なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

低カリウム血症

2021年09月20日 | Weblog

 退職した内科の女性医師から、低カリウム血症の56歳女性が回ってきた。

 2年前の4月末に低カリウム血症で地域の基幹病院に入院していた。食事摂取ができるようになったところで退院となり、近医である内科医院に紹介されていた。

 内科医院では、カリウム製剤投与でも低カリウム血症が続き、7月に医療センター内分泌・代謝科に紹介していた。そこの産婦人科に子宮筋腫で通院しているということからの紹介だった。内科医院は、基幹病院はこういう症例に関心がないので、少しでもつてのある病院に回したということなのだろう。

 尿細管異常を中心に精査されたが、診断はつかなかった。利尿薬の乱用や自己誘発性嘔吐が疑われて、精神科に紹介したりもしていた。それらが否定的な状況でも、低カリウム血症は改善せず、カリウム製剤を基本的には内服で、悪化時は点滴で入れるしかなかった。

 また内科医院に戻されたが、12月に内科医院から当院に紹介された。当院は透析病院なので、大学病院から週1回腎臓内科に診療に来てはいるが常勤医はいない。

 内科の若い先生が入院担当となって、カリウム製剤を点滴静注で入れていた。点滴で入れている時はいいが、やめると低下するので、大学病院の腎臓内科に紹介した。

 やはり診断は付かず、当院の外来で点滴を継続することになった。ちょうど昨年は大学病院のポストの問題で(医師3名に対して給与の出るポストが2名分しかない)、腎臓内科所属の3人が交代で1年間当院で診療をしていた(入院は診ないの、入院時は内科の若い先生が担当)。

 今年度は腎臓内科医が引き上げて、内科の若い先生が外来で診ていた。退職するに当たって、毎週腎臓内科外来に来ている先生は関心を持たないだろうということで、当方に回ってきたのだった。

 毎日カリウム製剤を内服して、週2回は外来で半日かけてカリウム製剤入りの点滴をしているが、低カリウム血症は継続していた。

 大学病院で分からないものが、当方にわかるはずもない。悪化した時は入院で毎日カリウム製剤を点滴ということになる。今月外来で(実際は点滴中に)1回診察しただけだった。点滴に来てる時には検査値を確認しているが、忙しすぎて長く話したことはまだない。

 

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バイキンズカード

2021年09月19日 | Weblog

 「感じる細菌学・抗菌薬」(じほう 刊)は、細菌学・抗菌薬の基礎がとてもわかりやすく記載されている。主には「臨床に直結した最低限の細菌学の本」になる。今3回目の読み返し中。

 抗菌薬に関しては、岡先生の「感染症プラチナマニュアル」を使用している。こちらにも細菌について載っているが、治療の視点で書かれている。

 「感じる」の方がたぶん学生向けなので理解はしやすい。グラム染色からの具体的な分類がよくわかる。

 

染方史郎の 楽しく覚えず好きになる 感じる細菌学×抗菌薬

 

 感染症の院内勉強会で感染症のDVDを流した後に、ちょっとだけ解説する予定なので、その時の説明に利用させてもらう。DVDは「Dr.岡の感染症プラチナレクチャー」で、今回は「カテーテル関連血流感染症」を予定している。

 岡先生のレクチャーは研修医向けなので、それだけだと院内の多職種(主には看護師さん)にはわかりにくい。DVDが約20分でそれに10~15分の解説を付けることにした。

 

 感染管理は年に2回の院内勉強会をすることになっている(収益上の義務)。抗菌薬適正使用も算定しているので、抗菌薬に関する勉強会も2回することになっている。(感染管理の勉強会で、抗菌薬の話がちょっと入っていればいいらしい)

 DVDを1万円で購入すると、10回分の講演が入っているので5年くらい使える。大学の教授を呼ぶと、「講演料10万円+交通費」がかかる(それを2回)。なかなかの経費節約になるのだった。

 ちなみに、当院の講演料の規定は、教授クラスで10万円、講師・准教授で7.5万円、医師以外の講師(接遇や安全管理で呼ぶことがある)で5万円だそうだ。

 

 「感じる細菌学・抗菌薬」に出てくるキャラクター化された細菌が、バイキンズカードとして販売されている。今回記念に1セット購入した。

 

b1

 

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混合性結合組織病?

