら、次はなかったかもしれない。

 

意を決して、飛び込んだ池が、膝までの深さしかなかった・・・。ということもある。しかし、飛び込むと言う決意に至るまでは、煩悶したり、躊躇したりする。人は、誰しもこういった弱さを持っていると思う。それでも、何事においても決意し、行うことが大切なのだ。その事件以来、悩んだら、まず行う。という人生観を持つようになった。

 

未決に座っている時に、現在、大行社の副会長をしている周本昌山氏から手紙を頂いた。その手紙には、「男で生きたい。男で死にたい」という短い文章が書いてあった。様々な方から、様々な激励の手紙を頂いたが、どんな理論的な文章よりも、この周本氏の短い文章が一番心に沁みた。「陳腐」だと笑われそうだが、所詮、男なんてこんなものだと思う。

赤落ちする直前に野村先生が面会に来られて、「良かったなぁー安くて。もう二、三回はできるな」。と言われた時は、ドキッとしたが、お陰様で一度で済んでいる。野村先生は、野球で言えば、プレイング・マネージャーだった。つまり、一流選手でありながら、名監督でもあった。私は、選手でも二流以下、そして監督をする才能もなく、コーチが目一杯である。ただ、先生の門下生として、先生の名を辱めることだけは決してしまいと、残りの人生を生きている。年に一度、自分を振り返り、反省する日が、私にとっては今日なのである。

 

機関誌の印刷が終わった。印刷機の調子が悪くて、カラーで印刷すると下の部分が汚れてしまう。修理の契約期間が過ぎているので、会社に来てもらうだけでもかなりの金額を取られる。読者の皆さんには申し訳ありませんが、次号はきっちり修理して、きれいな物を送りますので、ご寛容のほどをお願い致します。

夜は、「鳥の水炊き鍋」を家族で囲んだ。二十七年前と違って、穏やかな一日だった。


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