茨城県陶芸美術館で開催中の展覧会で、茨城県に縁のある作家の作品を展示しています。陶芸という手法を駆使したオブジェです。正しくオブジェで、陶芸という困難な手法をわざわざ選び取った苦闘の有り様が垣間見えるように思います。土、形成、釉、焼き、というそれぞれの過程で実に多様な手法があり、作家の皆さんは、イメージした完成形を目指して奮闘されているのだと思います。
抽象度の高い作品群ですが、心に響くものとそう . . . 本文を読む
久し振りに美味しい蕎麦を食べようか、ということで、以前行ったことのある蕎麦屋に向かいました。そこは十割蕎麦で結構美味しかったのですが、妻は行ったことが無いのでした。その途中「手打」と銘打った「昇庵」という大きな看板が目に入りました。山側に少し入った所にあるようです。迷った末、優柔不断な私達夫婦は、互いの考えを尊重しながら、結局看板の店に。
着いてみると、結構怪しい感じの店です。もう、二十年以上前に . . . 本文を読む
茨城県陶芸美術館で開催中の展覧会です。私は西洋の陶芸をよく知りません。なので、この展覧会は大変い興味深く見ました。本展は、日本大学で音響関係の教授をされている塩川さんのコレクションによる展覧会です。
展示作品は、「ロイヤル コペンハーゲン」と「ビング オー グレンダール」という銘柄で、アールヌーヴォー様式の作品が展示してありました。最初の展示は単色の非常に地味なものでしたが、色彩を使えるようになっ . . . 本文を読む
「不滅の弔辞」編集委員会、集英社刊
弔辞というものを生で聞いたことが何度かありますが、思い入れが強すぎたり、義務であるかのように型通りで、なかなか心に染みる弔辞には出会い難いのだと思います。しかし、タモリの赤塚不二夫さんへの弔辞は胸を打ちました。
弔辞というものは、故人と自分との関係、自分の立ち位置などを踏まえた上で、惜別の想いを込めるという大変に困難なものであると思います。本来、きわめて私的な故 . . . 本文を読む
2010年のアメリカ映画です。主演の魔法使い役はニコラス・ケイジです。相変わらずの馬面ですが、この人は何とも愛嬌があって良いです。子供向けの映画なので躊躇しましたが、あえて見ました。脚本が良かった。本作の成功は、魔法使いの弟子を演じたジェイ・バルチェルのお陰が大きいと思います。1982年生まれなので、撮影時は27歳ぐらいでしょうか。本当に冴えない物理オタクの役柄を見事に演じています。楽しんで見るの . . . 本文を読む
福岡伸一著、木楽舎刊
大変分かり難いタイトルですが、作者はあとがきで以下の通り述べています。
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生命、自然、環境-そこで生起する、すべての現象の核心を解くキーワード、それが《動的平衡》(dynamic equilibrium)だと私は思う。間断なく流れながら、精妙なバランスを保つもの。絶え間なく . . . 本文を読む
2001年公開のアメリカ映画です。何とも中途半端で、見終わって「何が言いたいの?」という感じがしました。俳優は悪くないけど、どうしてこうなっちゃ他の? てな感じです。そもそも、冒頭の蠍(スコーピオン)同士の戦いが、如何にもチープなCGでよろしくありません。リアリティが全くない。「火天の城」以来の残念感でした。
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東京国立博物館の平成館で開催中の展覧会です。一昨年北京を旅した際には、残念ながら故宮の宝物を見ることが出来ませんでした。今年は日中国交正常化40周年であり、東京国立博物館140周年を記念しての展覧会と言うことです。
展示物は、中国の歴代皇帝が愛でた文物ですが、最初の展示物は書が中心でした。私は書は分かりませんから、正直がっくり来ました。しかし、その後の絵画や青銅器、陶器、漆器など、多彩な展示に圧倒 . . . 本文を読む
今野敏著、読売新聞朝刊
殺人現場に残された古代文字を巡る謎解きの小説です。私が今まで好んで読んでいた今野さんの「隠蔽操作シリーズ」、「樋口顕シリーズ」などとは趣を異にしており、ネットで見ると「碓氷弘一シリーズ」の4作目に当たるようです。平成23年4月からの連載です。
大学内の特殊な環境が原因となって発生した殺人事件の解明に活躍するのは、アルトマン教授という考古学者です。残念ながら、謎解きの甘さが目 . . . 本文を読む
2010年公開のアメリカのSF映画です。CGを多用しており、独特の質感、世界観が感じられます。かといって、CG一辺倒では無く、俳優の演技もきちんと見せています。脚本は余り良いとは思えませんが、ジェフ・ブリッジスの一人二役が見ていて何とも納得出来ませんでした。それは、本物がかなり年齢を感じさせるのに、コピー(??)が凄く若いのです。20歳ぐらい若いという設定だと思います。メイキングを見てびっくりした . . . 本文を読む
高島俊男著、文春文庫刊
著者は1937年(昭和12年)のお生まれなので、現在は70代の半ばです。本書の執筆は1995年とのことで、著者が58歳の頃だそうで、現在の私位の年齢であろうかと思います。著者は東京大学で経済学を専攻し社会人になりましたが、同大学の大学院で中国文学を学んだ後、色々な経緯を経て著述業に専念するようになったとのことです。
本書の内容は、著者が様々な媒体に掲載したエッセイを収録した . . . 本文を読む
1998年公開のアメリカ映画です。息子の白血病が悪化し、もはや骨髄移植しか方法が無くなった刑事が、不正に情報を入手し、適合者を発見します。それは刑務所に収監されている凶悪犯でした。懸命の説得で、何とか協力を約束させたものの、知能が高い凶悪犯は、まんまと逃げ出します。その途中で、刑事は、ドナーである凶悪犯が殺されないよう、懸命に達振る舞います。
何とも汚らしい脚本で、日本人のメンタリティには馴染めな . . . 本文を読む
デイヴィッド・サルツブルグ著、日本経済新聞社刊
統計の概念は身の回りに溢れています。天気予報、出生率、失業率、宝クジなどなど。目で直接確かめることが出来ない多くの事柄を、サンプルを採って推定して数値で表現する。そんなイメージです。
この統計の技法や理論は近代になって急速に発展し20世紀で花開き、今では、生物学、薬理学、医学、経済学などの、あらゆる分野で不可欠なものになっているとのことです。
本書は . . . 本文を読む
茨城県近代美術館でH24.1.21-2.12まで開催中の美術展です。毎年楽しみにしている展覧会で、絵画、彫刻、工芸美術、書、写真、デザインと、大変に幅が広い展覧会です。茨城県に在住する各分野の第一人者の作品を網羅しているようで、見応えがあり、しかも無料です。
本展と、東京国立新美術館での一陽展は、恩師が出品しているので毎年見に行きますが、年毎に、作家の作風や変遷に気付くという楽しみがあります。
私 . . . 本文を読む