2021年09月18日 | Weblog

 火曜日にクリニックから80歳女性が紹介されてきた。そのクリニックで担当している施設に入所していた。

 前日から反応が鈍く、左上肢の不全麻痺があるかもしれない、ということだった。クリニックから救急搬送されてきた。

 開眼していて、質問には短く答えることができるが、ぼんやりしている。麻痺はあるのかないのか、はっきりしない(明らかな左右差はたぶんない?)。

 早朝にクモ膜下出血の患者さんを脳外科に搬送した日で、救急隊は頭部CTで頭蓋内出血がないことがわかるまで帰らなかった。頭部CTは脳委縮・脳室拡大だけで頭蓋内出血はなかった。

 点滴と血液検査などを提出して、脳梗塞確認の頭部MRI待ちとした。血液検査は軽度に炎症反応上昇があった。肺炎はなかった。尿混濁があるが、無症候性細菌尿・膿尿かどうか判断しかねる(高齢女性の尿路感染症は除外診断)。

 頭部MRIで脳梗塞はなかった。感染症の影響も否定できないが、もともとのADLからみて、それほど悪化していないのかもしれない。

 入院して、点滴と尿路感染症に対する抗菌薬で経過をみることにした。入院後の様子をみると、見守りでゆっくりと食事摂取はできるようだ。

 

 紹介の診療情報提供書の病名記載の最後に、「混合性結合組織病」とあった。処方をみると、それに対する薬はない。若い時にどこか専門科で付けた診断なのかもしれない。

 一見したところ症状もなさそうで、無駄かもしれなかったが、血液検査で膠原病の検査を追加しておいた。結果は、抗核抗体160倍(speckled)で、抗体RNP抗体も423U/ml(<10.0)と上昇していた。

 その目でみても症状はないと思うが、診る人が診ればあるのだろうか。

 

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1週間の変化~胸膜炎

2021年09月17日 | Weblog

 昨日の木曜日に、82歳男性が呼吸困難で救急搬入された。その日大学病院から来ている先生の呼吸器外来に、間質性肺炎・気管支喘息で通院していた。

 救急当番は神経内科医だったが、救急搬入依頼を受けてそのまま呼吸器科に診療を依頼していた。間質性肺炎なので、難しいと思ったのだろう(労力を省いただけかもしれないが)。

 胸部CTで右胸水貯留を認めたが、胸膜に沿った溜まり方からみて単なる浸出液ではないようだ。白血球6700・CRP25.5と炎症反応が上昇していた。(血沈も測定していて114mm/時)

 入院治療が必要だが、当院では難しいと判断されて、地域の基幹病院呼吸器内科に搬送していた。この先生は当院の呼吸器外来に毎週来ているが、月に1回基幹病院にも感染症に指導に行っている。先方の先生とは親しいのだった。

 

 この患者さんは1週間前に呼吸器外来を受診していた(定期受診)。フォローの胸部CTが撮影されていて、右肺にわずかに胸水貯留があり、以前のCT(3月)と比べると新規の変化だった。後から見ればだが、この時から始まっていたようだ。

 抗菌薬(たとえばスルバシリンABPC/SBT)投与だけなら当院でもできるが、間質性肺炎が基礎にあるので、その点を考慮しての搬送なのだろう。

 それにしても、この2回のCTを見ると、胸膜炎そのものということになるようだ(肺炎・胸膜炎や肺炎随伴性胸水ではなく)。

 

  

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糖尿病・慢性膵炎

2021年09月16日 | Weblog

 水曜日に61歳男性が救急搬入された。ふらふらと自宅周囲を歩いていて、息切れがすると近所の人に訴えて救急要請してもらったそうだ。

 搬入時、酸素飽和度は99%(室内気)で問題はなかった。詳細はわからないが、3日前に地域の基幹病院を退院していた。当院への診療情報提供書が出ているらしい。

 中断を繰り返して、当院の消化器科に通院していた既往がある。病名は糖尿病と慢性アルコール性膵炎だった。最終受診は4年前になる。DPP4阻害薬とメトホルミンでHbA1c7.6%だった。

 救急当番は神経内科医だった。血液検査で血糖372mg/dl・HbA1c13.7%と高血糖を認めたので、内科新患担当の先生に入院を依頼した。

 

