スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ソネラ&悲しみの除去

2018-01-26 19:13:13 | 血統
 NARグランプリの最優秀ターフ馬を受賞したダブルシャープは牝系の祖先が古くに輸入された馬です。それが1919年にアメリカで産まれたソネラ。綴りはThonellaとなっていますが,僕には意味は分かりませんでした。ファミリーナンバークヰックランチと同じ4-r
                                     
 日本での初産駒は1929年,昭和4年で,前年からサラブレッドの生産を始めた社台グループの創始者による輸入です。また,ソネラが1926年にアメリカで最初に産んだラウネラという馬も後に社台牧場に輸入され,そちらからも牝系は続きました。僕の競馬キャリアの中でいうと,1988年に中山牝馬ステークスとエプソムカップを勝ったソウシンホウジュ,1995年に愛知杯を勝ったサウンドバリヤー,1996年に中日新聞杯と愛知杯,1997年に中日新聞杯を勝ったファンドリショウリはいずれもラウネラの子孫です。
 ソネラが輸入されてからの牝系は,1934年に産まれた第三ソネラの子孫が最も繁栄しました。ただ,1936年に産まれた第四ソネラの分枝も継続していて,1985年にオークストライアルの4歳牝馬特別,1986年に中山牝馬ステークスを勝ったユキノローズや,その孫になる2008年にきさらぎ賞,2011年に関屋記念を勝ったレインボーペガサスは第四ソネラの子孫です。
 第三ソネラの子孫で最近の重賞の勝ち馬には,2006年にフローラステークス,2008年に東海ステークスとクイーン賞,2009年にTCK女王盃を勝ったヤマトマリオンや,2007年にニュージーランドトロフィーを勝ったトーホウレーサーがいます。そして僕の競馬キャリアの中で第三ソネラ系の代表産駒となると,1998年にJRA賞の最優秀父内国産馬を受賞したメジロブライトになります。メジロブライトの4つ下の半弟には,2000年のJRA賞で最優秀2歳牡馬を受賞したメジロベイリーがいます。
 ダブルシャープはメジロブライトとメジロベイリーの兄弟の近親です。母がメジロベイリーの6つ下の半妹。つまり兄弟からみるとダブルシャープは甥です。

 第四部定理七は,ある人間のうちに何らかの感情affectusが発生した場合は,その感情より強力な感情が発生しなければ除去され得ないということをいっています。これは理性ratioそのものによっては人間は感情の抑制をすることは不可能ということを導くのですが,それとは別に,もしある人間のうちにそれよりも強力な相反する感情が生じる場合には,先に生じた感情は必然的にnecessario除去されるということも示しているといえるでしょう。したがってたとえばある人間がXに対して不安metusすなわち恐怖metusを感じた場合に,その不安すなわち恐怖よりも強力な相反する感情がその人間のうちに生じるなら,その人間はXに対する不安すなわち恐怖から逃れることができるということになります。これが人間が不安すなわち恐怖という悲しみtristitiaから逃れるためのもうひとつの手段です。スピノザはこうした方法については具体的に言及していないですが,このようにして悲しみから逃れるのだとしても,それは第三部定理一三系によって,人間の現実的本性actualis essentiaに則しているということは分かります。したがって一般に人間は,悲しみを感じた場合にはそれを除去するようにコナトゥスconatusが作用するのですが,それは悲しみを感じる対象の表象imaginatioを避けるという方法に限られるのではなく,その悲しみと相反する感情,といってもそれが悲しみであってはあまり意味がありませんから,それと相反する喜びlaetitiaによって,その悲しみ自体を除去してしまうという方法もあるということになります。
 僕の考えでいうと,不安すなわち恐怖という感情は,それと相反する感情によって除去される場合の方が多いのです。なぜなら,不安すなわち恐怖という感情には,それと相反する感情が同じ人間のうちに生じやすいという特徴があるからです。
 不安と希望は表裏一体の感情です。すなわちある人間のうちに不安があるのなら必然的に希望spesもあるのであり,同様に希望を感じている人間は必然的に不安すなわち恐怖も感じているのです。したがって,Xに対する不安すなわち恐怖は,同じXに対する希望とともにあるのですが,希望が不安より強力であることはできます。よって不安は希望によって除去されるのです。
コメント
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