まずらしく話題の本を読みました。2012年本屋大賞第1位”舟を編む”です。
終わりまで読み切らないと気が済まないと言うことを自覚して、
通常は読み続ける気が失せる作品を読んでいます。
連休なので、予定の仕事の見通しがついたらと心積もりしていたのですが、
仕事が行き詰まったので、昼前から読み始め、一気に読破。
辞書は、沢山詰まっていて、予想外の広がりがあるので、
辞書を引くのが好きで、辞書編集者の小説と言うこともあり”舟を編む”を購入
かって新村出先生が、編纂した「広辞苑」が出来るまでをNHKで見た記憶があります。
戦災に会いながら、世間の冷視に合いながら
地味で、労力の割には経済的には報われない仕事。
言葉を拾い上げる姿勢に感動しました。
自国語の辞書の編纂に、
公のお金の投入という言及は興味深いものがありました。
「言葉とは、言葉を扱う辞書とは、内的自由と公的支配の狭間という、
常に危うい場所に存在するのですね」と松本先生が、馬締正也に話す箇所です。
正史としての扱いの日本書紀と語り部民間伝承型古事記の記載の違い。
最近話題の平清盛もこの視点から考察すると、
大衆の公的支配への迎合ぶりとかが推察されおもしろいとおもいました。
本を読むというのは、居ながらにして、多くの視点を手に入れられて、
安価で、楽しい。
地味な仕事の行き詰まりを打開し、再開する気力を取り戻せた読書でした。