81歳男性が右不全片麻痺で整形外科医院から紹介されてきた。もともと頸椎症もあって、判定しがたいが、頭部MRIの拡散強調画像で新規の脳梗塞巣が散在していた。左内頚動脈起始部に狭窄があり、左中大脳動脈末梢(M2以降)の描出不良があった。
脳動脈支配領域に一致した分水嶺梗塞で、中大脳動脈と前大脳動脈・後大脳動脈との境界に沿って分布していた。ここまではっきりした分布は始めて見た。心臓のPCI後で抗血小板薬はふだんから内服している。2~3日食事摂取(水分も)が少なかったそうだ。腎機能障害もあり、治療薬があまりないが、点滴による循環改善が一番効くのかもしれない。
入院後は、病室内のごみ箱に排尿したりして、看護師さんが困っていた。食事摂取は良好で今のところ嚥下障害はない。