旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

世界金融危機とわが社の税務調査

2008-10-15 21:40:33 | 政治経済

 

 アメリカ発の世界金融危機で世の中はゆれている。日経平均株価も千円規模で乱高下しており、金融機関を救うためにアメリカの73兆円を始め各国とも数十兆円規模の公的資金(つまり国民の税金)の注入を計画している。
 世界の株式時価総額は、過去最高だった07年10月末に比べ、1年間で約30兆ドル(約3千兆円)減と半減したそうだ(本日付日経新聞6面)。つまり3千兆円という想像も出来ない金がなくなったに等しいのであろうが、ピーク時の6千兆円も現在の3千兆円も「虚」の世界であるので(そもそも株価なんて実態を離れた虚の世界)、実体経済に生きている者にとっては、どうってことは無いのかもしれない。

 その桁外れの桁数の虚の世界から見れば、ゴミ粒にも見えない世界であるが、実は名古屋のわが社に昨日から税務調査が入った。公的資金を注入するために少しでも徴税する必要があるのかもしれないが、わが社は年売上高70百万円、変動経費17.5百万円、固定経費52百万円で、この3月に50万円の利益を挙げて30数万円の税金を払った。売り上げは隠すどころか必死にかき集めて計上し、経費も爪の上で火を炊くようにケチりながらやっと利益を計上した次第。経費はほとんどが人件費と家賃で、交際費など1年間で9万円しか使っていない。
 そのようなものを、いくら調べても追徴すべきものなど出るはずがない。2日間にわたって調査を頂いたが何も無く、「問題は何もありません。事務も良く出来ています。後日、『税務申告適正認定書』を送らせていただきます」と言って調査官は帰られた。こちらも要求される資料をテキパキと出して行ったし、調査官もきわめて手際良く調べて、最後の講評も気持ちよく、私は実にすがすがしいものを感じた。
 一方でカジノ資本主義とも呼ばれる巨額なバクチ経済が横行している中で、わが社の計数の何とミミッチイことかと、いささか寂しくはなったが・・・。

 ただ、これだけは付け加えておく。
 年売上高70百万円の経済活動は、そこに何の虚飾も無く、役員以下アルバイトまで10数名の従業員が、それによってこそ生きていく「実なる経済」である、ということだけを。


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