 腹部CTで膵臓全体に石灰化を認める。慢性アルコール性石灰化膵炎で、膵性糖尿病だった。肝機能などからみて(AST>ALT、γ-GTP高値、MCV高値)、飲酒は続いているのだろう。

 

 以前の当院受診時も、基幹病院入院時も、支払いをしていないそうだ。先方から直接転院依頼がなかったのも、それで遠慮されたのかもしれない。

 当院向きの患者さんで、転院でもよかった。さっそく地域医療連携室が関わって、生活保護申請の手続きに入るようだ。

 

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急性腎盂腎炎~血液培養翌日陽性

2021年09月15日 | Weblog

 昨日の火曜日に、91歳女性が39℃の高熱で受診した。ふだんは高血圧症で通院しているが、心気症の患者さんとして印象に残る方だった。

 若い時からの心気症で、ちょっとした症状があると気にしてしまう。退職した他の先生から回ってきた時には、デパスが処方されていた。

 処方日数のしばりがあるので、デパス(エチゾラム)0.5mg錠3錠分3で処方されているのを、不安に応じて内服していた。好ましくない処方だが、やめるのは難しい。

 今年になってからは、本人は全く受診していない。薬を取りに来る娘さんの話では、病院に行くコロナがうつるという気持ちがあるそうだ。

(今どきは身体症状症のうちの、病気不安症になるが、「心気症」の方がわかりやすい)

 

 今回は発熱外来扱いになるので、コロナの抗原検査を行ったが、以前にもあった尿路感染症だろうと思っていた。抗原検査陰性確認後に、画像検査と血液・尿検査を行った。

 尿は自尿をうまく出せないので、最初から導尿で尿一般・沈査と培養検査を提出した。予想通り、肺炎や他の感染症を示唆する所見はなく、炎症反応の上昇と尿混濁を認めた。

 発熱以外のバイタルは問題ない。末梢血管が細いと思ったが、血液培養2セットを提出することにした。他の救急搬入された患者さんを診ていたが、培養検査はと訊くと、もう提出しましたと言われた。1セットか2セットともか、静脈から取れず、動脈から取ってくれと言われるかと思っていたので、助かった。

 

 入院後にカロナールを内服後も39℃の高熱は変わりないので、病棟看護師さんが気にしていた。腎盂腎炎は3日くらい熱がつづくよ、と伝えた。(腎盂腎炎の実態は腎臓の多発性microabscess)

 今日は朝から解熱していた。食事は半分くらいの摂取だが、ふだんからそのくらいらしい。昨日は500mlの点滴を2本入れたが、今日からはセフトリアキソンの点滴静注だけにした。

 午前中に、細菌検査室から連絡が来て、昨日提出した血液培養2セット(4本)の全部からグラム陰性桿菌が検出されていた。尿培養でも同様の菌が出ていた。急性腎盂腎炎からの菌血症だった。2日後に菌名が出るが、たぶん大腸菌だろう。

 

 最近の当院の血液培養提出は、医師数減・患者数減の影響で10数例に減少していた。(血液培養の提出数は病院の評価につながる)ICTとしては貴重な症例になる。

 

 

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くも膜下出血

2021年09月14日 | Weblog

 昨日は皮膚科医が当直だった。当直の終わり間際に、頭痛を訴える51歳男性の救急搬入依頼があった。通常の診療も始まるのでいいかと思って受けたそうだ。

 頭部CTで明らかなクモ膜下出血を認めた。血圧が140/90台で、血圧の下げ方をどうするかと連絡が来たので、救急室に向かった。

 患者さんは早朝に新聞配達をして自宅に戻った。朝食後の午前7時半に、突然頭痛が発症したという。まさにsudden onsetだった。じっと目を閉じていたが、普通に会話は可能でほぼ意識清明になる。

 地域の基幹病院脳外科に連絡してもらって、救急搬送となった。新型コロナの抗原検査だけ当方が行って、陰性の結果を診療情報提供書に記載してもらった。血圧は120台になったので、降圧薬は使用しなかった。

 

 日当直の手配は外科医が行っているが、10月は大学病院からの応援が2日しか来ないそうだ(これまでは6日、3週間分の土日に来ていた)。日当直セットで2回になるので、4枠だけになる。後は常勤医7名で埋めるので、一人5~6枠入ることになる。

