80歳女性。急性腎盂腎炎で泌尿器科を受診した。抗菌薬投与で軽快治癒したが、倦怠感・食欲不振を訴えたため、内科に紹介された。癌が隠れていたというようなものではなく、気分的なものと判断された。さて、夜間の不眠も伴っていた。都市部だったら、精神科クリニックへ紹介となるところだろうが、郡部ではそうもいかない。弱く抗うつ剤を使用して経過をみることにしたが、何を使うかだった。いきなりSSRI処方はためらわれた。とりあえずスルピリド100mg/日を処方してみた。1週間で症状が軽減してきた。さらに1か月続けたところ、すっかり症状がとれて食欲も良好になった。夫の介護が必要になったことで精神的にまいっていたと、今まで言わなかった家庭の事情を教えてくれた。まだ残暑が続いているので、もう2週間分継続して中止することにした。中止してまた具合が悪くなった時に再受診してもらう。軽いうつ状態の時に短期間使うのにはスルピリドはいい薬だと思う。成書によると、スルピリドは日本でだけ使われているそうだ。