シリーズの最終回です。NHKの番組「シルクロード」は大変に人気を呼んだ番組でしたが、本作は、その後を受けたシリーズということでした。中国本土に至った「海のシルクロード」の旅は長江(揚子江)に入り、途中、陶磁器で著名な景徳鎮に寄ります。ここは、かつて、唐の時代から、多くの陶磁器を輸出しており、中東やヨーロッパに運ばれていました。この「海のシルクロード」の旅でも、多くの場所に輸出された陶磁器が存在して . . . 本文を読む
井上雅義著、日経BP刊
本書の著者紹介に、次のように記されています。「ジャーナリスト・写真家。1956年東京生まれ。東京造形大学デザイン学科卒業後、共同通信記者を経て1996年フリーランス。環境問題、建築、空間デザインをテーマにしている」
全体の構成は、「第1章 風土からの贈り物」で、茅葺き、備長炭などの伝統的な手仕事と、木酢液作りのような近年になって取り組みが始まった例を紹介しています。この章は . . . 本文を読む
はてさて、旅行というのは、人によって様々でしょうが、私たち夫婦は、昔から計画性がなく、何となく出掛けて何となく帰ってくる感じです。
妻は「どこへ連れてってくれるの?」というタイプで、私は、仕事の場合は、きちんと計画して慰労無きよう努めますが、プライベートは全くやる気が出ません。長年の習慣で、行く場所で交通手段、宿を決めたら、あとはまったりまったりと成り行き任せ。最近は足腰が弱ったので余計です。しか . . . 本文を読む
大沢在昌著、双葉社刊
ケン・ヨヨギが主人公のシリーズの一作目です。この間読んだ「影絵の騎士」は、このシリーズの2作目です。大沢さんの作品はキャラが立っていて、謎解きの進め方が巧みです。本作も同様で、分かってみれば「そうだよね!」なのですが、読んでいる途中は、正しく闇の中を主人公とともに手探りで歩いているような感じです。
本作は、1993年に発刊しており、2作目は2007年発刊なので、14年の隔たり . . . 本文を読む
帰りの新幹線は、15:22京都発で、17:43東京着です。自宅に帰り着くのは19:40頃の予定なので、昼食を錦市場で取り終えると、妻と私は、近くの大丸百貨店でそれぞれ、好きな食材を調達し、早速、新幹線に。
すっかりくたびれ果て、本を読んでいるうちに眠り込んでしまい、浜松あたりで、お腹が空いてきたので、用意の食事を。私は写真上段の立派な二段重ね弁当を。(結構高かったのでした)妻は中段左の寿司など。( . . . 本文を読む
今野敏著、新潮社刊
先頃、「隠蔽捜査」を読んで、久方振りに骨のある作者に出会えたと感激しました。で、続編を読みました。この作品は、プロットも良いのだけれど、主人公の不器用な生き方にシンパシーを感じます。器用な人は、その都度、その場面に合わせて生きて行くことが出来るけれど、この主人公は徹底して不器用です。だから、常に原理原則に従ってしか生きて行くことが出来ない。
今の時代にあって、様々な場面で人々は . . . 本文を読む
二条城から新京極へ行くことにしていたので、地下鉄を乗り継いで「烏丸」駅で下車し、錦市場を通っていくことにしました。私も妻も初めて見る機会となりました。写真左上のように、狭い通路にアーケードが掛かっており、右上のように、様々な食品が販売されていますが、そのほかにも、京都ならではなの物産なども売っていました。
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小泉武夫著、NHKライブラリー刊
納豆、鰹節、チーズなどの乳製品、パン、漬け物、味噌などの調味料、熟鮨(なれずし)、魚醤、酒、発酵茶、発酵豆腐、肉の発酵食品、発酵での毒抜き、などなど。微生物による発酵食品を分かりやすく紹介しています。さすがに専門分野のことなので、それぞれの分野の解説が、伝えるべきものを厳選してコンパクトにまとめている印象を受けました。
また、途中で、食品を手作りする方法がいくつか . . . 本文を読む
京都旅行の最後、3日目の朝が明けました。さすがに少しくたびれ気味でしたが、「ヨッシャー!」と気合いを入れて出掛けました。どこへ行くかは、前日、行ったことのない場所、ということで「二条城」に決めていました。下記のURLに説明されているごとく、現在の二条城は徳川家康が「京に滞在中の宿所として造った城。」で、「城全体が国の史跡に指定されている他、二の丸御殿が国宝に、22棟の建造物と二の丸御殿にある計95 . . . 本文を読む
森枝卓士著、河出書房新社刊
東南アジアの国々を、広く浅く、満遍なく紹介しています。非常に多くの写真を掲載しており、分かりやすく体系立って解説しています。この手の本が好きなので結構読んでいますが、今までで一番読み易かった。そして、食を形作る気候風土や文化など多面的に、適度な詳しさで解説しています。
著者は、長く東南アジアに住んでいたこともあって、その地域の、普通の生活や文化に通じていることが感じられ . . . 本文を読む
開運!なんでも鑑定団で、何度か耳にしていたエミール・ガレの展覧会に行ってきました。テレビでは、良くランプシェードが登場していましたが、実際には、ガラス工芸全般に多彩な才能を発揮し、高い芸術性が開花しました。ランプシェードは晩年の作品で、58歳の死後に氏が残した工房で大量に生産されたものであるとのことでした。
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「ぼてじゅう」で、命の水とお好み焼きを平らげ、じゃあ、難波に行こうという予定であったのですが、二人とも、すっかり疲れ切っていたので、まぁいいか、てなことで、京都に帰ることにしました。昼は、新世界で串カツを少なめに食し、「ぼてじゅう」でも、さほど多くを食べた訳ではないので、帰路に夜食用の品々を買い求めました。
ホテルで、風呂に入り、二人で改めて乾杯。(なんか飲んでばかりのよーですが、実際そうかもしれ . . . 本文を読む
物語は、台湾海峡の中国側の港、厦門(アモイ)に至ります。この地では、清朝が起こった時、父が中国人、母が日本人である鄭成功(ていせいこう)が、清朝に抵抗するとともに、当時オランダに征服されていた台湾を解放した英雄として尊敬され、大きな像が築かれています。(そういえば、台湾旅行の際そんな話を聞きました)現在、この地は、台湾と中国本土との間にあり、引き裂かれた親族と家族が、両国の方針の転換によって、再会 . . . 本文を読む
ヘロヘロ二人連れは、命の水(「生ビール」とも言います)を手に入れるべく、早めの夕食に!まだ午後3時ですが・・・。
ちょっと前に、東京駅の地下街の「ぼてじゅう」で、不味いお好み焼きを食わされたのでしたが、先程の土産物屋のすぐそばに本場の「ぼてじゅう」があったのでした。速攻、入りました。「よーし、江戸の敵を大阪で!」。しかーし、店内に入ると、時間的に中途半端なのか、暇そうだおばさま連れが二人だけ。(私 . . . 本文を読む
山本周五郎作、新潮カセットブック発行
敬愛する山本周五郎さんの作品を、長山さんの素晴らしい朗読で聞きました。不遇な境涯にあって、卑怯な夫と小さな息子のために岡場所で春をひさぐ主人公のおひろは、「50年まえ・・・。50年あと・・・」と、自らの悲しみが今だけであると、思い定めてその日その日を生きています。誰しも、何とも八方塞がりの状況にあって苦しい時に、いつかはそこから脱することができる、あるいは、今 . . . 本文を読む