 週1回の当直と土日の日直か当直を1~2回になる。救急を診ない病院ならできるが、少なくなったとはいえ救急も診ているので、けっこう大変だ。

 

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von Recklinghausen病

2021年09月13日 | Weblog

 von Recklinghausen病の74歳男性は、ふだんは前立腺癌で泌尿器科(非常勤医の担当)に通院している。

 6月に介護保険申請の主治医意見書を希望されて、妻が内科外来に連れてきた。何もしようとしない、入浴を嫌がると言っていた。

 頭部CTで脳委縮と脳室拡張を認めるが、脳血管障害や脳腫瘍などはなかった。長谷川式は20/30点で、印象よりは高めの値が出た。動きたがらないのは性格的なものがあるようだ。

 

 先週の金曜日に数日前から食欲不振・体動困難で救急搬入された。搬入時に発熱はなかった。症状は食べられない・動けないというもので、特に疼痛があるわけでもない。

 頭部CTは前回と同様で脳血管障害の発症はなかった。筋力は低下しているが、廃用症候群ということだった。

 血液検査で白血球18700・CRP17.3と炎症反応の上昇を認めた。胸部CTで肺気腫があるが(現在は禁煙)、肺炎像はなかった。尿混濁もなく、前立腺炎も疑ったが血清PSAは正常域だった。

 背部の神経線維腫の密集した背部の皮膚にびらん形成はあるが、凹凸がありすぎて、評価が難しい。皮膚軟部組織感染症疑いとして、血液培養2セットと尿培養を提出して、抗菌薬を開始することにした。

 普通に会話できていたが、血糖24mg/dlと低血糖を呈していた。50%グルコース20ml静注をして、点滴はグルコース混合に切り替えた。TP5.1・血清アルブミン2.2mg/dlと低蛋白(アルブミン)血症がある。インスリノーマ疑いというより、低栄養・飢餓状態なのかもしれない(外注検査は提出する)。

 入院後に38℃の発熱があり、搬入時は発熱するほどの体力もなかったのかもしれない。

 

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冷汗・冷感

2021年09月12日 | Weblog

 金曜日は感染管理の病院相互評価で、地域の基幹病院とがんセンターのICTが当院に来てくれた。

 今回、基幹病院のメンバーと新型コロナを統括する先生が変わったので、医師だけでも4名が来られた(計9名)。各病院から5名ずつと予想して会議室を準備していたが、予想を超える人数だったので、急遽大きい方の会議室になった。(各人の間を空けるので)

 新しいメンバーは当院の感染病棟を見るのは初めてだった。外から感染病棟に直接入れるので、そこを通って感染病棟の患者さんのいない病室を見てもらった。(現在新型コロナの患者さんは2名で、感染病棟に中でも別ブロックにいる)

 入院患者全員に対して新型コロナの検査をするかどうか訊いてみた。どちらの病院も原則として全員に検査するということだった。

 知っているだけでも、急性虫垂炎の患者さんが新型コロナに罹患していた病院が2か所ある。当院でも脳梗塞で入院した患者さんが新型コロナに罹患していた。入院時検査の胸部X線ですりガラス陰影があって気づいたものだ。

 大学病院では緊急入院については抗原検査、予定入院はPCR検査としていると伺った。時間はかかるが、院内のPCR検査の結果が出るまで(1~2時間)入院を待たせるという病院もある。

 検査の感度・特異度の問題はあるが、今時は全例検査にするしかないのだろう。院内で発生した際に、検査はしていたんですが、という言い訳にはなる?。

 

 

 会議の直前に、糖尿病で通院している73歳男性が前夜からの右季肋部痛で受診した。現在は禁酒しているが、アルコール性慢性石灰化膵炎がある。糖尿病は膵性糖尿病だった。インスリン強化療法でHbA1cが6.7%とコントロールは良かった。

 昨夜からの持続痛で、冷汗も続いていた。部位からは胆嚢炎が疑われる。救急外来の腹部エコーでは胆嚢は腫大しているが、胆石はなかった。胆道系の拡張はない。

 点滴・血液検査・腹部エコー(技師さんの)・腹部CTをオーダーして、会議に出ていた。病棟見学から戻ったところで検査結果が出ていたので、各病院の評価と会議の締めを司会をしていた感染管理ナース(ICN)にまかせて救急室に行った。

