今日の毎日新聞夕刊「特集ワイド」に、20代の70%が今の生活に「満足」という内閣府世論調査(2010年)の結果が載った。これにはいささかショックを受けた。満足の理由は、「デフレが進み、ユニクロやファストフードでも、お金をかけずにそこそこの生活ができる」、「借家を仲間とシェアしたら生活費は月5万円。だったら日雇いでも暮らせる」、「将来これ以上幸せになれないと思うから、今に満足する」…などなど。
今の若者は可哀そう、などというのは年寄りの発想で、若者本人たちは満足しているというのだ。職のないこと、新たに生み出された貧困問題に頭を痛めていたのだが、それはどうも不必要な危惧のようだ。
とはいえこれはショックであった。驚いて娘(30歳代半ば)に聞いたら、「今の20代から30代前半は、バブル崩壊後に育ち今の生活に慣れて、それ以外の生活を知らない。将来良くなるなんて思えないし、満足というより、特に不満はないのかも…」という。また、「昔の日本に帰れといっても、高度成長の中で父親は働きづめ、母親は教育ママ…、成長もしたかもしれないが失ったものも多かったのではないか?」とも言う。
高度成長の中で、高い技術も生活も相応の文化も生み出したつもりであったが、失った“良き日本”も多く、そう言われればどちらが良かったのかわからない。
少なくとも今の若者の大半は、高度成長のような生き方は望んでないようだ。友達と携帯があれば「月5万円の生活」で満足のようだ。
かなりショックを受けたので(このくらいでショックを受けるところに“古い人間”の所以があるのだろうが)、もう一度ゆっくり考えてみる。