四月十七日(木)晴れ。
春の夜の一刻は千金の値があり、花は清らかな香りを放ち、月はおぼろにかすんでいる。と唐の国の詩人は「春の宵」を詠み、我が国の女流は、春の醍醐味は、夜がほのぼのと明け始める頃を「春って曙よ」と言った。個人的には蘇軾も清少納言も好きなのだが、この時期の春霞にはほとほと迷惑をこうむっている。
この霞、秋の霧と同じものらしいが、春の物は多分に花粉やお隣の国から飛来する強力なスモッグが混ざり合って、景色が霞んで見えるとは最近の現象らしい。そのおかげで目はかゆいし、くしゃみ、鼻水に苦しんでいる人たちが沢山いる。かくいう私もその中の一人である。夏の到来が待ち遠しい。
目のかゆみを我慢して事務所までウォーキング。途中薬局で目を洗う水を買った。事務所に行くと、山平重樹さんの新刊本が届いていた。「旭流(ぎょくりゅう)・沖縄ヤクザ統一への軌跡-富永清伝」(幻冬舎アウトロー文庫・730+税)ボタンの掛け違いのような出来事から始まった血で血を洗う骨肉の抗争。この沖縄のヤクザ戦争は幾多の映画にもなった。統一、平和路線を成し遂げた人の渾身のドキュメントである。我が酒友の山平重樹さんの新刊を是非ともご一読頂きたい。
印刷された文章をスキャナーでパソコンに取り込んでOCRで変換してワードに保存する。しかし、まだスキャナーの精度が良くないのかかなり「文字バケ」してしまう。以前、IBMの音声入力のソフトを買って原稿を入力してみたが、やはり直しが多くて、結局、キーボードで入力した方が早かった。最近の物はどうだろう。暇を見つけて専門店に行ってみようかと思った次第。
夜は、常備薬の「黒霧島」を切らしたので、誕生日に友人から頂いた「中々」を飲んだが、シャレではなく中々美味しかった。肴は、「そごう」まで遠征して、カツオを仕入れて、ふふふと含み笑いをしながら酔狂亭で月下独酌。