白雲去来

蜷川正大の日々是口実

春霞って花粉じゃネェの。

2014-04-19 09:11:15 | インポート

四月十七日(木)晴れ。

春の夜の一刻は千金の値があり、花は清らかな香りを放ち、月はおぼろにかすんでいる。と唐の国の詩人は「春の宵」を詠み、我が国の女流は、春の醍醐味は、夜がほのぼのと明け始める頃を「春って曙よ」と言った。個人的には蘇軾も清少納言も好きなのだが、この時期の春霞にはほとほと迷惑をこうむっている。

この霞、秋の霧と同じものらしいが、春の物は多分に花粉やお隣の国から飛来する強力なスモッグが混ざり合って、景色が霞んで見えるとは最近の現象らしい。そのおかげで目はかゆいし、くしゃみ、鼻水に苦しんでいる人たちが沢山いる。かくいう私もその中の一人である。夏の到来が待ち遠しい。

目のかゆみを我慢して事務所までウォーキング。途中薬局で目を洗う水を買った。事務所に行くと、山平重樹さんの新刊本が届いていた。「旭流(ぎょくりゅう)・沖縄ヤクザ統一への軌跡-富永清伝」(幻冬舎アウトロー文庫・730+税)ボタンの掛け違いのような出来事から始まった血で血を洗う骨肉の抗争。この沖縄のヤクザ戦争は幾多の映画にもなった。統一、平和路線を成し遂げた人の渾身のドキュメントである。我が酒友の山平重樹さんの新刊を是非ともご一読頂きたい。

Photo ※是非ご一読を。

印刷された文章をスキャナーでパソコンに取り込んでOCRで変換してワードに保存する。しかし、まだスキャナーの精度が良くないのかかなり「文字バケ」してしまう。以前、IBMの音声入力のソフトを買って原稿を入力してみたが、やはり直しが多くて、結局、キーボードで入力した方が早かった。最近の物はどうだろう。暇を見つけて専門店に行ってみようかと思った次第。

夜は、常備薬の「黒霧島」を切らしたので、誕生日に友人から頂いた「中々」を飲んだが、シャレではなく中々美味しかった。肴は、「そごう」まで遠征して、カツオを仕入れて、ふふふと含み笑いをしながら酔狂亭で月下独酌。


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紅灯の緑酒に酔う。

2014-04-18 09:59:31 | インポート

四月十六日(水)晴れ。

二時半から私が役員をしている大行社の幹部会議があって東京行き。電車の中での読書は、「祖父たちの零戦」(神立尚紀著・講談社文庫)である。私は、いつも本を三冊併読している。電車やバスで移動中に読む本。車で出かけた時に待ち時間や、待ち合わせの時に読む本を車内に置いてある。移動中や車に置いておく本はほとんどが文庫である。そして自宅でじっくり読む本の三冊が必需品。車の中に置きっぱなしなのは岩波の「李白詩集」。

もちろん移動中に読んでいる本でも、面白くてそのまま自宅で読んでしまうものもある。「祖父たちの零戦」は、そういった思いのする本でとても良かった。もし映画で「永遠の〇」を見たことがあったならば、是非ともこの本を勧めたい。敗戦色の濃い南太平洋で果敢に戦いを続けたゼロ戦のパイロット、進藤三郎、鈴木實の二人の飛行隊長の人生を縦糸に、元搭乗員一二四名への二千時間のインタビューをまとめたドキュメンタリーである。読了後に「永遠の〇」と一緒に書棚に置いておきたい本である。

Photo ※是非ご一読を。

幹部会の終了後は、いつもならば懇親会に出席するのだが、今日は、友人の定年退職と再就職のお祝いがあるので横浜に戻る。このことを大行社の若い人に話したら、「えっ蜷川さんの後輩が定年退職ですか」と怪訝な顔をしていた。考えたならば、私は六十三歳。六十歳定年の後輩がいて当然である。しかし、そう指摘されて少し複雑な気持ちになったのも正直な気持ち。

五時半に関内駅にて待ち合わせ。まずは近くの小料理屋で久闊を除して乾杯。そのうちにもう一人友人が東京から到着。楽しい酒席となった。七時から恒例の「蜷川政経懇」があるので揃って出席。その後二軒転戦。久しぶりに紅灯の緑酒に酔い楚腰と戯れる。日にちをまたがずに帰宅。


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さまざまなこと思ひ出す桜かな。

2014-04-17 11:07:42 | インポート

四月十五日(火)晴れ。

午前中に、病院へ行くが混んでいたので診察をせずに薬だけを貰った。ついでに一時間ほど歩く。先日、目を楽しませてくれた大岡川の「花筏」も消え、葉桜になった桜の木の下をいつもの顔をした川が流れていた。

「さまざまなこと思ひ出す桜かな」とは芭蕉の句である。恩師、野村先生は、「葉桜の風の言葉は独り聴く」と詠んだ。「一人」ではなく「独り」と読むことで先生の獄中での感慨が込められているような気がする。

