● 小出裕章 「核廃絶への道程」
『世界』5月号 須山敦行
〔p49〕
◎ 反原発の言論をリードする闘士、小出さんであるが、テレビやネットで、そのお話を聞いているが、文章を読むのは初めてかも知れない。
◎ 小出さんらしい、テレビで話すのと同じような感じの書きぶりである。
率直な言い方で、ぐいぐい自説を吐露していくが、反論を批判したり、分からないことを分かるようにしたり、というふうな書き方ではないので、一方的という印象も残る。
◎ 複雑なことは言わず、ストレートに、言うべき事を言うというスタンスなので、よく分かり、人間性も出ていて面白いと思った。
《その主張から》
● 炉心が、どこにどのような状態で存在しているのか、四年たった今も分からない。(また、分かることは困難だ)
● 水による冷却を続けることに反対である。敷地に限りがあり、いずれにしてもこのやり方は破たんする。
スズや鉛などの低融点金属による冷却、あるいは空冷を考えるべきだ。
● 地下水の流入を阻止するために、凍土壁でなく、遮水壁を作るべきである。
● 福一は、地上と地下に石棺を作って封印するしかない。
● 事故当日に発せられた「原子力緊急事態宣言」は、事故から四年たった今も継続中である。オリンピックなどに浮かれている時ではない。もしオリンピックに反対して非国民だといわれるのであれば、私は喜んで非国民になる。
(※ 小出さんらしい言い方)
● 国は、一般の人の被曝限度の一年間に一ミリシーベルトをいつのまにか変えて、放射線業務従事者に対して初めて許される二〇ミリシーベルトの基準にして、危険な所に帰還させようとしている。
http://momsrevo.blogspot.jp/2013/11/20.html に、いい資料があります。
● 私たちは原子力にたてついた科学者は、「熊取(くまとり)六人組」と呼ばれた。
● 「原子力マフィア」は、自分たちは決して罰せられないことを、福島事故の最大の教訓として学んだ。