なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

どこの熱?

2018年01月15日 | Weblog

 昨日の日直の時に、76歳男性が高熱と悪寒戦慄で救急搬入された。ふだんADLには問題がないが、あまり会話はないそうで、認知症があるらしい。

 上気道症状の訴えはなく、インフルエンザ迅速試験は陰性だった。白血球増加とCRP上昇があり、何らかの細菌感染による菌血症が疑われた。血圧が80前後になっていたが、点滴で100くらいになった(降圧剤2剤を内服)。

 胸部X線・CTで粒状影が散在しているようにも見えたが、なにしろ気道症状がない。尿混濁はなかった。胆嚢摘出術後で胆道系の拡張はなかったが、肝機能障害があり、今回の高熱と関連している可能性(胆管炎)はある。関節炎・蜂窩織炎はない。大学病院で胸部大動脈にステント挿入を受けた既往がある。心雑音があるが、新規かどうかわからない(当院初診)。

 前立腺肥大があり、直腸指診で縦に盛り上がった印象を受けるが、圧痛は訊いてもないという(特に熱感が強いとはいえなかった)。前立腺炎も疑われるが、確定できない。PSAが7.2と軽度に上昇しているが、炎症の反映かどうかも決めにくい。

 血液培養2セットと尿培養を提出して、セフトリアキソンで治療を開始した。今日もまだ高熱がある。血圧低下はなかったので、ちょっと安心しているが、原因が不明なので気持ちが悪い。忙しくて心エコー検査を入れるのを忘れてしまい、明日に予定した。

 

 当直帯では、COPDで当院の呼吸器科外来(外部の先生担当)に通院している88歳男性が呼吸困難で救急搬入された。胸部X線・CTでは明らかな肺炎像はなかった。1週間前から上気道症状があったそうだ。搬入時は酸素吸入10L/分だったが、搬入時から少しずつ下げて、入院後は2L/分になった。高炭酸ガス血症はない。診察ではrhonchiが軽度に聴取される。20歳~65歳までの喫煙歴がある。RSウイルスとメタニューモウイルスの検査もした方がいいのだろうか。

コメント
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