なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳幹梗塞

2018年01月12日 | Weblog

 木曜日に基幹病院神経内科から88歳女性が転院してきた。向こうの先生からの話(電話で依頼)では、末梢からの点滴でお看取りですということだった。

 複数回のラクナ梗塞の既往があり、当院の神経内科に通院していた。2か月前に意識障害をきたして、基幹病院に救急搬入された。たぶん当院にも搬入依頼があったのだろうが、受け入れできなかったらしい。

 意識障害と右片麻痺があり、MRIの拡散強調画像で左内包に淡く陰影があるようにも見え、その部位の脳梗塞が疑われたらしい。入院後に症状が軽快したり、増悪したりを何度か繰り返して、MRIで梗塞巣がはっきり出なかったので、てんかん発作も考えられたとある。結局1か月後のMRI拡散強調画像(他の画像でもすてに出ていたが)で左脳幹梗塞を認めて、症状も固定した。

 嚥下障害で経口摂取は難しいということになった。家族は経管栄養は希望せず(本人が以前から言っていたそうだ)、経口摂取できない状態での高カロリー輸液継続も希望しなかった。末梢からの点滴を継続して、できる範囲で経口摂取を試みるという方針になった。

 転院してきたが、その2日前から少し言葉が出る様になったそうだ。経口摂取はやはり難しそうだが、改めて当院でも嚥下評価をすることにした。

 それにしても約1か月の間、軽快増悪を繰り返したという経過に驚く。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする