なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

傍乳頭憩室と膵炎

2018年01月19日 | Weblog

 昨夜の当直帯に心窩部痛の70歳男性が受診していた。急性膵炎と診断されて、当直の外科医が主治医で入院した。既往をみると、3年以上前にやはり急性膵炎で入院していて、その時は当方が主治医だった。5日で退院しているのが、それだけ回復が速かったのか、ある程度良くなったところで希望で退院したのだろう(そのへんの事情は退院サマリーに記載していない)。

 この患者さんはアルコールは機会飲酒で(たまたま飲酒した後でもないかった)、胆石もなかった。ただ大きな(巨大な)傍乳頭憩室があり、憩室内に食物が貯留していた。それによって膵管が圧排されて膵炎をきたした可能性が考えられた。膵体尾部は正常に描出されているが、膵頭部は腫大して、周囲に浸出液が貯留している。肝機能障害・黄疸はなかった。

 今日血液検査が再検されて、肝機能・血清アミラーゼは軽減していたが、腹痛で鎮痛薬(アセリオ・ソセゴン)が繰り返し使用されている。今回は、消化器病センターのある専門病院に転送になった。おそらく保存的に経過をみるしかないとは思うが。(CTは今回、MRCPは前回入院)

 

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