なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高血糖高浸透圧症候群

2012年09月19日 | Weblog

 81歳女性。認知症で施設に入所していた。寝たきり状態で全介助の状態だった。先月から発熱があり、基幹病院の外来を受診して、処方された抗菌薬を施設に持ち帰って点滴していた。通常は入院治療だが、このような高齢者だと治療のゴールがなく、長期入院になるので、入院させたくなかったのだろう。

 発熱が続き、施設から当院内科外来を受診させたいと昨日連絡がきていた。今日になって救急車で搬送すると連絡が入った。外来を診ていると救急車が到着した。糖尿病で治療(SU剤+ランラス注)している。血糖は714mg/dlと著しい高血糖だった。血液ガスでケトアシドーシスはなく、高血糖高浸透圧症候群だった。腎機能障害もあったが、もともとの腎障害+脱水症による腎前性腎不全だろう。点滴をして、生食50ml+ヒューマリンR50単位を2ml/時で開始した。頭部CTではかなりの脳萎縮と多発性脳梗塞を認めた。尿は混濁濃縮していた。

 病棟に上がって、血糖は500mg/dl、さらに300mg/dlになった。もう1回血糖を測定して、ソルデム3A500mlにヒューマリンR混合の点滴に変更することにした。あとは血糖値によってヒューマリンR皮下注で補正していけば何とかなる。ただし、脱水症と高血糖が改善しても経口摂取ができるかどうかはわからない。家族にはその旨の見込みを伝えておいた。

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