世界経済は大荒れの状況である。日本の日経平均株価も、昨日は終値こそ7000円台に戻したが一時的にはそれを割り込み6994円90銭をつけた。これはバブル後の最安値で、26年ぶりの水準のようだ。つまり1982年まで逆戻りしたようなものだ
為替相場も乱高下を続けながら、円の独歩高の様相を示している。聞くところによると、ユーロなどを買い求める人が銀行に長蛇の列で、売り切れて買えない人も多いという。安い外貨を買い溜める余裕の人も結構たくさん居るのだ。
その為替相場であるが・・・、
昨年の秋、ドイツ、イギリス、フランスを旅して、ユーロとポンドの高いのに泣かされたことを思い出す。当時ユーロは160円台、ポンドは240円前後であった。何を買っても何を食べても高いと思った。そしてその要因は為替相場の不均衡にあると思った。
その相場は昨日付けでは、ドルが94.38円、ユーロ117.53円、ポンド148.41円となってきた(本日付日経新聞23面「対顧客電信売相場」)。世間一般では、これを円高、円高と騒いでいるが、私はこの水準は「生活実感を基にした国力の比較」という点ではちょうどいい水準ではないかと思っている。
昨年ヨーロッパで感じたことは、「この相場では、日本の生活をヨーロッパで維持するには5割増しの金が要る」ということであり、「はたしてそれだけの国力の差があるのか?」というのが疑問であった。
このところの相場なら、ほぼその矛盾は解消すると思われる。明らかにユーロ、ポンドは過大評価であったのではないか? その証拠に、(ドルの100円弱を含めて)円高だと騒いではいるが、かつて初めて100円を切ったときのように「日本は潰れるのではないか」と言うような騒ぎは起きていない。輸出もあるが輸入もあるのであり、国として円の強いことは決して悪いこととは思わない。
さてどの程度の水準に落ち着くのであろうか・・・?