古くから、日本人にとって「花」と言えば桜だが、中国の漢詩には「桜」を詠んだものを見たことがない。漢詩で詠まれている春の花と言えば「梅」と「桃」、「杏」が多い。漢詩で「花」と言えば、単に作者の目に映った様々な季節の花であり、固体を指すものではない。

ふと今日が盟友であった渡邉康司氏の命日であったことを思い出した。平成の八年に四十五歳という若さで亡くなった。二年前に彼の十七回忌が行われ出席をした。JRの鴨宮という駅で降りて西湘バイパス沿いにある彼のお墓のあるお寺まで歩いて行った。海からの潮風が心地よかったことを覚えている。時が過ぎると同時に、人も去って行く。生者必滅、会者定離・・・か。

事務所に夕方までいて、帰りしなに横浜橋商店街へ寄って晩酌の肴を物色したら、手ごろな「めじまぐろ」があって購入。入浴後に、花間 一壷の酒 独酌 相親しむ無し 杯を挙げて明月を邀かえ 影に対して三人を成す。と月下独酌。


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熊さんと八さんと小保ちゃんと。

2014-04-15 13:53:24 | インポート

四月十四日(月)曇りのち晴れ。

いつの頃からか、突然花粉症で悩まされるようになった。目のかゆみとくしゃみ。愚妻は医者に行けと言うのだが、これ以上薬を増やすのが嫌で何とか我慢している。先日、ダイキンのエアークリーナーを買って部屋に置いたら、多少は症状が治まるようになった。この時期に、スギの花粉を退治する仕事があっても良いと思うのだが。杉の花?の部分を剪定してしまうとか、何とかならないものだろうか。

そう言えば、STAP細胞の小保方さんの記者会見。中継しなかったのはテレビ東京だけというから凄い。何が凄いのかと言えば、中継しなかったテレビ東京の良識がである。例によってワイドショーなどは、肝心のSTAP細胞のことよりも、彼女の着ている服や髪型、アクセサリーを大真面目に論じているのだから、全くおめぇーら暇だな。そう言いながら、そんなくだらん番組を見ていたこちらもアホか。

こういう話がある。熊さんが八さんに、「昨日凄い馬鹿を見たよ」。「どんな馬鹿だい」、「餌も針もつけずに二時間も釣りをしている奴がいたんだ」。「嘘を言うなよ、そんな馬鹿がいる訳ねぇや」。すると熊さんは、「嘘じゃネェよ。俺も二時間見ていたんだから」。私も、考えてみれば、この類かも知れない。

STAP細胞話を、いや馬鹿話もう一つ。

ある時、精神病院で、入院患者が風呂場で釣りをしていた。それを見た担当の医者が、「釣れるかい?」と尋ねると、釣りをしていた患者が「お前バカか。風呂場で魚が釣れる訳はねぇよ」。

STAP細胞が、どうもSTOP細胞になって、本来ならばレジェンドになった小保方さんが、ジ・エンドになったという訳か。でも理研も、もう少し研究させてあげればいいんじゃないの。完全なものになったなら、それは日本と日本人の凄さの証明になるのだから。しかし、皆、おんなの涙には弱いなぁー。それにしてもSTAP細胞って何だ。

どうも歳のせいか、「細胞」と聞くと、共産党の工場や地域に設けられる基礎組織が頭に浮かぶ。そう言うあっしも古ーい人間なんでしょうかねェ-。

夜は、酔狂亭にて月下独酌。


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「群青」で泣けた。

2014-04-15 10:33:40 | インポート

四月十三日(日)晴れ。

良い天気である。昼過ぎから、一時間半ほど歩いた。当然ながら、普段は車で素通りしている見慣れた町も、歩いていると様々な発見があるから楽しい。いつ開店したのか、こじゃれた「手打ち蕎麦とうどん」のお店を見つけた。更に、その先には、こじんまりとした韓国料理の店がある。一度行ってみたいと思った。空腹だったので、蕎麦屋に入ってみようかと思ったが、断食から帰って来て以来、カロリー制限をしているので、ぐっと我慢した。

午後から、晩酌の肴を求めて松原商店街へ行った。しかし残念ながら「カツオ」との遭遇はなく、「魚幸」でマグロのブツ切りを買った。他は、野菜やキムチ、鶏肉を仕入れた。まっすぐ帰ろうかとも思ったが、あきらめきれずに根性で「そごう」の地下へ「カツオ」を探しに行ったが、ここにもなかった。うーんついていない。

夜は、「連合艦隊」を見ながらの酒。この映画は何度も見ているが、冒頭の森繁と息子が、「三高」の寮歌を歌い合うシーンが好きだ。そして大和の出撃の場面もいい。昔、「太平洋の翼」と言う映画でも、援護する飛行機もなく特攻出撃する大和に、訣別の激励飛行をする場面がある。「連合艦隊」にも似たようなシーがあったが、そう言えば監督は同じ人だった。最後に流れるのが「群青」である。酔いもあって涙が流れて仕方がなかった。

「太平洋の嵐」「太平洋の翼」「太平洋の鷲」の三部作は私の好きな映画だ。


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