金曜日に87歳女性が救急搬入された。息子が顔面を殴ったという。救急担当の外科医が対応した。検査の結果、新旧の硬膜下血腫・多発性肋骨骨折(肺炎も)があった。
当院には脳外科がないので、基幹病院脳外科に転送された。硬膜下血腫は左右に慢性硬膜下血腫があり、1週間前の殴打による亜急性血腫も加わったと判断された。今の時点では硬膜下血腫は保存的に経過をみていいのと(五苓散で頑張れと)、多発性肋骨骨折と肺炎もあるので、当院で経過を診てくださいと戻された。脳外科がないところで経過を見るのは気持ちが悪いが、一度診てもらっているので、経過中悪化すればまた診てはもらえるだろう。
診療科が分かれている病院では、どこが責任科として扱うかという問題が出てくる。頭部だけではないので、脳外科で扱うのは難しい。この場合は、脳外科と相談しながら救急科で診てもらうように転送すれば、入院で診てもらえたかもしれない(ベット満床だとそれも難しいか)。
加害者の息子さんは警察で取り調べているそうだ。自宅退院はないので、順調に治ったとしても施設入所に持っていくしかない。