 肝機能障害と炎症反応上昇(CRP10.7)があった。画像検査では胆嚢は全体に腫大しているが、緊満と言い難い。やはり胆嚢内に結石はないが、胆嚢頸部は描出不能だった。胆道系の拡張はなく、結石もない。血清アミラーゼは正常域で膵臓の腫大はない。

 sonographyic Murphy signは陽性で、胆嚢由来の痛みであることは間違いない.。画像上は胆嚢炎と言うには弱い。以前のCTと比較すると、異常と判断されると思い、それもCDに入れた。

 手術(胆嚢摘出)ができる病院で経過をみてもらうしかない(当院は外科手術ができない)。下着が濡れるほどの冷汗が続いていて、末梢冷汗があるのは危険なサインだった。(心電図は異常なし)

 午後4時半を過ぎていた。基幹病院の外科に連絡すると、診てもらえることになった。コロナの検査は?、と訊かれた。未検と伝えると、抗原検査だけでもして陰性確認をしてから搬送するようにと言われた。

 15分後に陰性を確認して搬送となった。胆嚢由来の痛みとしては血流障害の機序(胆嚢動脈)だとありうるだろうか。

 

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新型コロナは空気感染

2021年09月11日 | Weblog

 ネットニュースのaera dotに、新型コロナウイルスの感染経路のことが載っていた。

 

 昨年春に県内のコロナ対策の主要病院長会議があって、当時の院長からいっしょに出ろと言われて出ていた。

 話をされた押谷仁先生は、WHOでSARSの仕事をされたこともあるそうだ。新型コロナの感染経路が飛沫感染だけなのかという話をして、インフルエンザも飛沫感染では説明がつかない、と言われた。

 当時、新型コロナは飛沫感染・接触感染と言われていた。基本的にはサージカルマスクの対応でよいとなっていた。吸引や挿管などの処置をする時はエアロゾル(飛沫核)が発生するので、N95マスクを要すると言っていた。

 飛沫と飛沫核にはっきり分かれるとも思えないので、何だか変だとは思っていた。

 

 西村秀一先生の本を読んで、疑問がすっきりした。飛沫と飛沫核にはっきり分かれるものではなく、唾液の量によって、飛沫からだんだん含む唾液量が減っていって、ほぼ純粋な飛沫核(ウイルスだけ)まで連続的に変化しているそうだ。

 目の前にいるのでなければ、重い飛沫を吸引するのは、クリーナー並みの吸引力が必要で、飛沫を吸い込むのはかえって難しいという。実際は、空中に浮遊する唾液量の少ないエアロゾル(飛沫核)を吸い込んで感染する。

 呼吸をしているだけでも、話をしても、歌を歌っても、エアロゾルは発生する。それを吸い込んで感染するのだった。冬に普通に呼吸をしているだけでも白い息が自分の周りに出るが、ウイルスに感染していれば、その中にウイルスがいる(活性のある、つまり感染力のある生きたウイルスは少ないそうだが)。

 

 WHOは昨年、「空気感染の可能性も否定できない」となった。そして今年は「ウイルスの含まれたエアロゾル(飛沫核)や飛沫を吸い込んだり、それらが目や鼻、口に直接は入ったりして感染する」となった。(目からは感染しないらしいが)

 感染を防止するには、不織布マスク(サージカルマスク)をしっかりつけることと、換気することしかない、ということだった。(N95マスクをずっと付けるのは無理)

 

 ひとりで他のお客さんと離れて座り、しゃべらずに食べる「孤独のグルメ」方式プラス換気が良好ならば、遅い時間に飲食しても何も問題がない。ないが、やはりそうはできず、会話して騒いで大声を出してしまう。人間だもの、なのだった。

 

もうだまされない 新型コロナの大誤解

 

 空気感染する病原体として、これまでは結核・麻疹・水痘の3つを上げるのが正解だった。新型コロナの感染力は水痘と同様なので、この問題は使えない。そもそも呼吸器ウイルスに関しては、全部空気感染で、感染力の程度の違いだけなのだろう。

 

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